過去世の記憶-江戸時代⑫義母の命じるがまま、月代を剃らずにいた。 月代を剃っている男よりも何故か女受けが良く、遊女に髪の毛を結ってもらっていた。 鬢付け用の椿油の香り。楽しそうに髪を結う女。 「旦那さんは妙に色気がありんすね」 そんな言葉を聞いた記憶がある。妙な色気とは何のことだろうか。 あえて尋ねはしなかった。 江戸の終わりが近づきつつある、そんな花街の夜更け。