過去世の記憶-江戸時代⑯ | Passage of time is bridged~観測世界の断片にかかる橋~

Passage of time is bridged~観測世界の断片にかかる橋~

埼玉県川越市で活動している梛木 赫(ナギ ・アキラ)です。
状態を整えるためのワークを制作しています。
癒しや変化を目的としたものではなく、
判断や思考が重くならない状態を保つための
セルフメンテナンス用ワークです。

本宅はかなり大きい敷地だった。

幽閉されていたのは、地下牢みたいな所だったのだろう。

その他にも、父親が俺の本当の母親や、他の妾と遊ぶ為に作った
こじんまりとした別宅があった。

別宅は本家からはかなり離れた街外れに有り、義母もその場所は知らなかった。

確か俺は親父から聞いて自ら赴くようになったのだろう。

幽閉が明けた後は、俺は普段はそこに入り浸っていた。

使用人も義母もいない、一人になっていられる空間。


いつの頃からか。陰間茶屋で知り合った奴を連れ込んで抱くようになっていた。

女遊びもしてはいたが、女はやはり落ち着かなかった。

男に走っていた原因は義母にあったわけだ。

あの女さえいなければ、きっとこうはなっていなかった。

自分で変えるに変えられなかった。

他人のせいにはしたくなかったが、仕方なかった。
 そうでもしないと、俺は生きてられなかった。

そして、生きてるのを証明するかのように、
人を殺していたのかもしれない。
 血の脈動を感じたかったんだろう。