★1958年米澤玩具シボレーコルベットC1 大小2種他 ~ ブリキ自動車コレクションから 136 | ポルシェ356Aカレラ

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★200人
東京都は渋谷区立勤労福祉会館で都内在住/在勤/在校の16歳~39歳の人が予約なしでコロナワクチンの接種を受けられるとアナウンスし8月27日(金)から始めたところ、接種開始は正午にも関らず未明から人が並び夜が明ける頃には長蛇の列となり、接種開始4時間半前の午前7時半で初日の受付を終了。予約なしで受けられると思って遠方から有給休暇を取ってわざわざ会場に来たのに接種出来なかったという人が大勢出たとのこと。予約なしで受けられるとしながら、1日の接種人数は僅か200人を予定していたとのことで、都の担当者は若い人は接種したくない人が多く並ぶほど人が来ないと思っていたとのこと。人口1400万人を超える東京で若年層向けに唯一設置した予約なしでぶらっと来て打てると大々的にアナウンスした接種会場の1日のキャパ設定が僅か200人だったとは開いた口が塞がらないような話ではあります。ちょっと想像力を働かせれば、コロナが怖くてワクチン接種したいのに出来ない39歳以下の人がそんなに少なくないことは誰にでも容易に判ることではと思います。都の担当部局の職員が誰も200人では足りないのでは?と異論を唱えなかったというのはちょっと信じられない話ではありますyone☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」第136回記事として米澤玩具の1958年シボレーコルベット大小2種他を御紹介しますne☆
コルベットはC3までは日本製のブリキ玩具が出ていますが、個人的には今回ご紹介する初代C1よりはC2・C3の方が馴染みがあります。他の世代のコルベットのブリキも追々ご紹介したいと思います☆
国産旧車ファンの人にはまた「何じゃらホイ」的な車種(笑)となり申し訳ないのですが、なるべく視野は広く持ち国産/外車を問わず幅広くご紹介していきたいと思いますのでご理解いただければと思います☆☆☆



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★シボレーコルベット
最初のコルベット(C1)のデビューは1953年(昭和28年)1月のニューヨークで開催されたGMモトラマ(GMが米国内を巡回して開催したモーターショー)。第二次世界大戦後に米軍人が本国へ持ち帰ったMG-TD、ジャガーXK120、ポルシェ356といった欧州製スポーツカーに影響され、GM製のスポーツカーを造ることを決意しコルベットのプロジェクトを立ち上げたのは、GMデザイン部門担当副社長ハーリー・アール(Harley Jarvis Earl:1893年11月22日-1969年4月10日)であり、彼は34歳だった1927年(昭和2年)にラサールのデザインからGMに関わり、戦後は1951年ビュイック・ルセーバーやテールフィンの頂点となった1959年キャデラックといった歴史に残るクルマのデザインに関与し死後17年を経た1986年に自動車殿堂入りを果たしています。また彼はアレサ・フランクリンとスティービー・ワンダーに次いで20世紀に活躍した3番目に重要なミシガン州のアーティストと評価されています。
最初のコルベットは1953年6月に生産が開始され、生産開始3年目の1955年型より当時の米国車では採用が増えていたV8エンジンを搭載し、高出力で高性能なプレステージ2座スポーツカーという路線に乗ることとなります。基本はオープンエアドライブが可能なロードスターボディにロングノーズ/ショートデッキのFRスポーツであり、この基本路線はデビューから60年後の2013年デビューの7代目コルベットまで踏襲されることとなります(2019年に発表された8代目では長年の伝統をあっさり捨てミッドシップ化)。


【初代シボレーコルベット(C1)の変遷】

1)1952年4月: フルサイズクレイモデル製作

2)1953年1月: GMモトラマで初公開

3)1953年6月: 1953年型(生産開始・純正ボディカラーは白のみ・300台限定生産)

4)1954年1月: 1954年型(小変更・ボディカラーに赤・青・黒の3色を追加・生産台数3640台)

5)1954年9月: 1955年型(従来の直6エンジンに加え、4343ccV8/195psエンジン追加・生産台数700台)

6)1955年9月: 1956年型(ビッグマイナー・前後意匠変更・生産台数3467台)

7)1956年9月: 1957年型(小変更・エンジン出力向上・生産台数6339台)

8)1957年9月: 1958年型(ビッグマイナー・4灯ヘッドライト・ボンネット上のフロントウインド寄りに洗濯板状のダミーのエアスクープ追加・ボディサイド楕円ライン追加・トランク上にメッキライン2本追加・生産台数9168台)

9)1958年9月: 1959年型(小変更・ボンネット上のダミーのエアスクープ廃止・トランク上のメッキライン2本を廃止・生産台数9670台)

10)1959年9月: 1960年型(小変更・タコメーター7000rpm表示に変更・生産台数10,261台)

11)1960年9月: 1961年型(ビッグマイナー・前後意匠変更・リア4灯ダックテール化・生産台数10,939台)

12)1961年9月: 1962年型(小変更・フロントグリル黒色化・サイドモール廃止・生産台数14,531台)


★1958年シボレーコルベット 雑誌広告集












★1958年シボレーコルベット カタログ
(縦169×横205㎜・英文6つ折12面)






左右対称のダッシュボード




透視図ほか


裏面:スペック


手元にある初代コルベットC1のカタログ。年式毎に最低1部(年によっては後期型の別カタログの発行あり)が出ていますが、まだまだコンプリート出来ていません。



【1958年シボレーコルベット 実車 主要スペック】(1958 Chevrolet Corvette Specification)
全長4501㎜・全幅1849㎜・全高1297㎜・ホイールベース2591㎜・車重1261kg・FR・水冷V型8気筒4638ccガソリンエンジン・最高出力294ps/5000rpm・最大トルク40.1kgm/3800rpm・変速機4速MT・電装系12V・乗車定員2名・最高速度219km/h(136mph)・米国内ベース価格$3591



【米澤玩具 1/18(小サイズ1/22)スケール1958年シボレーコルベット ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/18&1/22scale 1958 Chevrolet Corvette by Yonezawa Toys Tinplate Toy KEY DATA)

・商品名: 大サイズ「CORVETTE Sports Coupe」・小サイズ「CORVETTE CHEVROLET’S SPORTS ROADSTER,FOR’60」
・米澤玩具 製品番号(製品管理番号): 大サイズ不明・小サイズNo.10645
・基本素材: ブリキ
・発売時期: 1959年12月(?)
・販売価格: 不明(大サイズ220円・小サイズ140円程度と推定)
・全長: 大サイズ250㎜(実車比1/18.0スケール)・小サイズ200mm(実車比1/22.5スケール)
・全幅: 大サイズ102㎜(実車比1/18.1スケール)・小サイズ83㎜(実車比1/22.3スケール)
・全高: 大サイズ74㎜(実車比1/17.5スケール)・小サイズ60mm(実車比1/21.6スケール)
・ホイールベース: 大サイズ144㎜(実車比1/18.0スケール)・小サイズ123mm(実車比1/21.1スケール)
・スケール表記: なし
・モデルとした実車年式: 1958年式(大小サイズ共)
・動力: 後輪フリクション
・箱のサイズ: 大サイズ 縦111×横248×厚さ82㎜・小サイズ 縦89×横205×厚さ65㎜
・カラーバリエーション: 赤・青メタ・ペパーミントグリーン等(大サイズのルーフ色は赤ボディは黒、青メタボディは白)
・その他のバリエーション:大サイズにドライバー人形乗車/ドア開閉アクション付き電動仕様
・シャシー再現: 小サイズのみ有(デフ・プロペラシャフト・エンジンの浮彫等)
・特記事項: 米澤玩具が1958年型コルベットを大小2種発売した理由は不明。
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度(大サイズの人形付きは9~10)
・2020年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 大サイズ5~10万円、小サイズ3.5~6万円(箱付未使用ミントコンディションの場合)


●財団法人輸出玩具登録協会発行「NEW DESIGN」1960年2月25日号・通巻15号に掲載された米澤1958年コルベット小サイズ (国立国会図書館の蔵書より複写)
昭和35年(1960年)1月28日付にて保全登録に合格した旨が記載されています。恐らく1959年(昭和34年)暮のクリスマス商戦に投入された製品だったと思われます。



●当時物の日本製C1コルベットのミニチュア製品
リアルタイムで以下のようなC1コルベットのモデルが市場に出ています。何故か1958年型が沢山造られています。7)以外は全てブリキ製です。

1) 萬代屋(現バンダイ)の18cmサイズ1953~1954年初期型オープン
2) バンダイの20cmサイズのダックテールの最終1962年型オープンと幌付(オープンには鉄腕アトム乗車のリモコン仕様もあり)
3) 米澤玩具25cmサイズ1958年型ハートトップ
4) 米澤玩具20cmサイズ1958年型オープン
5) 日野林清氏が製作した販売メーカー不詳20cmサイズ1958年型
6) SSSインターナショナル商事14cmサイズ1958年型オープン
7) 日本初のミニカー倉持商店コレクトーイの約8cmサイズ1958年型コンバーチブル(オレンジ塗装のみ)



●米澤玩具1/18スケール1958年シボレーコルベット・ハードトップ (白ルーフ/青メタボディ・箱付き美品)
大サイズはほぼ正確に1/18にスケールダウンされており、なかなかよいプロポーションです。実車以上にマッスル感のあるモデルに仕上がっています。ハードトップを被せれば室内は見えにくいため手を抜いたのか、残念ながらダッシュボードのプリントは実車とは全く異なります。ボンネット上の洗濯板状のダミーのエアスクープ、トランク上の2本のラインといった1958年型だけの特徴もよく再現されています。室内意匠を除けばスケールモデルとして高レベルにある本体に比べると、箱絵は自動車というものをまるで知らない画家(絵師)が手掛けたのか、残念ながら酷くバランスが崩れています。


















手前は大きさ比較用トミカC3コルベット




ダッシュボードのプリントは残念ながら実車と全く異なります。


シャシー裏




●米澤玩具1/18スケール1958年シボレーコルベット・ハードトップ (黒ルーフ/赤ボディ・箱付き美品)
2004年発行のコレクター向け洋書「The Big Book of TIN TOY CARS~Passenger,Sports,and Concept Vehicles」(ISBN:0-7643-1948-5)59頁より転載。箱付ミントの評価額は900ドルと記載されています。




●米澤玩具1/18スケール1958年シボレーコルベット・ブリキ製ドライバー人形付ドア開閉電動仕様 (赤・箱付き美品)
上掲と同じ2004年発行のコレクター向け洋書(ISBN:0-7643-1948-5)59頁より転載。入手難易度10段階評価で最高ランクのレベル10、箱付ミントの評価額は2500ドルと記載されています。




●米澤玩具1/22スケール1958年シボレーコルベット・コンバーチブル (ペパーミントグリーン・箱付き美品)
大サイズに比べると各部のスケール(縮尺率)に若干バラつきがありますが、室内プリントが正確に再現され小ぶりながら凝縮感のあるモデルです。1958年型をモチーフとしながら、箱や本体の前後ナンバーには「1960」の数字が入っています。モデル化する際に入手出来た資料が最新型ではなく1958年型のものだったのか経緯は不明ながら、1958年型を2年遅れで市場に投入したということのようです。








1958年型をモチーフとしながら、ナンバー文字は「1960」となっています。






手前は大きさ比較用トミカC3コルベット




実車通りダッシュボード右側(助手席側)のバーまで再現された室内


シャシー裏面にはデフ等が浮彫されています。




●米澤玩具1/22スケール1958年シボレーコルベット・コンバーチブル (青メタ・箱付き美品)
上掲と同じ2004年発行のコレクター向け洋書(ISBN:0-7643-1948-5)59頁より転載。箱付ミントの評価額は500ドルと記載されています。




●SSSインターナショナル1/32スケール1958年シボレーコルベット (アイボリー・箱付き難あり)
全長14cm。品番S-1280。縦目のセドリック、310ブルーバード、トヨペットコロナPT20といった日本車もラインナップに存在したTINY GIANT(タイニージャイアント)シリーズのコルベット。これも1959年暮から1960年初頭にかけての発売ながら何故か2年古い1958年型をモデル化しています。この個体は貴重な箱付ながら残念ながらリアバンパー右端が欠損しています。
















手前は大きさ比較用トミカC3コルベット


箱横にはシリーズのラインナップが印字されています。1272番縦目のセドリック、1279番310ブルーバードといった日本車も含めてラインナップが確認できる貴重な資料です。1960年の後半に市場に出たと思われる1960年型PT20コロナはまだラインナップにありません。


小さなブリキながら運転席周りはきちんと実車の意匠が再現されています。


シャシー裏




●米澤玩具 1/18&1/22スケール+SSSインターナショナル商事1/32スケール 1958年シボレーコルベット大集合!!






元箱3種


手前はspark1/43スケール1960年コルベット・コンバーチブル(品番S2970・全長104㎜・レジン製)。
















★オマケ(その1):米澤玩具/三陽工業1951年ビュイック・ルセーバーと謎の1/43ミニカー
今回はハーリー・アールの初代コルベットがメインということで、ハーリー・アール繋がりで米澤玩具/三陽工業の1951年のビュイック・ルセーバー(全長約200㎜)。これは2017年7月8日の「自動車カタログ棚から」シリーズ第354回記事のオマケとして既に掲載していますが、今回は画像を撮り直しています。今回、問題なのはブリキのルセーバーよりも空色/白ツートンの1/43スケール(全長125㎜)のミニカーの方。リサ店でビュイック・ルセーバーによく似てるなあと思い安価(箱無・ワンコイン500円)で購入したものの恥ずかしながら車名が判りません。フロント廻りはルセーバーと似ていますがリアエンドにはルセーバーのようなテールフィンがありません。全体にヌメっとした造形はよく似ています。46のゼッケンが付いているということはインディなどに出場したクルマなのでしょうか。もし車名等御存知の方が居られましたら御教示いただければと思います☆☆

→じゅんいちさんに教えていただき、車名が判明しました!下に記載しておきます。















ルセーバーの実車を再現した室内


箱の右端には桜にYの字のお馴染み米澤玩具の商標


箱の左端には現タカラトミー(旧トミー)の前身・三陽工業の商標。名作ジャガーXK120と同様に製造は三陽工業、販売は米澤玩具というマルサン商店/コスゲに次ぐブリキ自動車最強コンビの製品。XK120もルセーバーも小ぶりながらも的確な実車の印象把握と半端ない凝縮感が共通しています。製作を担った三陽工業の技術力の高さは驚異的と思います。


米澤玩具1/22スケール1958年コルベットとの並び




1/43ミニカーのサイドに付いている文字。これが車名でしょうか。



★車名判明!!
自動車博士の異名を持つじゅんいちさんから、このミニカーは同時代のアメリカ製ドリームカーに対抗して旧ソビエト(ソ連)が造った1951年のZIS-112というクルマだと教えていただきました。じゅんいちさん、ありがとーございます!


【参考】米プレミア社1951年ビュイック・ルセーバー プラモデルと米澤/三陽 ルセーバー 赤ボディ (画像提供: Henry氏)




★オマケ(その2): 今日のビートルズ「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」 1965
邦題:ノルウェーの森。ラバー・ソウルA面2曲目。村上春樹さんの小説のタイトルは「ノルウェイの森」と微妙に異なりますが、勿論、出典はこの曲です☆
初代コルベットには、1978年発売の松任谷由実&来生たかおの「Corvett 1954」という今回のオマケに打ってつけの曲がありますが、Youtubeは消さたのか存在しないため残念ながら貼れませんでした☆