聖高原駅前

聖高原駅前には食堂が2軒連なる。筑北地区にあった4村で唯一合併しなかった麻績村に位置し、今もこの地区の中心地としての役割りを担っている。駅から北西へ車で15分ほど行くと山の上に聖湖があり、以前は観光客が多い時期があった。この駅前通りも今よりずっと賑わいをみせていたと思われる。

 
店は古いものの清潔に保たれている
上品な店主の譲れないプライドなのだろう
 

果たしていつ頃開店したのか。どうして店の名を「すしや」にしたのか。色々と気になることは多いが、2階に通じる階段もあることから、以前は寿司も握り、宴会を催せるような店だったのかもしれない。往時に比べるとひっそりとした店内には、昔懐かしいお品書きが掲げられ昭和の雰囲気が伝わってくる。柱時計が変わらない時を刻んでいる。

 

テーブルの上には、醤油やこしょう、爪楊枝といった調味料が並ぶ。大衆食堂には見慣れた光景だが、きっと店の心意気なのだろう。きれい配置されている。以前本編でも紹介したが、店主の振る舞いには品があり、以前からその雰囲気も含めてこの店が好きな要因となっている。

 

この店では定番のメニューがあるのかもしれないが、何を食べても外れがない。かといって評判のお勧めがある訳ではなさそうだ。記憶を辿るとここで食べたものは、ラーメン、かつ丼、天丼。もしかすると焼きそばも。久しぶりに出掛けた昨年はもつ煮定食を頼んだ。どれも温かな手作りの家庭的な味がするものばかりだった。今回は冷やし中華を注文。気取らない家庭的な盛り付けと味だ。アルミ製の急須で出てくるお茶もまたレトロで親しみやすい雰囲気を醸すいい小道具となっている。
 


聖高原駅前食堂 すしや Vol.3に続く