★1962年1/27増田屋 東京都営トロリーバス ~ ブリキ自動車コレクションから 089 | ポルシェ356Aカレラ

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★気が付けば9月も半ば
2020年(令和2年)の9月も半ばとなり、朝晩は少し涼しくなりました。しかし、明後日9月18日(金)の東京の最高気温は35度と猛暑日となる予報ですので、まだ暫くは夏と秋がせめぎ合い、暑い日もあるようです☆


★第99代首相
今日2020年9月16日に就任した菅首相は第99代の首相となるそうで、次期首相になる人は記念すべき第100代首相ということになるのですね。菅さんは行政改革などに本気で取り組む姿勢がみえて個人的には結構いいと思います。官僚の圧力に負けずに改革を沢山実行できたらいいですyone☆☆


★閑話休題
今日は「ブリキ自動車コレクションから」シリーズ第89回記事として増田屋齋藤貿易(マスダヤ)の都営トロリーバスをご紹介しますne☆
2回続けて都営トロリーバスの記事ということになりますので、トロリーバスには全然興味ないよーという人はスルーしてくださいne☆☆



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★都営トロリーバス
明治末には試作されていたものの紆余曲折を経て開業に辿り着いたのは第2次世界大戦後のことでした。1952年(昭和27年)5月20日に上野公園~今井間15.537kmの101系統が最初に運行を開始し、その後、1956年(昭和31年)9月21日に池袋駅前~品川駅前の102系統(池袋~千駄ヶ谷四丁目間は前年1955年6月1日、千駄ヶ谷四丁目~渋谷間は1955年12月27日に運行開始)、1957年(昭和32年)1月12日に池袋駅前~上野駅前の103系統、1958年(昭和33年)8月18日に池袋駅前~浅草雷門の104系統が相次いで開業し、総営業キロ数51kmの日本最大のトロリーバス路線網が完成したのでした。

★都営トロリーバスの廃止
まず1967年(昭和42年)12月9日に102系の一部、渋谷~品川駅前間が廃止され、翌1968年(昭和43年)3月30日に102系統の渋谷駅前~池袋駅前と103系統・104系統が廃止、最後まで残った101系統も同年9月28日で運行を中止し、東京都交通局はトロリーバス事業より撤退しています。東京でトロリーバスの姿が見られたのは1952年(昭和27年)から1968年(昭和43年)までの僅か16年間であったことになります。

★東京都営トロリーバスの車両
103系統と104系統には国鉄山手貨物線・東武伊勢崎線・京成押上線・東武亀戸線の電化鉄道線との平面交差が4箇所も存在し、当初は都電との交差箇所と同様に交差用金具による簡略な処理を検討していたが各鉄道側から危険であると猛反対され、苦肉の策として踏切を渡る時にだけトロリーポールを降ろし自走するための補助ディーゼルエンジン搭載のトロリーバス車両を運用した。都営トロリーバスの車両には50形・100形・200形・250形・300形・350形の6形式が存在したうち、この踏切通過用の補助ディーゼルエンジン付の300形と350形の2形式はキャブオーバーバスのようにフロントにラジエターグリルを付けていることで一目で識別できます。


●吉川文夫氏(1932年12月18日-2007年8月11日)撮影の東京都営トロリーバス実物画像

(1)1955年(昭和30年)6月5日、池袋東口前の102系統千駄ヶ谷四丁目行き都営トロリーバス207号
今回の実物画像は全て1997年5月20日発行・大正出版「東京都電の時代」(吉川文夫 著)より転載。私鉄車両研究の大御所・吉川氏はトロリーバスの写真も多数残されています。これは1955年6月1日に102系統の池袋~千駄ヶ谷四丁目間が開業した4日後の写真。正面に見える富士銀行は現在のみずほ銀行、森永ミルクキャラメルのネオンサインのあるビルは現在ビックカメラのある地点。日野ルノー4CV、プリンスセダン、1954年まで製造された戦前型デザインのダットサントラックやオート三輪の姿も確認できます。





(2)1957年(昭和32年)1月15日、池袋東口前バスターミナルの103系統王子行き都営トロリーバス309号
出典:同上。鉄道線路と平面交差する関係で補助エンジンを装備しフロントエンドにグリルを付けた300型トロリーバス。左側に停車中のいすゞBX都営バスの行先表示は「浅草」となっています。





(3)1956年(昭和31年)9月23日、中目黒・山手通りを北上する102系統池袋行き都営トロリーバス217号
出典:同上。東急東横線と山手通りが交差する地点。ガード上の東横線はデハ3700形。9月中旬という季節らしく左右に見える自転車の男性は共に半袖を着ています。





(4)1955年(昭和30年)12月25日、渋谷東映前で渋谷~千駄ヶ谷四丁目間開業に向けて試運転を行う102系統都営トロリーバス215号
出典:同上。試運転風景らしく車内に乗客の姿はなく、リアバンパー上には2人の男性が乗車しています。背景の渋谷東映には12月20日に劇場公開されたばかりの東映作品「不良少年の母」と「雄呂血の秘宝」の絵看板が確認できます。






【1949年 日野‐東芝 トロリーバス 単車 主要スペック】 (1949 Hino-Toshiba Trolley Bus Specification)
全長9970mm・全幅2400mm・全高2620mm・ホイールベース5000mm・電動機直流複巻式140馬力600V・車重6900kg・乗車定員74名・最高速50km/h


【増田屋齋藤貿易(マスダヤ) 1/27スケール程度 東京都営トロリーバス ブリキ製モデル玩具 主要データ】 (1/27scale Tokyo Metropolitan Trolley Bus by Masudaya Tinplate Toy KEY DATA)

・商品名: トロリーバス
・増田屋齋藤貿易 製品番号(製品管理番号): No.3229
・発売時期: 1962年(昭和37年)頃
・販売価格: 都内売価250円・全国売価270円
・全長358mm (実車比:1/27.8スケール)
・全幅90mm (実車比:1/26.6スケール)
・全高105mm (実車比:1/25.0スケール)  
・ホイールベース185mm (実車比:1/27.0スケール)
・モデルとした実車形式: なし
・都営トロリーバス路線表記: 本体7系統、箱絵101系統(上野公園~今井)
・行先表示: 動物園行(輸出向け:ZOO)
・東京都交通局マークの有無: フロント正面にあり
・車番: 3229(本体・箱絵共、増田屋製品番号と同一)
・ハンドル位置: 右(プリント表現)
・動力: 後輪フリクション
・箱のサイズ: 縦125×横355×厚さ95㎜
・バリエーション: 日本語プリントと英字プリントの2種、サイドウインド部が裏貼り別パーツと一体プリントの2種等
・シャシー再現: 殆どなし(デフ・プロペラシャフトらしき表現あり)
・特記事項: 都営トロリーバスのブリキ玩具の中ではヒット商品で当時の販売数量は多いものの、大半は子供に遊び倒されているため箱付未使用品は稀少。同一金型を使用した増田屋のバス玩具多数あり。
・入手難易度: 10段階評価でレベル7程度
・2020年現在のアンティーク・トイ市場の推定評価額: 4.5~8万円程度 (箱付未使用ミントコンディションの場合)

※1/27スケールは全幅比。


●1964年 増田屋齋藤貿易 総合カタログ日本語版に掲載されたトロリーバス


トロリーバスと同一金型のブルーバードバス。このバスはルーフに別パーツが多数付き窓が開けられ座席も造り込まれた良心的な造り。


これもトロリーバスと同一金型のディズニー101匹わんちゃんバス




●増田屋 1/27スケール程度 東京都営トロリーバス (日本語表記モデル)






フロント中央に東京都交通局のマーク。上部に「動物園ゆき」のプリント。右ハンドルを握る運転手さん。そして、最前列にはランドセルを背負った男の子と女の子が行儀よく並んで座っています。




左右の懐かしい矢印型方向指示器(ウインカー)がそそります♪




人物の描かれた窓部分は内側から別パーツが付けられた丁寧な造り。




右サイド後端に菱型にTM文字の有名な増田屋の商標


手前は大きさ比較用トミカNo.79-2番1/131スケール都バス美濃部カラー


トロリーポールを収納した状態




左右の窓の人物は左右対称に同じ人物が描かれています。




シャシー裏




●増田屋 1/27スケール程度 東京都営トロリーバス (英字表記モデル)
この英字表記モデルでは、日本語表記モデルでは裏側から別パーツが貼られていた乗客が描かれたサイドウイント部分が一体のプリント表現にコストダウンされています。乗客のイラスト自体には変更がありません。






ZOO行






本体は玩具然としているのに対して、都営トロリーの実車に近い箱絵


箱絵右下に増田屋の商標


手前は大きさ比較用トミカ79-2番


上掲の日本語バージョンでは左右の乗客プリント部分が裏側から丁寧に貼られていたのに対し、この英字バージョンでは一体成形。






●増田屋 1/27スケール程度 東京都営トロリーバス日本語表記モデルと英字表記モデルの比較 
左:英字表記モデル、右:日本語表記モデル。














手前はトミカ79‐2番と1/180スケール程度タイムスリップグリコの都営トロリーバス






※日野トロリーバスの実車カタログについては2013年1月19日の自動車カタログ棚からシリーズ第105回記事をご参照ください。





★オマケ(その1): 米澤玩具1963年クラウンデラックス(RS41型)オープンカー「黄金バット」
ヤフオク2020年9月14日(月)夜終了。横浜おたからや出品。落札価格90万654円。全長40cm。窓枠とフェンダーミラーが欠品している上に錆・傷もかなりあるジャンク品のため、個人的には精々10万円位の価値と思っていましたが、とんでもない高値となりビックリ。入札履歴を見ると税込80万円以上も入札した人が3人。15年程前に一度だけ箱付ミントがヤフオクに出て40万円を切る金額で落札されていますが、もし今後、この黄金バットクラウンの箱付ミントが出れば、同じ米澤のバットマン仕様の2代目クラウンオープンのように軽く200万円オーバーでしょうか。


900,654円!










フロントグリルは、かなり錆びています。


なかなかリアルな黄金バット


リアエンドもかなり錆びています。


シャシーは比較的綺麗なようです。


玩具商報1967年6月15日号 米澤玩具クラウン「黄金バット」広告(国立国会図書館の蔵書より複写)




★オマケ(その2): Schuco 1/87スケール 1973年ポルシェ911 8台セット
独シュコー新製品。1台当り税抜1200円×8台で税抜9600円。2.4リッターの911Sが6色とカレラRSのストライプ色違い2色。ヴィーキングやブレキナあたりのHOスケールミニカーの主流はプラ製ですが、これは何とダイキャスト製でゴムタイヤを履いています。現在のところ、画像の通り赤のみ単品も発売されています。ナローポルシェ好きなら思わず手が出るアイテムと言えそうです。






HOスケールながらエンジンフードには2.4のバッチも付いています。


8台セット品番Nr.45 265 0200




★オマケ(その3): 今日のビートルズ 「Dizzy Miss Lizzy」 1965
カバー曲ながらジョンの唄の上手さが際立つ1曲。ジョンは1969年9月にエリック・クラプトン等の最強メンバーで参加したトロントライブ(ロックンロール・リバイバル・ コンサート)でもこの曲を唄っています。