午前6時20分出発。七倉ゲートに入るとすぐに七倉沢を渡る。下流側にはロックフィルの七倉ダム堤体(写真奥)がみえるが、雨が少ないせいでダム湖の水位が低い。もっとも夜中の内に揚水として高瀬ダム湖へ水をくみ上げているはずだから、その影響もあるのかもしれない。

 

全長1㎞強の山の神トンネル(写真)には、時折タクシーが追い越して行くものの、他に歩く人もなく、もちろんダンプカーの出動はまだ先でいたって静かだ。私が持つ熊除けの鈴の音だけが呑気に構内に響く。 

 

新高瀬川発電所の入口にやって来る。ここには誘導員が待機するプレハブ小屋と簡易トイレがあるが、誘導員はまだ配置されていない。 

 

ダンプカーの車列が、七倉ゲートに姿を現わすのは午前7時40分頃と、先週訪れた際、誘導員の方から教えてもらった。ということは高瀬ダムの上り口には、おおよそ10分後に到着するということだ。(写真/いくつか洞門が続く。この先の誘導員か工事関係者を乗せたと思われる車が通過して行く) 

 

高瀬ダムはロックフィルと呼ばれるタイプで、堤体の表面は大きな岩で覆われている。しかも堤高176㍍とこのタイプのダムでは日本一の高さを誇る。そこにつづら折りの道があり、朝一番なら36台のダンプカーがほとんど切れ目なく走行していくはずだ。その様子をダムサイトから撮影したいと考えている。(写真/すれ違いが可能な待避所も設けられている)

 

午前7時15分。いくつかの洞門を抜けると、景色が広がり高瀬ダムの堤体が姿を現わす。右岸側にはスキーのジャンプ台のような非常用洪水吐が目に飛び込んでくる(写真)。何回かみているのに、こんなにも巨大だったのかと改めて思う。

 


高瀬ダム堤体の下にはやはり誘導員がいて、ダンプカーを撮影したいと告げると、「まだ七倉ゲートを出てないよ」と教えてくれる。ダンプカーがやって来るまでに動画カメラをセットしアングルを決める。(写真/高瀬渓谷の下流側をみる。朝日が山肌を照らし出す)

 


高瀬ダムの土砂を運ぶダンプカー群 Vol.6に続く