あの時代は堕胎をさせるには毒物を使うしか方法がなかった。
事前に避妊する方法もあったにはあったが、紙を使った避妊具しかあらず、
それでは妊娠も防ぐに防げなかった。
そうだな、稚児が出来たら身請けをして稚児も引き取ってやろうと、
口先だけで証文もなしの約束をしたことも幾度もあった。
故に、水銀や鬼灯毒を使い堕胎をしようとし、
命を落とした娘もいたのだろう。遊郭側には大枚を渡した気がする。
ああ、知らなかったんだろ。俺がこういう男だと。
自分で自分を良く知っているから、お前の事は見守るだけにしていたんだよ。