★1959年コニーAA27型/1962年ホープスターST型軽三輪 ~自動車カタログ棚から381 | ポルシェ356Aカレラ

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★夏のおわりと猛暑日
早いもので、もうすぐ8月も終わりですね。8月29日(土)現在、東京の猛暑日(最高気温35度以上の日)の日数は計11日で観測史上最多とのことで、今年は例年以上に暑い夏になったようです。しかし、今年の夏はコロナの関係があって海水浴などに出掛けて思い切り楽しむことも出来なくてつまらなかったよねという人も多いことと思います。かく言う私の場合は、術後3ヵ月となる8月末まで自動車の運転が止められていたたこともあり、殆ど出掛けないまま夏が終わりそうです。尤も例えクルマが運転出来ても都内ナンバー車が忌み嫌われる現在の状況では都内発の遠出はしにくいですよね。
まあ、しかし、コンビニもスーパーもバス停も歩いて5分以内の距離にあり、自動車が運転出来なくても私の場合あまり困ることはありません。自動車がないと動きが取れないような場所に住んでいなくて良かったと思います。自家用車がないと買い物にも仕事にも行けないといった地域・場所は日本には沢山あると思います☆


★都内の新型コロナ感染者数
2020年8月29日(土)現在、都内の新型コロナ感染者数の累計は遂に2万人を超え20569名となり、更に毎日、新規感染者数が200名以上も追加され続けています。約1400万人の東京都で現在までに約700人に1人が感染しているという計算となります。しかし、同日現在、都内で亡くなった人358名と既に退院し療養が終わった人17530名を除くと現在の都内感染者数は2681名ということになり、都内約1400万人の中で約5200人に1人がコロナ感染者という計算も出来ます。何れにしても感染しないよう三密を避け感染リスクの少ない行動を心がけたいものですyone☆☆

★閑話休題
このところ、「ブリキ自動車コレクションから」の記事が殆どとなっていますが、今日は2019年10月以来何と10ヵ月ぶりの「自動車カタログ棚から」の記事です。今回ピックアップするカタログは2つ。一つは1959年の愛知機械工業初の軽自動車「ヂャイアントコニーAA27型」。このカタログは既に「コニー・グッピー・ヂャイアント復元クラブ」のHP(http://www.aichikikai.co.jp/club/index.html)にアップされているためWeb上では重複公開となりアップする価値は高くないと思われます。
今一つは、1961年10月MCのホープスター最後の軽三輪ST型。このカタログも既に2016年12月11日の自動車カタログ棚からシリーズ第334回「1950年代のホープスター軽三輪トラックたち」の記事の中で簡単に御紹介しているため重複公開となりアップする価値は残念ながら低目ですが、今回は以前公開分よりも画像を多くして詳しくご紹介することとします。
何故今回はこの2車のカタログなの?と御不審に思われる方が多いと思いますが、何れもカタログと併せて浜松スタジオKAN製の1/43ミニカーを一緒にご紹介出来ることから急に閃いた企画記事なのです。自動車カタログの記事更新が止まってブリキ自動車の記事が増えているのは、紹介すべき自動車カタログが底を突いたという訳ではなく(未紹介の珍しいカタログは戦前物を含めてまだまだ手元に沢山あります)、人間いつ死ぬか判らず限りのある人生を考えた時、自動車カタログよりもブリキ自動車の方を優先的にWeb上にアップしておきたいという思いからです☆☆☆


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【Chapter Ⅰ】 1959年愛知機械工業ヂャイアントコニー軽三輪車AA27型
トヨエースSKB型等の小型四輪トラックの台頭により1958年(昭和33年)から翌1959年(昭和34年)にかけて、オート三輪と小型四輪トラックの生産台数は逆転し、遂に小型四輪トラックがオート三輪の生産数を抜き去っています。小型四輪車の攻勢が強まる中かで、オート三輪のメーカーは生き残りをかけて次々と軽三輪車・軽四輪車部門への進出を開始し、生産の主力はオート三輪車から軽三四輪自動車へと移っていった。
1957年(昭和32年)8月、ダイハツ工業(株)が軽三輪トラック「ミゼット」(バーハンドルタイプ)を発売し、このミゼットは、軽免許・20万円そこそこという低価格、低燃費、維持費の安さなどから大ヒットとなり、手軽さと経済性を売物とする軽三輪車ブームの火付け役となったのである。即ち、ダイハツミゼット発売の翌々年1959年(昭和34年)5月に東洋工業(株)の「マツダK360トラック」、1959年(昭和34年)に新三菱重工業(株)の「三輪ペットレオ」が相次いで発売された。
こうした状況の中でオート三輪メーカーの中堅どころとして知られた愛知機械工業ヂャイアントは、1956年(昭和31年)下期の4465台をピークに生産台数が減少に転じ、翌1957年度(昭和32年度)には前年度比90%、1958年度(昭和33年度)には同70%へと落ち込んでいたが、ダイハツミゼットのヒットに対応する新商品としてミゼットのワンランク上を狙った丸ハンドルの軽三輪トラック「ヂャイアントコニーAA27型」を1958年(昭和33年)12月にプラス発表及び生産を開始し翌1959年(昭和34年)3月より市場に投入した。バックボーンタイプのフレームに丸ハンドル装備、エンジンは軽自動車枠一杯の359cc、最大出力15.6馬力、水平対向2気筒、強制空冷「AE57型」を搭載し、頑丈で実用的な車であった。しかし、愛知機械工業では本命は走行安定性も良い軽四輪であり軽三輪コニーAA27型はあくまで過渡期的な謂わば繋ぎの商品であると認識していたため、並行して軽四輪車ヂャイアントコニーAF3型の開発、生産準備を進め、軽四輪車市場への本格的参入を図ることとし、軽三輪コニーAA27型は、1960年(昭和35年)6月までの僅か1年強で生産を打切り累計6935台(月産約400台)を生産・販売した。

●ペットネーム「コニー」の選考
愛知機械工業では、1958年(昭和33年)12月に発表した軽三輪トラックのペットネームを全国の大都市圏を中心にマスコミ媒体を通じて募集した。宣伝効果を狙ったものでもあったが反響は予想以上に大きく、1959年(昭和34年)1月20日の締切までに1万7111通もの応募があった。その中より最終的にペットネームを33点に絞り込み、更に慎重に選考した結果、「コニー」(Cony=兎の古語)を最終的に選定し「ヂャイアント」に代わるべき愛称として用いることとした。なお、コニーと記載した応募者には賞品としてテレビ・電気冷蔵庫などを進呈、その他の応募者にも抽選により各種賞品を贈った。


【1959年愛知機械工業ヂャイアントコニー軽三輪車AA27型 主要スペック】
全長2950㎜・全幅1235㎜・全高1515㎜・ホイールベース2050㎜・車両重量465kg・最小回転半径2900㎜・最低地上高150㎜・乗車定員2名・最大積載量300kg・荷台長1200㎜・荷台幅1040㎜・荷台高350㎜・AE57型強制空冷4サイクルOHV水平対向2気筒359cc・最高出力16ps/4800rpm・最大トルク:不明・変速機3速MT・セルモーター付・燃料タンク容量15ℓ・平坦路定速燃費30km/ℓ・シャシー打刻開始番号59-AA27-0001・最高速度68km/h・販売価格23万9000円


●1959年3月 ヂャイアントコニー軽三輪車AA27型 新発売チラシ(B5判・片面印刷)
ペットネームがコニーに決定したことも記載されています。



●1959年3月 ヂャイアントコニー軽三輪車AA27型 スペックシート(B5判・片面印刷)




●1960年2月 軽三輪車コニー 本カタログ(縦151×横210㎜・8頁)
手元のカタログの裏面には印刷年月を示す1960.2の印字あり。しかし、恐らく1959年3月の発売時が第1刷で、その後、裏面の印刷年月を示す印字のみ変更して何度も印刷し配布されたと思われるカタログ。表紙にはヂャイアントの印字なし。








頬が膨れた宍戸錠のような顔付










エンジン


ヂャイアント三輪各種




スペック


図面




●1/43スケール スタジオKAN製 1959年ヂャイアントコニー軽三輪
1/43スケール浜松スタジオKAN製作EQUIPE-MODELSシリーズの1台。箱はシリーズ共通の汎用のものに入れられ、同じスタジオKAN製作STREAM-LINEARシリーズのような車種別の専用イラストや製品番号が入っていないことが少々残念ですが、スタジオKAN製以外では存在しない貴重なモデルです。
















丸ハンドル


シャシーにAA27の刻字




【Chapter Ⅱ】 1961年ホープスター軽三輪ST型
ホープ自動車は1952年(昭和27年)の暮れから1965年(昭和40年)7月までの12年強の期間に360cc規格の軽三輪トラック及び軽四輪トラックのみを生産した。初期のホープ自動車の車両はダットサンやくろがねのパーツを多用して組み上げられたことが特徴。
1960年10月、自社設計で十条精機に生産を委託していた従来からのSU型15psエンジンはそのままにボディを一新し丸味を帯びたモグラのようなルックスのホープスターSM型にフルモデルチェンジ、翌1961年(昭和36年)10月にSM型のボディサイズを若干変更し、十条精機に生産委託していたエンジンの供給能力不足からガスデン製エンジンに換装したホープ自動車最後の軽三輪トラック「ホープスターST型」及び軽四輪トラック「OT型」発売した。
1962年(昭和37年)4月に軽四輪キャブオーバートラック「ホープスターOV型」を発売、1963年(昭和38年)4月にOV型をMCした軽四輪キャブオーバートラック「ホープスターOV-2型」の生産を開始し、1964年(昭和39年)1月にまず軽三輪ST型の生産を中止(記録では1964年に入っても三輪を1台のみ生産)、1965年(昭和40年)7月には軽四輪トラックOV-2型の生産も中止した。
しかし、ホープ自動車の創業者・小野定良(1921年〈大正10年〉-2001年〈平成13年〉)は自動車製造事業への情熱を捨てきれず、小野定良46歳となった1967年(昭和42年)12月にホープスターON型4WDを約100台製造した。積雪地での作業用・往診用等の用途を考慮した製品であったが製品そのものが熟成されていなかったこともあり思うように売れず、翌1968年(昭和43年) 8月6日付で1200万円にてON型4WDの製造権譲渡契約をスズキ自動車と結びホープ自動車は自動車製造事業から撤退した。その後、スズキ自動車はホープスターON型4WDに大変更を加えた上、1970年(昭和45年)4月に軽自動車初の本格四輪駆動車「スズキジムニー」として発売した。自動車製造事業から撤退したホープ自動車は1974年(昭和49年)に社名(屋号)を「株式会社ホープ」に変更し、2016年(平成28年)11月まで遊園地等施設向け遊具の製造・販売を主な業務として存続したが惜しくも倒産し2017年(平成29年)8月8日にて特別清算手続を終え法人格が消滅した。

※ホープ自動車の詳細についてはウィキペディア参照: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%97_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)


【1961年ホープスターST型 軽三輪トラック 主要スペック】
全長2985㎜・全幅1294㎜・全高1440㎜・ホイールベース2010㎜・車両重量433kg・最小回転半径3150㎜・最低地上高160㎜・乗車定員2名・最大積載量350kg・荷台長1325㎜・荷台幅1169㎜・荷台高367㎜・MA型強制空冷2サイクル2気筒360ccロータリーバルブエンジン・圧縮比6.8:1・最高出力17ps・最大トルク:不明・変速機3速MT・セルモーター付・燃料タンク容量16ℓ・シャシー打刻開始番号61-ST-60001・最高速度80km/h・販売価格24万8000円



●1961年10月 ホープスターST型 専用カタログ(縦214×横241㎜・2つ折4面+α)
湘南あたりの良い道路に見える表紙写真の撮影地はどこでしょうか。








モグラ顔




ロングシート


シャシー


裏面


スペック


図面






●1/43スケール スタジオKAN製 1961年ホープスターST型 軽三輪
1/43スケール浜松スタジオKAN製作EQUIPE-MODELSシリーズの1台。これも箱はシリーズ共通の汎用のものに入れられて、専用イラストや製品番号は入っていないものの他では存在しない貴重なモデル。室内まで丁寧に造り込まれており、スタジオKAN製の中でも出来の良い傑作モデル。












マフラーも丁寧に造り込まれています。






ST型特有のロングシートを再現


丸ハンドル




●1960年ホープスター軽三輪SM型 取扱説明書(縦182×横128mm・62頁)
これはST型の前の最初のモグラデザインSM型の珍しい取説。取説は実車を所有していなくとも、読んでいるとタイムスリップして実車のオーナー気分を味わえるのが魅力です。


奥付には港区の本社と川崎の工場の住所・電話番号が記載されています。




●1/43スケール1959年コニー三輪AA27型・1961年ホープスターST型とOゲージ都電5501など
室内の吊革まで造り込まれた博物館展示モデルのような仕上がりの都電5501は神田ケンクラフト販売のロシア製ST.Petersburg Tram Collection 100輌限定品。何れは石畳の軌道敷を作ってジオラマにしたいところです。


















★オマケ(その1): アシェット・コレクションズ・ジャパン「懐かしの商用車コレクションVol.1創刊号1962年ダイハツミゼットMP5東芝サービスカー仕様」
最初の4号は既に広島限定で先行試験発売されていた懐かしの商用車が遂に2020年8月26日(水)に全国発売となっています。スパーク製ダイキャストモデル。第1号のみ税込799円。2号以降は1999円。アシェットではこの懐かしの商用車については、高価なテレビCMも多数入れており販売にかなりの気合いが入っているようです。昔を懐かしむ中高年男性がつい買ってしまうアイテムということから、巷では「オジサンホイホイ」などと囁かれているシリーズですが、実際、アメブロを見てもこれをつい買ってしまったオジサンは多いようです。現在、5号マツダK360サッポロビール仕様より後の製品については製品写真がない状況ですが、アシェットのHPには来年6月2日発売のVol.21パブリカトラック1969年まで予告されています。ラインナップには第4号で明治牛乳配達仕様が出る1961年初代サンバーが第11号では竿竹屋仕様で出るなど同じ車種の仕様違いもかなり含まれているようですが、個人的には長く続いて欲しいシリーズです。
定期購読を申し込むと1961年ミゼットMP郵便車と1979年スズキキャリイST30型ラーメン屋台仕様の2台の特典が貰えることに釣られて定期購読を申し込んでしまいました。当初、外箱が付かず月1回2台が纏めて送られてくる上に毎号に付くウンチク冊子を綴じるバインダーも全員が自動購入となってしまうアシェットでの直接定期購読ではなく、外箱も付きバインダーは買わなくてもよい書店での定期購読を考えていました。ところが、アシェットでの定期購読の場合には特典のダイハツミゼット郵便車が9月9日発売のホンダT360ヨコハマタイヤと共に送られて来るのに対して、書店で購読の場合には何と来年2021年夏の30号が出てから応募券30枚を貼って専用の用紙を郵送して申し込むまで特典2台が入手出来ないことが判り、急遽アシェットでの直接定期購読を申し込んだのでした☆


魅力的な定期購読特典2台




★オマケ(その2): ホットウィール新製品「ポルシェ911GT3RS」黒/金塗装
ショップで新製品と言われて購入しましたが、ホットウィールに詳しくないため詳細は不明です。私の場合、ポルシェのミニカー蒐集は356と911のメーカー純正車両に絞っており、914・ケイマン・ボクスター・パナメーラ・カイエン等の911以外のポルシェとRWB等の改造車のミニカーは余程の理由がない限りは買わないことにしています☆






★オマケ(その3): 2012年1月29日のニューイヤーミーティングで展示されたモグラ顔の1960年ホープスターSM型
映画「三丁目の夕日1964」出演車両。










★オマケ(その4): 2012年1月29日のニューイヤーミーティングで展示されたブリキの東京駅構内タクシー各種
米澤のオペル金型を改修した縦目のセドリック、イチコーS4グロリア、バンダイRS41クラウン、イチコー1963年横目のセドリック、アサヒ玩具130セドリックの各ブリキを其々東京駅構内タクシー仕様に改造したもの。ビカビカに光り輝くメッキ、綺麗な塗装など一見改造品ではなくメーカーオリジナルのようにも見える驚異的にハイレベルな仕上がり。












★オマケ(その5): 今日のビートルズ「Things We Said Today」 1964
アルバム「A Hard Day's Night」(邦題:ビートルズがやってくる ヤァ ヤァ ヤァ)、B面3曲目。ポールの名曲の一つ。日本では邦題「今日の誓い」としても知られています☆