上境駅前には大きな規模の雑貨屋が存在していた。私がそれを知ったのが2012年夏。そして閉店を知ったのが2年前のことだ。その10年の間のどこかで閉店した訳だが、先日のJR大糸線平岩駅の商店の閉店もあって余計に感極まる。(写真/上境駅のホームから閉鎖された商店をみる)

 


 

上境駅近くの湯滝温泉は千曲川を見下ろす露天風呂(写真)もあって全くもって文句はないのだが、別プランを考えられないかと、あれこれ画策した。上境駅の次の停車駅、森宮野原駅からは4~5㎞先に中条温泉トマトの国という温泉施設がある。タクシーを使えば、何とか後続の普通列車に間に合いそうだが、今や駅にタクシーが待機している保証はなく断念した。

 

上境駅に観光列車おいこっとが停車するのは、近くに湯滝温泉があるからなのだろうか。しかし、地図をよくみると、野沢温泉に県道が繋がっている。むしろ戸狩野沢温泉駅よりも近いくらいだ。(写真/湯滝温泉のロビーで風呂上がりのビールを飲む)

 

上境駅には、おいこっとから1時間余後に後続の普通列車がやって来る(写真)。この列車に乗れば津南駅には12時半過ぎに着き、折り返す上りの列車までには1時間半が生じる。この時間をそっくり駅前食堂に充てる。

 

上境駅から津南駅はちょうど1時間ほど。車内が意外と混んでいるが、座ることはできる。さらに列車の中で飲もうと湯滝温泉で補充してきた缶ビールのプルタブを引くのも抵抗がない。(写真/窓の外の景色に見入る仲間)

 

津南駅に到着する。駅前に降り立つと、信濃川に向かう道沿いには、今まで見たことがない新しい店があり「ランチ」と描かれたフラッグが揺れている。そちらは若者向けのカフェで、メニューも軽食系。これから向かう大衆食堂とはバッティングすることはなさそうだ。

 

初めて訪れていた頃の店の名は「福原食堂」だったはずだが、今は「イートハウスふくはら」と洒落た名に改称さて外観のサインが新しくなっている。名前を変えたからといって、店内や客層は変わった様子はなく、この時間に来ると、客の半分くらいは昼飲みしている地元の人たちのような気がする。
 


株価を上げていた駅前食堂へ Vol.3に続く