★1961年イチコー日野コンテッサ900伯爵夫人 ~ ブリキ自動車コレクションから 186 | ポルシェ356Aカレラ

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★引続きコレクション縮小のため委託出品中!!
手許のコレクションでダブって持っているモノや不要なモノなどを10月6日(木)夜終了のヤフオクに色々委託出品していますので、是非ご覧ください (以下は抜粋。赤字クリックでヤフオクに飛びます)☆☆



1)ブリキ イチコー1961年1/17日野コンテッサ900デラックス約22.5cm 錆/傷/欠品有 箱無ジャンク ・・・・・今回の記事で御紹介しているイチコー製コンテッサ900デラックス仕様のジャンクです。



2)ブリキ イチコー1968年3代目MS50クラウン警視庁パトカー約31cm1/15 傷有・箱無・欠品はなし



3)ヤトミング1/60?230グロリア2ドアHT左ハンドル ブリスター無



4)香港製TINTOY?1/60?W.T.206フェラーリ ディーノ コンペティツィオーネ 箱無



5)ブリキ1977年ジャパントンカTonkaタイレル6輪F-1 P34約14.5cm1/32程度 箱付



6)辰巳屋トーイズ プラ製 日野風トレーラー梯子消防車 約25cm1/36程度ヘッダー付 未開封



7)WINROSS1/64?Ford LTL9000 セミトレーラータンクローリー「Shell」箱付



8)スポットオン1/42モーリスマイナー1000水色 箱付 難有



9) ミニチャンプス1/43 1974年ポルシェ911カレラRS3.0白/金 箱付


10)シンセイミニパワー 1/60三菱ふそうタンクローリー「Shell」傷傷み箱無・・・・・今回、シンセイミニパワーの箱無を多数出品しています。



11)シンセイミニパワー03番1/100 日立BH500バケットホイールエクスカベータ 箱無


12) バンダイ エアポートシリーズ1/99 2代目 日産エコー?救急車 箱付




★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第186回記事としてイチコー(一宏工業)の日野コンテッサ900をご紹介しますne☆☆☆




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★日野コンテッサ900(初代)
コンテッサはルノー4CVのノックダウウン~ライセンス生産で学び得た技術を基に1960年代に日野自動車が自社開発により製造販売した、現在に至るまで唯一の日野オリジナルの乗用車で最初のコンテッサ900は、1961年(昭和36年)4月1日に排気量893cc出力35pエンジンをそれまでの日野ルノー4CV同様リアに搭載して発売されています。モノコック構造、全輪コイルによる独立懸架、4気筒水冷リアエンジンという基本はルノー4CVを踏襲していたものの4ドア5座の日野自社デザインのボディを始め、各部がリファインされて登場しています。
デビューの翌年の1962年(昭和37年)7月にマイナーチェンジを受けフロントターンシグナルをボディ・サイドまで廻り込ませて視認性を向上させ、更に翌1963年(昭和38年)5月にはタクシー用LPG車、同月、第1回日本グランプリに参戦した後、日本グランプリ仕様の生産モデルが1963年11月に4速フロアシフト・40psエンジン搭載の「コンテッサ900S」(S=Sporty&Speedy&Specialの意味)として追加発売されています。翌1964年(昭和39年)1月には全車が40psエンジンとなった後、同1964年9月にミケロッティ・デザインによる2代目コンテッサ1300にバトンを渡して生産を終了しています(1300デビュー後もコンテッサ900は1965年1月まで並行生産)。なお、神風タクシーの異名をもった日野ルノーの業界でのシェアを受け継ぐ形でコンテッサ900はデビュー当初からタクシーとしても全国で使用されています。


●日野広報誌「オーナードライバー1962年2月25日号(通巻50号)」表紙のコンテッサ900
1957(昭和32)年より発行されていた日野広報誌のこの号の表紙はコンテッサのデビューと同じ1961年4月に落成した上野・東京文化会館(建築家・前川國男氏デザイン)前のコンテッサ900デラックス。



●ベースボールマガジン社発行「最新自動車読本1961年4月号」表紙のコンテッサ900デラックス
撮影地は磐梯吾妻。



●1961年日野コンテッサ900初期の英文カタログ(B5判・8頁)
日野カタログNo.50-E。表紙のイラストは英文カタログ専用。中の頁には国内版デビューカタログと殆ど同じ写真が掲載されています。


この初期のカタログに登場する紺色の車両のナンバー「5の5111」がイチコー製品では忠実にコピーされています。




RRながらコラムシフトの運転席






【1961年 日野コンテッサ900デラックス PC10D型 実車主要スペック】 (1961 Hino Contessa 900DX Type.PC10D Specifications)
全長3795㎜・全幅1475㎜・全高1415㎜・ホイールベース2150㎜・車重750kg・GP20型4サイクル4気筒水冷OHVエンジン・最高出力35ps/5000rpm・最大トルク6.5kgm/3200rpm・電装系12V・変速機コラム3速・ラック&ピニオンステアリング・乗車定員5名・ボディカラー7色・シャシー打刻開始番号PC-61-400001・燃費20km/ℓ(平たん路40km/h走行時)・最高速度110km/h・販売価格65万5000円



【イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900 ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/16scale 1961 Hino Contessa 900 Type.PC10 by Ichiko Manuf Co.,LTD. Tinplate Model Toy KEY DATA)

商品名: 日野コンテッサ
イチコー 製品番号(製品管理番号): No.6362 (試作のみに終わったタクシー仕様は4762-T)
基本素材: ブリキ
発売時期: 1962(昭和37)年?
販売価格: 都内230円・地方最低小売250円
全長: 225㎜(実車比1/16.9スケール)
全幅: 85㎜(実車比1/17.3スケール)
全高: 78㎜(実車比1/18.1スケール)
ホイールベース: 130㎜(実車比1/16.5スケール)
スケール表記: なし
モデルとした実車年式: 1961年~1962年前期
動力: 後輪フリクション
箱サイズ: 縦110×横277×厚さ95㎜
シャシー再現: 若干あり(但し、リアエンジン車にも関わらずプロペラシャフトの浮彫あり)
ボディカラーバリエーション: 赤/クリーム、青/クリーム、緑/クリーム、黄色(試作タクシー仕様)
その他のバリエーション: サイドモールがボディ後半のみのスタンダードと前後に伸びたデラックス仕様の2種あり。
入手難易度: 10段階評価でレベル7程度(タクシー仕様は試作1台のみのためレベル10+)
2022年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 10~15万円程度(箱付未使用ミントコンディションの場合。タクシー仕様は試作1台のみのため流通した際の時価)


●東京玩具商報1962年8月号イチコー広告に掲載されたコンテッサ900 (国立国会図書館の蔵書より複写) 
見開き広告。縦目のセドリックや1962年オールズモビル・スターファイアー4ドアHT等と共に記載されています。





●イチコー1963年版カタログに掲載された日野コンテッサ900
ノーマルには売価も記載されています。


試作品1台のみで未発売に終わったタクシー仕様には売価の記載がありません。




★イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900スタンダード 緑/クリーム(箱付・美品・ルーフシール欠)
サイドモールがリアドア以降のみに付けられたスタンダード仕様をモチーフとしたモデル。実車はサイドモールが前後一杯に延びたデラックス仕様とボディ後半のみのスタンダード仕様が同時にデビューしていますが、イチコー製でも実車同様の2種が存在します(実車のStdのようにホワイトリボンを省くことまではされていません)。イチコー製の箱絵はデラックスが描かれていますが、スタンダードの箱絵は存在しないと思われます。イチコー製では実車のようにDX・Stdの2種が平行して生産/販売されたとは考えにくいのですが、どちらが先に市場に出たのかは不明です。先にデラックスが市場に出て、僅かながらでもメッキパーツを減らすコストダウンを目的にモールが半分のスタンダード仕様に変更されたとも推測できますが、後のイチコー製コンテッサ1300では最初は付いていたサイドモールが途中からサイドモールなしに変更されていることと比べると微々たるコストダウンのように思えます。








実車販売でアピールされたコラムシフトが箱絵にも描かれています。








残念ながら箱はかなり傷んでいます。




手前は1/40スケール大盛屋チェリカフェニックス1番コンテッサ900




比較的正確に再現された室内プリント




リアトレイにイチコー商標


何故かプロペラシャフトが浮彫されたシャシー裏




★イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900スタンダード 青/クリーム(箱無・リペイント?・ルーフシール欠)
1980年代初頭に国分寺のアンティーク・トイ・ショップ「バットマン」(後のマジックボックス)で入手した個体。実はこれが最初に見たイチコー製コンテッサ900で出来の良さに感動して入手したのですが、当時既に1万円強というプライスが付けられていました。しかし、この個体はメッキパーツの状態に比べてボディが不自然に綺麗過ぎるため、残念ながらリペイントと思われます。ミラーはイチコー特有の円部分の段がないリプロ品です。








シャシー裏




★イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900デラックス 赤/クリーム(箱無・美品・タグ付・ルーフシール付)
サイドモールが前後一杯に付けられたデラックス仕様。状態が良くタグまであるにも関わらず残念ながら元箱なし。












室内


シャシー裏




★イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900構内タクシー(イチコー試作品・元々箱無・ルーフシール付)
「ブリキ自動車コレクションから」の記念すべき第1回記事(2016年8月12日)で紹介済ですが、既に6年以上を経ているため再録します。上掲のカタログに掲載された試作品1台のみに終わったタクシー仕様。サイドモールがボディ後半のみのスタンダード仕様をベースに製作されています。ルーフの駅名表示が回転式となっており、朱赤の手書き文字で東京駅・渋谷駅・新宿駅・池袋駅・上野駅の5種類が現れます。フロントフェンダーの「構内タクシー」やルーフの「STATION TAXI」「交通安全」の文字も手書きです。










シャシー裏




●以下は5つの駅名にクルクル変わるルーフの回転式駅名表示

「東京駅」


「渋谷駅」


「新宿駅」


「池袋駅」


「上野駅」




【参考】過去のヤフオク出品画像より

1)イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900デラックス仕様 青/クリーム(箱付・美品・ルーフシール付)
2013年3月28日オークション終了・落札価格16万円。ルーフ色の赤・青・緑の3色全てにサイドモールが長いデラックス仕様と短いスタンダード仕様の両者が存在と思われます。ノーマルだけでもコンプリートするには6台必要ということになります。



2)イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900スタンダード仕様 赤/クリーム(箱付・美品・ルーフシール付)
2013年12月25日オークション終了・落札価格17万3000円。




★イチコー 1/17スケール1961年 日野コンテッサ900大集合!!
ミニカーは大盛屋チェリカフェニックス1番のコンテッサ900(1stモデル)。プラモデルは三和模型No.242で概ね大盛屋と同じ1/40スケール(全長95/全幅35㎜)。プラモデルの名称はマルサン商店以外では使用出来なかったため、「オールプラスチック カラーモデル」と記載されています。コンテッサ900の立体造形物はイチコーのブリキ、大盛屋のミニカー、三和のプラモデルの当時物3点以外に当時の木製キットが存在する可能性がありますが、基本的には現在に至るまでガレージキットや個人製作品は存在しても一般に流通する製品としては造られていないように思われます。












※日野コンテッサ900の実車カタログについては2013年8月1日の自動車カタログ棚からシリーズ第160回記事をご参照ください。


※イチコー日野コンテッサ900構内タクシーについては2016年8月12日のブリキ自動車コレクションからシリーズ第1回記事をご参照ください。この記事ではイチコー製の縦目のセドリック構内タクシー試作品についてもご紹介しています。







★オマケ(その1): DCM 1/64スケール ロールス・ロイス ファンタムⅥ 黒/茶 エリザベス女王フィギュア付
国内価格4500円前後で一部専門店にて販売されているモデル。フィギュアなしバージョンや他のボディカラーも発売されています。








1960年代のスポットオン1/42ロイヤルロールスロイスとの並び








★オマケ(その2): 今日のビートルズ「警視庁のビートルズ来日に伴う警備記録映像」 1966(35分39秒・音声なし)
9月28日(水)付の朝日新聞(夕刊)の1面トップ記事で報道されたビートルズ来日時の警備の様子を記録した警視庁保管の映像公開。約35分の手書きタイトルが入った無音声映像ながら当時の自動車も大量に写り込んでおり、冒頭1分過ぎ位に丸テールの2代目クラウンべースの覆面パトカー(恐らくF型エンジン搭載のFS40)が登場するなど旧車ファン的な視点でも見応えがあります。既に56年の時を経ているにも関わらず、公開に当りビートルズ以外の人の顔を個人情報に当るとして御丁寧にも全て消し込んであるのは、昔のニュース映像などで人の顔が写っているものは沢山存在することを考えると少々やり過ぎのように感じます。