日本がTPPに加入して、
最も影響を受ける分野が、「農業」です。
農業というよりも、日本人が食べる食料です。
日本人が食べる食料の生産量や生産方法を検討し、
若い世代が農業を受け継ぎ、
食料生産に従事することをすすめます。
世界全体を見渡すと、化学会社が種苗会社を買収してしまいました。
F1という一代限りの種子(固定種・在来種のように種子が採取できない)、
遺伝子組み換えの種子(安全性に疑問)、
化学肥料と農薬、
それらを使用した農業になってしまいました。
俳優の菅原文太さんは、若いころ、昔ながらの農業を手伝っていました。
山梨県北杜市(ほくとし)明野町で、農業生産法人を設立、
都会育ちの就農希望の若者を支援するとともに、
「命を守る農業」として、自然農業や有機農業を普及しようとしています。
日本各地で日本人が伝統的に耕作してきた農業を復活させようとしています。
以下は、2012年10月に山梨県甲府市の湯村温泉「富士屋ホテル」で開催された
「有機・自然共生農業を考えるつどい」の記事の再録です。
山梨県甲府市湯村温泉の甲府富士屋ホテルにて、
2012年10月17日(水)午後~2012年10月18日(木)、
山梨県主催、農林水産省後援で、
「有機・自然共生農業を考えるつどい」が開催され、
私も参加させていただきました。
山梨県知事(ご本人も前向き)、
山梨県北杜市(ほくとし)で3年前に就農して、山梨県有機農業アドバイザーである俳優の菅原文太氏(司会をされました)、
山梨県庁、
日本有機農業研究会(全国組織で長い実績あり)、
やまなし有機農業連絡会議(代表の沢登さんのお父様は日本有機農業研究会会長でした)
など、さまざまなかたがたのご尽力で盛大に開催されました。
講師は、
青森県でりんごの自然農業をしている「木村秋則」氏、
元農林省、元東京農業大学教授で国際的な稲作研究者で「共生農業」の著者である「太田保夫」氏、
有機農業推進協議会理事長で埼玉県小川町霜里農場で多くの研修生をそだててきた「金子美登」氏、
など、日本を代表する有機農業・自然農業の研究者・実践者が全国から集まりました。
木村氏が「自然農業」、太田氏が「共生農業」の講演をされました。
集いの参加者は、有機農業・自然農業実践者、就農希望者を中心として、
日本全国から500名以上、交流会の参加者は200名以上と大盛況でした。
翌日の有機農場現地視察も、大型バス6台で北杜市(ほくとし)内の、小淵沢町、高根町の二つの有機農場を見学しました。
会場の都合で入り切れずに、やむをえずお断りした人も多いと、県職員の方からも聞きました。
菅原文太さんの関係で、歌手の「さだまさし」さんが来られて、
農業についてのメッセージを聞きながら、ミニコンサートを楽しみました。
さだまさしさんは長崎出身、親戚が被爆しています。
被爆の影響には個人差があり、
元気で長生きしている人もいるし、
亡くなった方もいるとのことです。
今回の会合では、有機農業のみならず、
自然農業、共生農業についての説明があったことが特徴です。
現在では、有機農業については、かなり知られてきています。
有機農業では完熟堆肥を使うこと、有機肥料を施肥しすぎないことが重要だそうです。
自然農業で本当に作物ができるのかと不思議に思うのが一般人の気持ちであろうと思いますが、福岡正信さん(みかん)、木村秋則さん(りんご)などが実践されています。
今回の会合には参加されませんでしたが、
埼玉県飯能市の「野口の種」と
その仲間の埼玉県ふじみ市あたりの若い専業農家では、
野菜の固定種・在来種の自然栽培とタネの自家採取を実践しています。
私はまだ就農していませんから、
担い手育成、新規就農の分科会に参加しました。
非農家の人間が、農業法人に就職するのではなく、新規就農をすることは、
農地の取得ができない(借りるのが現実的だか、耕作放棄地があっても、貸してもらえない)、
地方では、空家があっても、貸してもらえない、住む家がない、
農業として認められる規模のまとまった農地はまずないので蛸足分散で長距離移動、
農家として認められる規模を耕作するためにはトラクターなどの高額機械がないと無理で資金が必要、
農産物の出荷先が見つからない、
頑張って、土作りをして、いい作物ができるようになると、土地を返してくれといわれることがある、
など制度的に、農業社会の閉鎖性から、きわめて難しいのが現実です。
山梨県、とくに北杜市(ほくとし)では、
若者が専業として就農に成功しているようです。
私自身も、合併して市になる前に、
小淵沢、高根、長坂、白州、武川あたりで、
週末に農業をやろうかと思い、
現地に何回か行ったことがあります。
清里にも近い、風光明媚な場所で、
観光地・滞在型別荘地としても人気があります。
山梨県に限らず、非農家の若者が就農するためには、
就農地の受け入れ態勢が重要で、
師匠や農業の親かわりになる人物が、
就農地にいるかどうかにかかっていると思います。
非農家の中高年が就農するためには、
当初は規模が小さく、次第に大きくしていく就農を認めたり、
農業以外の確実な収入源もある兼業の就農を認めることが、
現実的であると思います。
農業というより、日本の食料の危機であり、
世界的にみても、遺伝子組み換え・農薬過多の農業はいきづまり、
伝統的な農業に戻す、
つまり、有機農業・自然農業の実践が重要であると思います。
ただし、完全無農薬が無理の場合もあり、
減農薬でもやむをない場合もあると思います。
自由民主党はTPPに慎重な方針、
民主党はTPPを推進する方針です。