ADHD アゲ色・サゲ色でやる気スイッチON | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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ADHD アゲ色・サゲ色でやる気スイッチON

 

ADHDの人に限らず、人間が受け取る情報は約8割が視覚から。もちろん色彩は重要だ。実際、色の刺激は脳に直接届くため、古くから生理学の分野などでその影響についての研究が進められてきた。たとえば、寒色系の部屋にいるときと、暖色系の部屋にいるときとでは「体感温度が3℃違う」という話を聞いたことはないだろうか? 

 

色の効果は商品パッケージのデザインなどで広く使われている。食欲を刺激するオレンジや赤は食品のパッケージに多様される一方、食欲を抑制する青はあまり使われない。数年前には「ご飯が美味しそうに見えなくなり、食べ過ぎを抑制する」という青いダイエットふりかけが流行したこともあった。つまり、「食べる」ことを軸に考えた場合、赤、オレンジは"アゲ色"で青は"サゲ色"だ。

 

 

 

◆アゲの基本、サゲの基本

色の刺激はおおざっぱに分けて以下のようになる。

 

赤=脳内伝達物質の分泌を促進、興奮・やる気が出る。食欲増進 (ネガティブ:緊張、怒り)

黄=集中力発揮、判断力UP、記憶力UP、注意をうながす、明るい気分(ネガティブ:危険、緊張)

青=集中力を高め、興奮を抑える、睡眠を促進する (ネガティブ:不安、悲しみ、寂しさ)

緑=鎮静、疲労回復、リラックス (ネガティブ:未熟、受け身)

オレンジ= 食欲増進、陽気な気分、開放感、仲間意識、緊張緩和(ネガティブ:自己中心)

ピンク= 幸せ、優しさ、若さ、安らぎ、愛情欲求、緊張緩和(ネガティブ:不安定、弱い)

 

 

身近な例では、外食産業の看板などで多用されるオレンジ色、工事現場で使われる黄色など。高齢者施設の内壁はピンク系に塗られると入居者の幸福感が違ってくると考えられている。この効果をADHDの仕事や勉強に応用するとどうなるだろうか?

 

やる気スイッチが入りにくい人は、手元に使う文具や小物に赤や黄色を使うと、オンになりやすい。これがいわゆる"アゲ色"だ。逆に、「いいかげんにしないと……」と頭ではわかっていてもブレーキが効かないときは、黄色や赤の仕事アイテムから離れ、青や緑のソファにゴロンとすると緊張がとけ、リラックスモードに入れる。これが"サゲ色"だ。

 

色の効果を活用するためには、2つのポイントが重要。1つは「アゲ色の分量は控えめにする」。もう1つは「エリアを区切って、色の刺激を切り替える」こと。どんなに良い刺激があっても、その空間に長くいると脳が慣れてしまうからだ。

 

◆「拷問部屋」と呼ばれた会議室の壁は?

ある企業で、社長がこのアゲ色サゲ色の作用を狙って、2つあった会議室の一方をくすんだ赤に、もう1つを落ち着いた水色に塗らせたことがあり、私も両方の部屋を使った経験がある。ここで会議を行うとどうなるか。確かに赤の会議室は活気があり、おもしろいアイデアがたくさん出た。しかし、"アイデア"からなかなか実際の仕事に落とし込めない「実行不全」状態に陥ることが多かった。会議が長時間に及ぶと、みながイライラし、赤い会議室は「拷問部屋」と呼ばれて誰も使わなくなった。もう1つの青の会議室では、一見なんの影響もないようだった。だが、この部屋ではユニークなアイデアが出にくく、同僚と一緒にいるのに妙な孤立感のようなものを感じていた。

 

では、どうすればよかったのだろう? 2つの部屋を交互に使えばよかったのだ。赤の部屋で活発にアイデアを出し合ったところで、青い部屋へ移ってクールダウン。実際の仕事に落とし込む具体的な相談に移る。皆の士気が落ちてきたら、また赤い部屋に戻って、やる気を取り戻す。

 

◆自分の好きな色は変わる?

そうはいっても、仕事環境や勉強部屋は「自分の好きな色を中心に構成したい」という人や、「勉強するデスクエリアとベッドエリアを切り分けられない」など、個人の事情はいろいろあるだろう。そういうときは全体をアースカラーなどでまとめ、ポイントカラーとしてアゲ色やサゲ色を配置していく。たとえば、眠るときにサゲ色のパジャマに着替えるだけでも脳の興奮度は収まりやすくなるはずだ。

 

また「好きな色」は、自分の精神状態やストレス、将来的な目標などでどんどん変化していくものらしい。「オーラソーマ」というカラーセラピーは、カラフルなボトルを使い、その選び方から心の状態を読み解いていくというものだ。日本ではスピリチュアル系にカテゴライズされることが多く、科学的な裏づけについてはあまり語られていない。興味のある人はリンク(無料)をはっておくので、試してみては?

 

 

◆黒い文具は要注意?

大人が使う文具で一番多い色は黒かもしれない。しかし、黒には「実際よりも重いように見せる」という効果がある。気が重い仕事関連のファイルやノートを黒にすると、さらに「重く」感じかねない。白はその逆で「実際よりも軽いように見せる」効果がある。下の椅子は同じ大きさなのだが「黒のほうが重そうに感じる」という人は持ち物の色をチェックしてみよう。