★光球商会1959年 日産オースチンA50 旧車高騰 ~ ブリキ自動車コレクションから 003 | ポルシェ356Aカレラ

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このところ、世界的な旧車人気の影響で往年の名車(主にスポーツカー)の流通価格が高騰しているようです。例を挙げれば以下のようになります。

・トヨタ2000GT・・・・・1億円オーバー
・ランボルギーニミウラ・・・・1億2000万円オーバー
・1967年ポルシェ911R・・・・・1億5000万円オーバー
・1973年ポルシェ911カレラRS・・・・・1億円オーバー
・1967~1973年ポルシェ911S・・・・・3000万円
・1965~1973年ポルシェ911(E/L/T)・・・・・1500万円
・ケンメリGT-R・・・・・3000万円
・ハコスカGT-R・・・・・1500万円
・フェアレディZ432R・・・・・2500万円
・マツダコスモスポーツ・・・・・1000万円


ナロー911でもRやRSといった元々生産台数の少ない車両は昔から高価でしたが、それでもこんなに高くはありませんでした。ナロー911が国内で200~300万円でも買えた時代が長く続いたことを考えると現在は約10倍に跳ね上がっており、これは少々異常な感じがします。ナローの911Sが現行の991型911が2台買えるプライス、最も大人しい911Tでも新車の991型911を上回るレベルです。日本人は自分のクルマを大切にする傾向があることから、特に三和自動車の正規輸入車両は「ミツワ物」として欧米の中古市場でブランド化しているとのことです。しかし、三和正規輸入の911が大量に海を渡って二度と日本に戻ってこなくなる可能性があるというのは懸念すべき事態とも思えます。実は私は以前、ナロー911を持っていたのですが、安い時に売らないで今まで持っていれば10倍で売れたかもしれないと思ったりもします。尤も買った値段も安く、ショート・ホイールベースの稀少な三和ディーラー車で状態も悪くはなかったので、その価値の判る熱烈なポルシェフリークの方が買った値段の5割増しくらいで引き取って下さったのですが。。。
旧車人気は80年代、90年代にまで波及し(特に15年落ち以前の輸入可能な年式の日本製高性能車両は北米で人気が高いとのこと)、R32 GT-Rで当時の新車価格並みの500万円、R34 GT-Rで程度の良いものはR35の新車並みの1500万円との話もあり、今後は初代ロードスター(NA)、RX-7(FD)、80スープラあたりの価格高騰も懸念(中には期待する人も?)されているようです。


閑話休題
さて、今日は午後からスタリハもあり、これからアレンジしなければならない曲もあり時間があまりありませんので(大汗)、「ブリキ自動車コレクションから」の第3回記事として光球商会等の日産オースチンA50ケンブリッジをサクっとアップしますね☆今回はブリキに限定せず日産オースチンA50の当時物のミニカーやプラモデルも併せてご紹介することとします☆☆
 




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★戦中戦後の自動車技術の立遅れを取り戻すべく、英国オースチン社との技術提携契約を結び1953年(昭和28年)3月よりオースチンA40サマーセットのノックダウン生産を始めた日産自動車は、1954年(昭和29年)12月、英本国でA40サマーセットがA50ケンブリッジにモデルチェンジしたことに追随してノックダウン車両の切換えを行ない、日産オースチンA50ケンブリッジ サルーンを1955年(昭和30年)1月17日に発売した。
日産としては1200ccのA40を継続して生産するよりも、当時の小型車枠一杯の1500ccのA50を生産した方が、トヨタ・プリンスとの対抗上も得策だという判断があったようだ。A40の1年8ヶ月に亘る部品の国産化作業は水泡に帰し、A50への切換えは殆どゼロからの再スタートとなったが、A50の国産化は急ピッチで進められ、翌1956年(昭和31年)5月6日に全てに国産部品を使用したA50の完全国産化が達成された。しかし、当時の国産部品の品質は英国製に比べると明らかに粗悪で、英国製部品をふんだんに使用して組み上げられた1955年式の最初期のオースチンA50が後年の中古市場では高年式よりも人気が高かったのは少々皮肉なことであった。(実車については、「自動車カタログ棚から」シリーズ第104回記事参照)



●川上哲治と1957年日産オースチンA50
自動車経済新聞社1957年5月15日発行・自動車経済臨時増刊「日産の自動車」表紙(B5判)。巨人を1965年(昭和40年)~1973年(昭和48年)まで連続9年セ・リーグ優勝及び日本一の所謂「V9」に導いた日本プロ野球界のドン・野球の神様・川上哲治氏(1920年3月23日-2013年10月28日)と日産オースチン。川上氏はこの写真の時点で36~37歳。オースチンが当時の愛車だったのかもしれない。
川上


●日産横浜工場オースチン生産ライン
自動車経済新聞社1957年5月15日発行・自動車経済臨時増刊「日産の自動車」より。
工場


●東日本交通株式会社のオースチンタクシー
自動車経済新聞社1957年5月15日発行・自動車経済臨時増刊「日産の自動車」より。当時都内に300数十社あったタクシー会社の中で東日本交通はオースチンだけで営業することで異彩を放っていたという。「燃費がよく大きな故障もなく償却する際には町医者が買ってくれるので、営業はオースチンに限る」旨の榎本三右衛門社長のインタビューが掲載されている。東日本交通は現在も東京都渋谷区笹塚に存在するタクシー会社。
タクシー


●光球商会 ロゴマーク他
1950年代末頃の全国玩具人形商標総覧より。住所は東京都台東区浅草蔵前3-2、代表者は中井茂幸氏、業種は金属玩具の製造問屋と記載されている。光球商会の創業年並びに廃業年は不詳ながら、1950年代~1970年代にかけて存在した玩具メーカーと思われる。光球の日本車のブリキ玩具では出来の良いダイハツミゼットDKA型(バーハンドル)や1967年ホンダN360と今回ご紹介する日産オースチンあたりが有名である。光球商会のカタログも手元にありますので、それはまた項を改めて「玩具・模型カタログ棚から」の記事としてピックアップすることとします。
光球ロゴ



●光球商会 1/20スケール 1958年日産オースチンA50ケンブリッジ
全長20.5cm。ブリキ製。1958年12月のクリスマス商戦に市場投入されたと思われるモデル。実車では1958年秋にマイナーチェンジした1959年式でリアウイドが拡大されたが、このモデルはMC以前の楕円のリアウインドを持つ。フロントフード・オーナメントまで正確にモデル化された傑作。リアナンバーが1stモデルは1959で1960となったものが2ndモデル。1stモデルはフロントエンブレムに「Austin」のロゴが入り、2ndの末期製品ではドアノブが省略されている。室内は何故か左ハンドルだが、カラーリングは日産製オースチンのものである。カラーバリエーションは何れもルーフが白でボディ下が赤茶、赤、空色、深緑など。

【2016年 評価額】 箱付ミント18~25万円程度。箱なし美品8~12万円程度。ヤフオクなどでは暴落していた古い国産車ブリキの価格がこのところ上向き始めており、その原因はトミカ同様に日本人ではなく外国人(中国人等)のコレクターが目を向け始めたためと言われる。
光球(1)前3台

光球(2)後ろ3台

1stモデルにはフロントエンブレムに「Austin」のロゴが入る。
光球(4)オースチンエンブレム

リアナンバーのバリエーション
光球(3)リアナンバー違い

実車通りのフロントフード・オーナメント
光球(5)フードオーナメント

左ハンドルの室内プリント
光球(6)室内プリント

「デラックス玩具 オースチンA50 丈夫でよろこばれる」の文字と桜に「K」の光球商会のトレードマークが入った工場出荷時に貼られたルーフのシール。
光球(7)ルーフシール

光球(8)箱



●米澤玩具 1/32スケール 1958年日産オースチンA50ケンブリッジ
全長12.5cm。ブリキ製。ブリキとしてはスモールサイズながらパーツ点数が多く手の込んだモデル。サイドモールは別パーツでフロントフード・オーナメントや左フェンダーミラーまで付いている。光球商会製と同様に何故か左ハンドルだがカラーリングは日産オースチンである。このモデルは殆どアンティーク玩具市場に現れないレア品で、これまでの数十年で2~3台しか見かけたことがなく、箱付は一度も見ていない。白赤ツートン以外は見ておらずカラーバリエーションがあるのかどうかは不明。現存数は上掲の光球商会のオースチンの10分の1以下と思われる。桜にY文字の米澤の商標は裏板に刻印されている。

【2016年 評価額】 箱付ミント30~50万円程度。箱なし美品15~25万円程度。
米澤(1)

米澤(2)

米澤(3)サイド

左ハンドルの室内
米澤(4)室内



●旭玩具モデルペット8番1/42スケール 1960年日産オースチンA50ケンブリッジ
全長9.5cm。ダイキャスト製。1960年10月発売。初期のモデルペットによく見られたシート付の改番「S」モデルはなく、品番10としてセドリックがデビューしたこともあってかシートなしのまま絶版となった。現在も沢山流通しており日産オースチンのミニチュアモデルとしては一番入手はしやすい。しかし、カラーバリエーションは白/赤、紺、ライトグレイ、青メタ、薄青メタ等多数あり、全て揃えるのは案外ハードルが高いのでは。

【2016年 評価額】 箱付ミント2~3万円程度。箱なし美品8000~1万円程度。
モデルペット(1)

モデルペット(2)

モデルペット(3)



●光球商会・米澤玩具・モデルペットの日産オースチンA50の並び
並び(1)

並び(2)



●マルサン商店 1/40スケール 1959年日産オースチンA50ケンブリッジDX プラモデル
全長9.5cm。当時定価100円。品番7035。国産プラモデル黎明期のキットで滅多に絶版プラモ市場には現れないレア物。現在の目で見れば完全なチープキットながら、リアウインドが拡大された1959年式を真面目にモデル化している。ビン入りの接着剤が泣かせます。

【2016年 評価額】 未組立完品20~25万円程度。
マルサン(1)

マルサン(2)

マルサン(3)

マルサン(5)

マルサン(4)





★オマケ: Girl ビートルズ 1965
オマケに何もないのは寂しいということで、25歳のジョン・レノンが歌うこの1曲。何とも魅力的なボーカルに鳥肌が立ちます。

【Data File】
使用楽器:  
Gibson J-160E(John)
Rickenbacker 4001(Paul)
Framus 12弦Guitar(George)
Ludwig(Ringo)

録音:1965年10月~11月 アビーロード・スタジオ



【歌詞】

Is there anybody going to listen to my story
All about the girl who came to stay
She's the kind of girl
You want so much it makes you sorry
Still you don't regret a single day

Ah girl…girl…girl
When I think of all the times
I tried so hard to leave her
She will turn to me and start to cry
And she promises the earth to me
And I believe her
After all this time I don't know why

Ah girl…girl…girl


She's the kind of girl who puts you down
When friends are there
You feel a fool
When you say she's looking good
She acts as if it's understood
She's cool, ooh,…ooh,…ooh…

Girl…girl…girl
Was she told when she was young
That pain would lead to pleasure?
Did she understand it when they said
That a man must break his back
To earn his day of leisure
Will she still believe it
When he's dead

Ah girl…girl…girl
Ah girl…


【訳詩】

誰か僕の話を聞いてくれないかな。
僕と一緒に暮らしている女の子の話なんだけどさ。
彼女は男を夢中にさせる魅力の持ち主なんだ。
君だって彼女に会えば、
彼女の虜になってしまうはずさ。
でも、後で後悔しても僕は知らないよ。

ああ、あの娘は そんな娘
ふう…
ああ、あの娘は そんな娘!

何度彼女と別れようとしたことか。
でもそのたびに彼女は戻ってきて、
別れたくないって泣いてすがるんだ。
彼女は僕をがっかりさせないって、
命にかけて誓うって言うんだ。
結局彼女の涙に負けて、
許してしまったのが運のつき。
それがどんな結果をもたらすかなんて、
その時の僕にわかるわけがなかった。

ああ、あの娘は そんな娘
ふう…
ああ、あの娘は そんな娘!

彼女は、
人前で君に恥をかかせて平気なんだ。
君は彼女に馬鹿にされるよ。
君がどんなに彼女を褒めたって、
「あたしが可愛いなんて当り前よ」みたいな顔をして、
彼女は君に冷たくあたるんだ。
ああ、ああ

あああ、あの娘は そんな娘
ふう…
ああ、あの娘は そんな娘!

彼女にいじめぬかれると
男はやがて苦痛が快楽に変わっていくなんて、
そんな出鱈目を彼女に吹き込んだのは、
いったいどこのどいつだ?
たいていの男は、
恋をすると命がけになるってこと、
遊び半分で恋を楽しむ彼女には
永久にわからないんじゃないだろうか。
たとえ彼女に与えられた苦痛に耐え切れずに、
男が死んでしまったとしても…

ああああ、あの娘は そんな娘
ふう…
ああ、あの娘は そんな娘…