★ダイヤ1959年スバル360 寺井商店の歴史 ~ ブリキ自動車コレクションから 006 | ポルシェ356Aカレラ

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アメブロのジャンル分けとランキングがいつの間にか変わりましたね。本ブログの場合、これまで3000位前後で推移していた総合ランキングが20万位あたりまで急降下していて驚きました(@_@;)
新しいアメーバの公式ジャンルではこれまでのように複数のカテゴリーを選択することは出来ず、何れか1つを選択してそのジャンルに相応しい記事を5記事に1回は必ず書かなければならず、もし5回連続で当該ジャンルと関連のない記事を書いた場合、記事の削除はされないが公式ジャンルからは除外されるそうです。ジャンルに相応しい記事であるか否かは公式ジャンルに参加した時点でアメーバが内容のチェックを始めるそうです。しかし、ジャンルに参加したアメブロ・ユーザーの全ての記事を人の目できちんと読んでジャンルに合致しているか否かをチェックしていくなんて作業が実際に出来るのか疑問です。
私は取り敢えず、「クルマ好き」というジャンルを選びましたが、「クルマ好き」ジャンルの推奨される記事の例として「車の整備について書いている記事」「車の紹介をしている記事」とあり、注意書きとして「ラジコンなどは含まれないので気を付けて!」と記載があるところからすると、ミニカーやプラモについての記事も「クルマ好き」カテゴリーには相応しくない記事と見なされてランキングには入れてもらえないのかもしれません。しかし、クルマ好きと言っても、実車も好きだけれどミニカーやプラモなどのミニチュアも好きという人は世の中多いはずなので、実車以外のクルマに関することを記事にするのは「クルマ好き」に含めないとしたら、それはちょっと違うように思います。

閑話休題
今回は「ブリキ自動車コレクションから」の第6回としてダイヤ(寺井商店)のスバル360を寺井商店の歴史と併せてご紹介します。今週は週明けから日曜まで1週間国内出張することになり、次の週末は出張中で記事の更新ができません(大汗)。出張中は代わりに極く簡単な記事をアップするかもしれません。



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★菱型にDAIYAのトレードマークで知られるダイヤ(=寺井商店)の製品は、2017年現在、プラスチック製のJRバス等の市場在庫が僅かに残っているが、惜しくも2012年(平成24年)に玩具の製造販売業務を停止した模様である。
同社のホームページは既になく、アマゾン等で在庫品が2017年現在も幾らか売られているのが見られる程度で、1937年(昭和12年)に創業し75年間も存続した寺井商店という玩具メーカーについての情報は皆無に近い状況にある。


【寺井商店の歴史】
盧溝橋事件を発端にして日中戦争が勃発した1937年(昭和12年)に寺井影明氏が東京都台東区寿に寺井商店を設立し、竹で作った刀や風船といった子供向け商品の販売を開始したのが始まりであった。
終戦の年、1945年(昭和20年)に台東区寿から台東区蔵前に店舗を移転し、戦後3年後の1948年(昭和23年)には木製玩具の大量生産を開始した。
国立国会図書館所蔵の玩具業界誌「東京玩具商報」(1967年に「トイジャーナル」に改題)のバックナンバーを調べてみると寺井商店製の金属玩具(ブリキ製玩具)の広告が出現するのは1952年(昭和27年)の初頭である。しかし、恐らく金属玩具の製造は広告掲載より1~2年早く、1950年(昭和25年)あたりから始められたものと思われる。1953年(昭和28年)にはブリキとセルロイドで作った「ベビーレース」により他の国内玩具メーカーと同様に北米や欧州への製品の輸出を開始した。
翌1954年(昭和29年)に株式会社寺井商店に組織変更し、1956年(昭和31年)には蔵前から再び台東区寿3-13-6に移転して、その後の所在地は2012年の業務停止まで変わらなかった。
1950年代後半から1960年代にかけては自動車(バス、ジープ、乗用車)、機関車、電車、都電、旅客機といった主に乗物を題材としたブリキ玩具を多数発売し次々とヒット商品が生まれた。大小サイズの都電、スバル360、シトロエン2CV、アメリカンタイプのボンネットバスといった製品は何れもロングセラーとなった。特に大サイズの実感的な都電7000形やサスペンション機構の付いたスバル360、シトロエン2CVといったブリキ製品は名作と言える。
1960年代も終盤に入るとブリキだけでなくプラスチック素材を使用した製品をリリースし、1970年代以降はプラスチック製品の比重が大幅に増え、このプラ素材の製品については業務停止に至るまで作られた。
また、1973年(昭和48年)頃より輸出業務を大幅に縮小し国内販売に主力を移行した。1981年(昭和56年)発売の建設(重機)シリーズ、1984年(昭和59年)発売の小さな子供が乗って遊べる乗用シリーズは何れも息の長い製品となった。
寺井商店は100%国内生産を最後まで貫いた。また、消費者や販売店の意見に耳を傾け、アフターサービスにも力を入れるメーカーでもあった。21世紀に入っても国内生産に拘り続けたことが、コスト高による販売価格高騰を招き、生き延びることが出来なかった一つの要因となったのではないだろうか。


●東京玩具商報1959年8月号 寺井商店スバル360 新製品紹介記事
このダイヤのスバル360の新製品紹介から1か月後の9月号には萬代屋(現バンダイ)のスバル360の広告が掲載されており、ダイヤとバンダイのスバルは相前後して市場に出たようだ。
国産国民車第1号として登場したスバルをスケッチしたもの。前後車輪共にスプリングが利き、美しい塗り、良心的な製作は本物以上の出来栄え。フリクション玩具で定評のある寺井商店の発売。都内売価100円。
1959年8月号


●トイジャーナル(東京玩具商報改題) 1967年8月号 寺井商店 広告
発売から丸8年を経た1967年の夏でも未だスバル360が広告に掲載されている。フロント分割バンパーから1本バンパーに変えられているが、フロントの造形はデメキンのままで都内売価も1959年の発売時と同じ100円。トイジャーナル誌上では1967年を境にスバル360の広告は消えるが、恐らく1970年代に入る頃までスバルの市場在庫はあったと思われる。この広告では新製品としてSSTコンコルドの大小サイズや初代カローラが掲載されている。
1967年8月号(1)

スバル360部分拡大
1967年8月号(2)


●トイジャーナル(東京玩具商報改題) 1969年6月号 寺井商店 広告
スバルの広告は消えいすゞTDダンプが新たに加わり、SSTコンコルドは日航仕様となりロングセラーだった大都電が掲載されている。
1969年6月号


●東京玩具商報1952年2月号 寺井商店ミルクトラック 新製品紹介記事
業界紙に初登場したダイヤのブリキ製自動車の記事。牛が描かれた幌までブリキ製で秀逸なプリントとボンネット型トラックの造形が魅力的な玩具のように見える(現物は未見)。この広告が掲載されてから65年を経た2017年現在は70歳前後となる世代が遊んだブリキ玩具と思われる。
1952年2月号ミルクトラック


●1965年10月 第4回日本玩具国際見本市カタログに掲載された寺井商店の企業情報
取締役社長は創業者の寺井影明氏、販路は国内問屋及び海外(米国・カナダ・中南米・東南アジア・豪州・欧州・中近東・アフリカ)、取引銀行は北陸銀行・第一銀行・富士銀行の3行と記載されている。
企業情報



●ダイヤ(寺井商店) 1/18スケール 1959年スバル360 
全長16.5cm・全幅7.5cm。ブリキ製。フリクション駆動。前後サスペンション付。当時定価: 都内100円・地方110円。デメキンのスバル360は、ダイヤ以外に萬代屋(バンダイ)、旭玩具、米澤玩具からもブリキ玩具としてリリースされたが、フロントの印象はダイヤ製が最も実車に近い。自動車史/自動車文化史研究の第一人者だった五十嵐平達氏はリアルタイムでこのダイヤ製の青いスバルをコレクションに加えられていた。製造時期により大きく3種あり、1stはフロント分割バンパーでホイールが黄塗り、フロントに「SUBARU」の浮き彫りがあり、2ndではフロントの浮き彫りが消えホイールがメッキとなりハンドルが別パーツから室内プリント一体となった。更に3rdではフロント1本バンパーとなり、前後サスペンション機構が省かれている。カラーバリエーションは青・水色・オレンジ・赤等。ロングセラー商品だっただけに、比較的現存する数は多い。

【2017年 評価額】 1stモデルの箱付美品12~15万円程度。

1st モデル青
初版(1)青前

初版(2)青リア

購入した最初のオーナーが箱に1959年8月9日の購入年月日とコレクションNoを記入している。
初版(3)サイド

1st モデル オレンジ
初版(4)オレンジ前

初版(5)オレンジ後ろ

1st モデル 水色
初版(6)水色前

初版(7)水色後ろ

1stモデル3台の並び
初版(8)3台並び

初版(9)サイド3台

ルーフを上から押すと前後サスが沈み、離すと元の車高に戻る。
初版(10)サイド押すと沈む


・2nd モデル オレンジ
再版(1)オレンジ前

再版(2)オレンジ後ろ

2nd モデルからはフロントの「SUBARU」のレタリングが消えた。実車でも1961年型からはフロントのレタリングは廃止されている。
再版(3)スバル文字消え


・3rd モデル
フロントバンパーが1本化された。実車では1960年型からバンパーが1本化されている。この最終製品はクロームメッキが薄く経年で黒ずんでしまっているものが多い。

3rd モデル 水色
最終(1)水色前

最終(2)水色後ろ

3rd モデル 赤
最終(3)赤前

最終(4)赤後ろ


寺井商店スバル360全員集合
全体(1)

全体(2)





★オマケ(その1): ダイヤ(寺井商店)ノンスケール 2代目エルフ・ミキサー車
全長12.5cm・全幅6.5cm。プラ、ブリキ混合。全幅のスケール換算では1/25位。キャブは実車に忠実な仕上がり。1970年代製ながら現在でも地方の玩具店などに残っていそうな製品。
エルフ(1)

エルフ(2)



★オマケ(その2): ダイヤ(寺井商店) 1/26スケール いすゞV330オートキャリヤ
全長43cm・全幅9.5cm。本体プラ製、付属の赤青黄緑の4台のポルシェ911レーシングはブリキ製。ドア開閉アクション付。2002年製。2017年現在、まだまだ市場在庫がありそうな製品。箱に「ダイヤマークは商標登録 第4210832号です。」と印字されている。レタリング・ホイールが往年のsikuのミニカーのような雰囲気。
カーキャリア(1)

カーキャリア(2)