★1953年 萬代屋ジャガーXK-120ロードスター ~ブリキ自動車コレクションから 209追補 | ポルシェ356Aカレラ

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★1977年「世田谷・講道学舎のジョン&ヨーコ」 ©朝日新聞社
2024年4月12日(金)の朝日新聞(夕刊)の1面トップは何とジョン・レノン記事でレアフォトに腰を抜かした向きも多いことと思います。かく言う私も御多分に漏れず腰を抜かし、呆気にとられ暫く固まってしまったという訳ですが、これは朝日新聞独自のスクープという訳ではなく、私が知らなかっただけで既に一部で公開されていた逸話&画像ではあったようです。
1977年(昭和52年)のジョン&ヨーコ極秘来日の際(リアルタイムでは来日自体の情報は全くなく、同じ東京の空の下にジョンが居るとは夢にも思いませんでした)、日本の伝統文化の柔道を是非見たいとジョンに言われた洋子さんが近い親戚のツテを頼り、世田谷の講道学舎(2015年3月まで東京都世田谷区に存在した柔道の名門私塾)へ2人で行くことになったとの由。


柔道の創始者・嘉納 治五郎(1860年12月10日‐1938年5月4日)の遺影をバックに写した2人の写真や講道学舎に居合わせた人々との集合写真は何とも感動的です。日本でのジョンの集合写真は、1982年角川書店「ジョン・レノン家族生活」に掲載された西丸文也氏による洋子さんの日本の親戚一同とジョンの写真がよく知られていますが、それと同様に居合わせた日本の人々の心模様が透けて見えるような妙な感動があります。
講道学舎ではジョンの希望で2分間程、中学生と乱取りをし、その場に居合わせた当時小5で1988年のソウル五輪銅メダリストの北田典子さん(1966年8月10日-) によれば、その際のジョンの姿はまるでダンスを踊っているように美しく見えたとの由。


中央にジョン&ヨーコ




★閑話休題
今回もまた国産旧車ファンの人には「何じゃらホイ??」的な車種となりますが、ブリキ自動車コレクションから第209回記事の追補として萬代屋ジャガーXK120ロードスターをご紹介します☆☆☆



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★ジャガーXK120 (1949年~1954年)
1948年(昭和23年)秋、戦後初めて開催されたロンドン・ショーの人気の焦点はブロンズ・カラーの美しいジャガーXK120ロードスターでした。即ち、XK120は戦前1936年から1940年にかけて生産された名車ジャガーSS100に代わる高性能スポーツカーとして1948年10月のロンドン・ショーでベールを脱いだのです。戦前のSS100同様、ジャガーの創業者ウイリアム・ライオンズ(William Lyons、1901年9月4日-1985年2月8日)自身がデザインした細く低く流れるように美しいボディにXK型3442cc6気筒DOHC 160psエンジンを載せた抜群の性能はデビューと同時に北米を中心に爆発的な人気となったのです。カタログ上の数値でなく掛値なしに200kmオーバーの最高速度は当時世界最速の1台でした。
ロードスター(簡易な幌のみ付属)のみでデビューしたXK120は1951年(昭和26年)3月に美しいフィクストヘッドクーペ(FHC:固定型ルーフのクーペ)、1953年4月にはドロップヘッドクーペ(DHC:完全な内貼りを持った耐候性の高い幌付オープンクーペ)が加えられています。また、1952年には圧縮比9で190psを発生する高性能グレードXK120Mも追加されています。1951年にはワイヤホイールがオプション設定され、ワイヤホイール装着車はセンターロックナットが干渉するため美しいリアのスパッツが取り除かれています。


【1953年 ジャガーXK120ロードスター 実車主要スペック】 (1954 JAGUAR XK120 Roadster Specification)
全長4410mm・全幅1575mm・全高1270㎜・ホイールベース2591mm・車重1142kg・FR・水冷直列6気筒DOHC3442cc・最高出力160ps/5200rpm・最大トルク?・変速機4速フロアMT(1速ノンシンクロ)・乗車定員2名・電装系12V・最高速度200km/h(125mph)・米国内販売価格$3345(参考:同時期のポルシェ356クーペ1500superの米国内販売価格はXK120の約1.4倍の$4584)


【萬代屋(バンダイ) 1/18スケール1953年ジャガーXK120ロードスター ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/18scale 1953 JAGUAR XK120 Roadster by Bandai-ya. Tinplate model Toy KEY DATA)

・商品名: JAGUAR XK120 SPORTS CAR (外箱の印字)
・萬代屋 製品番号(製品管理番号): No.286(ロードスターは1番違いのNo.287? XK-150ではドロップヘッドクーペNo.648、コンバーチブルNo.649)
・主要素材: ブリキ
・全長: 240㎜(実車比1/18.4)
・全幅: 100㎜(実車比1/15.8)
・全高: 80㎜(実車比1/15.9)
・ホイールベース: 148mm(実車比1/17.5)
・スケール表記: なし
・箱サイズ: 縦100×横242×厚さ85㎜
・動力: 後輪フリクション・モーター
・室内ハンドル位置: 左のみ(アメリカ向け輸出仕様車をモデル化)
・カラーバリエーション: 赤、クリーム、空色 等
・シャシー再現: 細かなプリント表現あり(XK-150ではJAGUARの車名刻印のみ)
・発売時期: 1955年(昭和30年)・・・・・No.300のクラウンRSが1955年11月の発売でジャガーは14番古いNo.286のため、1955年夏頃の発売?)
・販売価格: 不明(150~200円前後と推定)
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・特記事項: 萬代屋(現バンダイ)のXK120は実車がXK140となった時期の発売のため海外の資料本ではXK140と記載されている例があるものの、ロードスターの箱にはXK120と印字があり、萬代屋がXK120をモデル化したことは間違いはないものと思われます。またロードスターについては、幌部分の造形がないことから、内貼りのしっかりした幌を持つドロップヘッドクーペをモデル化してはいないことが判ります。

・2024年現在のアンティーク・トイ市場での推定評価額: 4.5~8万円程度 (箱付未使用美品の場合)



●萬代屋(現バンダイ) 1/18スケール1953年ジャガーXK120ロードスター 赤 (箱無・美品)










「H6672/AN55J/J」という妙に長いリアナンバーの文字には何か意味があるのでしょうか。






英MATCHBOX No.32-A⁻3(全長約6㎝)との大きさ比較




JAGUAR文字の入ったホイールキャップ


丸型2連センターメーターやシフトレバー、3ペダル等も再現された室内


細かくプリントされたシャシー裏。リア側に萬代屋BCマーク。


※萬代屋XK120ロードスター箱(ヤフオク出品画像より転載)。恐らく発売当時、玩具小売店で誤って組み合わされたものと思われますが、ヤフオクに出品されたXK150に付いていたバンダイXK120ロードスターの箱の画像。秀逸なBox Artは、実車カタログのイラストを流用しているようです。






●萬代屋(現バンダイ) 1/18スケール1953年ジャガーXK120ロードスター 空色 (箱無・美品)
ヤフオク出品画像より転載。






●萬代屋(現バンダイ) 1/18スケール1953年ジャガーXK120ロードスターとフィクストヘッドクーペの2台の並び








●当時物ジャガーXK120/XK140 4台の並び
大きい方から1/18萬代屋(現バンダイ)、1/21米澤玩具/三陽工業、1/28アルプス、1/72英マッチボックス(フィクストヘッドクーペ)。最も出来が良いのは米澤玩具製ですが、こうして並べてみるとスケール以上に幅広なことがウィークポイントと言える萬代屋製もけっして悪くはありません。
















●ジャガーXK120/XK140 3台の並び
大きい方から1/18萬代屋(現バンダイ)、1/24フランクリンミント、1/72英マッチボックス(フィクストヘッドクーペ)。当時物ではなく現代の製品としてはフランクリンミントがフル開閉アクション付で良く出来ておりスケールモデルとしてはベストと言えると思います。




フランクリンミントはフル開閉。トランク下段にはスペアも収納されています。


フランクリンミントの室内と比べると1955年発売の萬代屋製モデルも実車を忠実に再現しようとかなり頑張っていることが判ります。















★オマケ(その1): 2024年4月トミカリミテッドヴィンテージ新製品 1/64いすゞ初代エルフ4灯後期型 2種
2024年4月13日(土)発売のTLV新製品。NEOは今月2回に分けての発売となるようですが、年式的に芸風範囲外と割り切り入手せず。今回発売されたエルフはLV191bの1966年式高床荷台(いすゞ木箱付)とLV208aの4灯清掃車「尼崎市清掃局」(年式表記なし)の2台で各税込4180円。清掃車は荷台昇降アクションがないのが少々残念。












★オマケ(その2):第116回横浜ワンダーランドマーケット
2024年4月14日(日)は、横浜産貿ホール1Fで開催されたワンダーランドに短時間ながら行って来ました。

産貿ホール前から見た横浜ベイブリッジ


ワンダーランドの会場「横浜産貿ホール」海側


まだコロナ明けのリバウンドが続いているのか、かなりの人出です。


ブリキ。バンダイS4グロリア箱付他。アサヒ玩具の5代目80系クラウン青メタ箱付が3万5000円ですぐに売れていて驚きました。TLVならぬブリキの世界でも人気の時代は既に60年代ではなくなっているということでしょうか。


アンチモニー製シガレットケース。マツダR360クーペ(最前列)他。


プラモデル。童友社コスモスポーツパトカー他。


童友社コスモスポーツ、オダカいすゞベレットMX-1600他。


アイハラ・ホンダF1。結構いい値段が付いています。


ブリキやプラモの箱のみ。左上イチコーの70~80㎝の巨大な新幹線の初版と思われる素晴らしい箱絵の良い状態の箱が1500円。持って帰るのが大変なためどうしようと迷っていたら売れてしまいました(汗)。


ダットサントラック取扱説明書。1957年1万5000円、1958年1万円、1960年7千円。


68年前後の末期の月刊「模型と工作」。程度により500円(紙腐りあり殆ど読めないボロボロの状態)~2000円(美品)。何故か同じ号が2冊3冊とありましたが、あっという間に半分位は売れていました。



◎第116回ワンダーランドの収穫(その1):エーワン浅草玩具1/26程度ニッサンUD日本急行バス(約38㎝)
同金型の都営トロリーバスとはとバスは手元にありますが(ブリキ自動車コレクションから第203回記事参照)、これは浅草玩具のカタログにも掲載がなく全く存在を知りませんでした。初めて見る品物が出てくることは本当にワクワクしますし、こういうことがあるからブリキは奥が深く面白いと言えます。片側に錆傷が多目ながら欠品は窓ガラスのみのためレストアは出来そうです。西日本の業者さんのテーブルに激安で並んでいたものを迷わず購入。


左側は傷み多目ながら幸いホイールキャップの欠品はなし。



◎第116回ワンダーランドの収穫(その2): 模型と工作1968年3月号 (B5判・118頁・美本)
何故かこれは同じ号が3冊も売られており、書店のデッドストックではなく読んだ傷みが多いものも含まれていたことからコレクターの人が持っていたものが放出されたのではと推察。3冊の中で一番良い状態の1冊を購入。表紙は交通博物館の16番大レイアウトのカラー。0系新幹線や20系ブルトレはカツミ、151系、155系、153系、80系、70系はカワイモデル製のように見えます。特集記事は「鉄道レイアウト入門」で他に167系製作など鉄道系の記事の比率が高い印象です。日東科学教材と田宮模型の訪問記といった興味深い記事の他、ダイヤペット162番トヨタ2000GT発売のニュース等も見られます。


中頁には新たに167系前部が展示された交通博物館のグラフが掲載されています。


1968年初頭?に新たに展示開始された167系「なかよし」




★オマケ(その3):今日のビートルズ「Across The Universe」 1970
ジョンの曲の中で個人的にベスト5に入る曲ですが、インド滞在時のレア画像をバックにしたこの動画はなかなか見応えがあります。


1978年、18歳のワタシのテキトーコピーバージョン