★1979年430セドリック教習車ほか 懐かしの教習車 ~ 自動車カタログ棚から 331 | ポルシェ356Aカレラ

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さて、もう11月ですね。
昨日は東京も随分と冷えこみましたが、今日は20度位まで気温も上がるようです。今日11月3日は文化の日ということで、学園祭をやっているという学校も多いのでしょうね。11月は以下のように個人的に行ってみたいイベントが盛り沢山です。実はその合間に自分のライブもあったりします(大汗)。

11月19日(土) 鉄道模型フェスティバルin新宿~中古鉄道模型即売会」(主催:ホビーランドぽち、場所:AP西新宿、時間:午前10時~20日まで開催)

11月20日(日)お台場旧車天国2016」(事務局:八重洲出版内、場所:お台場・船の科学館前 野外特設会場、時間:午前9時半~)

11月26日(土)2016トヨタ博物館クラシックカーフェスティバルin神宮外苑」(主催:トヨタ博物館、場所:信濃町・聖徳記念絵画館前、時間:午前10時~)

やりたいこと、やるべきことが多く時間があまり取れませんので、今日は免許を持っている人なら誰でも一度は乗ったことのある教習車について、「自動車カタログ棚から」シリーズ第331回記事としてサクッとアップすることとしますね☆
 



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教習車に纏わる話題となると、20世紀初頭からの免許制度の歴史や車両区分の歴史、少子化と若者のクルマ離れに伴う教習所の斜陽化の問題など日本国内に限っても1回の記事では到底書ききれない広がりがある。
例えば近年ではオートマ限定免許の追加(2016年現在では免許所持者の5割以上がオートマ限定、販売される乗用車の98%までがオートマ車)、中型免許の追加など話題に事欠かない。中型免許絡みでは2007年6月2日の中型免許が新設される以前に普通免許を取得した人の場合、免許証の「条件等」の欄に「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されている。これは戦前生まれあたりの世代の人の免許証が大型自動二輪も運転可能という形で更新されていたのと同じで、免許区分の変更に際して従来の免許で運転可能であった車種を急に失くさずに移行措置としたものである。私の免許証にも「中型車は中型車(8t)に限る」と記載されているが、現実には4トントラックさえ運転したことがなく、これは1960年代以前に自動車免許を取得している戦前生まれ世代では単車には一度も乗ったことがなくとも大型自動二輪の免許があるというのと同じことである。



●1958年 三田自動車練習所のダットサン1000(210)教習車
国際文化情報社1959年5月10日発行 画報 科学時代 第10巻「自動車の驚異」より。この時代は教習所ではなく自動車練習所と呼称されている。
三田(1)

ナンバーに地域名が入らないのが当時の東京都内登録車。
三田(2)シングルナンバー



●1963年 トヨペットクラウンRS40 教習車
1965年6月25日発行 玉川こども百科 第4巻「じどうしゃ」(五十嵐平達 編著)より。
クラウン



★2016年現在の教習車の御三家はトヨタ・コンフォート、トヨタ・カローラアクシオ、マツダ・アクセラでシェアトップはマツダ・アクセラとのことですが、あなたが自動車免許を取得する時に教習所で乗った教習車の車種は何でしたか??
例えば、「教習車はY30のセドリックだった」と言われれば、Y30が1983年~1987年の生産だったことから、普通免許取得可能年齢の18歳を考慮すると大体1965年~70年生まれ位の年代の方かなと想像できたりもします。免許が取れる年齢に達してもすぐに免許をとらずに20代終わりとか30代になってからなど遅れて免許を取ったという人の場合は判りませんが、運転した教習車によってある程度は世代を特定することが出来るのではないでしょうか。しかし、7代目Y31セダンのように長期に亘って生産された車両もあるので簡単ではありません。尤もかなりの自動車好きでもなければ、教習所で乗った教習車の車種まではイチイチ覚えていないという場合が多いかもしれません。
子供の頃から自動車が好きだった私は、既に40年近い歳月を経ていますが自分が乗った教習車のことは昨日のことのようによく覚えています。私が教習所で乗ったのはセドグロは330がメインで230もまだ結構生き残っており、クラウンは5代目80系がメインで4代目クジラがやはりまだ結構生き残っていました。今回ご紹介するカタログの430セドリックがデビューする以前でしたので、残念ながら私は430の教習車には乗っていません。現在、教習車の償却は2年程度とも言われていますが、私が免許をとった70年代後半には4年位使っている車が結構存在していたように思います。しかし、自分が教習所に通っていた時期に1枚たりとも教習所で車両の写真を撮らなかったことは痛恨の極みです。


★教習車には、自動車教習所(狭義では都道府県公安委員会が道路交通法第九十九条に基づいて指定した指定自動車教習所、および届出自動車教習所を指し、広義では非指定自動車教習所を含む)の指導員が教習を円滑に行うための様々な機器装置や保護装置が装備されている。
東京都内では鮫洲や府中の運転免許試験場の技能試験に用いられる免許試験車も、教習車と基本構造は同一である。指導員の乗車する助手席足元に補助ブレーキペダル、インストゥルメントパネル周りに方向指示器・ブレーキランプに連動するランプと運転席側からは見えないデジタル式速度計、ミラーは車内にルームミラーが指導員用に追加され、フェンダーミラーやドアミラー上部にはアウトサイドミラーという指導員用のミラーが付く。オーディオ類は省かれるが、カーナビやバックモニターカメラを付けている車両も存在する。実技試験が免除となる所謂、指定自動車教習所で使用される、補助ブレーキペダルが装備されている教習車は特種用途自動車として区分され、自動車登録番号標(ナンバープレート)は8ナンバーとなる。



●2016年現在、教習車仕様が発売されている国産乗用車
・マツダ アクセラ
・トヨタ コンフォート
・ホンダ グレイス
・マツダ アクセラ
・スバル インプレッサG4



★過去に教習車仕様が発売されていた国産乗用車
以下の教習車の存在が確認されている車種には、各々、教習車仕様のカタログが発行されている、もしくはカタログが未発見であっても発行されている可能性がある。

●トヨタ自動車
クラウンセダン
マークⅡ
チェイサー
クレスタ
カリーナ
コロナ( 9代目のトヨタ教習車と10代目コロナプレミオを含む)

●日産自動車
セドリックセダン
グロリアセダン
ローレル
スカイライン
クルー
ブルーバードシルフィ
ブルーバード
ティーダラティオ

●本田技研工業
アコード
シビックフェリオ
ドマーニ

●マツダ(東洋工業)
ルーチェ(1960年代の初代から教習車専用カタログの存在が確認されている)
カペラ
ファミリア

●三菱自動車工業
ギャラン
ランサー

●いすゞ自動車
フローリアン(1960年代末の教習車専用カタログの存在が確認されている)
アスカ

※上記以外にもメーカーが教習車としては発売していないが、日本で教習車として使われた車種も存在する(BMW3シリーズ、メルセデスCクラス等)。



●1979年6月 ニッサン セドリック及びローレル 教習車 専用カタログ (縦30cm×横25cm・日本語2つ折4面)
5代目430セドリック初期の教習車と3代目C230ローレル末期の教習車を掲載した専用カタログ。収載型式:①E-430(L20搭載)②K-S430(SD20ディーゼル搭載)③E-PC231(Z18搭載)④K-SC230(SD20ディーゼル搭載)
このカタログに掲載された教習車で実際に教習を受けた人は1961年(昭和36年)~1965年(昭和40年)生まれあたりの世代が中心と思われる。マツダ(東洋工業)は初代ルーチェの時代に既に教習車専用カタログを出しているが、日産車では330以前のセドリック教習車仕様のカタログは現在に至るまで一度も見ていないので発行されていない(?)。このカタログでは指導員用ミラー等の教習車専用の装備がない状態の写真のみが掲載されており(裏面に「教官用補助ブレーキと教官用ルームミラー・フェンダーミラーは装着されていませんが、実際にご使用になる場合には装着する必要があります。」と注意書き有)、教習車のカタログとしては面白味に欠ける嫌いあり。カタログの入手難易度では、ダントツで入手が難しいのはパトカーで、次に営業車(タクシー)と教習車が概ね同レベルで続く印象。
(1)表紙

【中面から】
解説頁
(2)解説

「効率経営をめざす教習所にぴったりの日産の教習車、新型セドリックとローレル。教習生にも教官の方にも満足してお乗りいただけます。」
(3)文字アップ

上:セドリック、下:ローレル
(4)2台

「セドリックは快適ローデシベル空間」
(5)セドリック

「ローレルはザ・コンチネンタルサイズ」
(6)ローレル

裏面スペック
(7)裏スペック

セドリック側面図
(8)セドリック側面図

ローレル側面図
(9)ローレル側面図

教習車として使用する場合には教官用補助ブレーキやミラーを装着する必要がある旨の注意書き。
(9)注意書き



●1990年1月 ニッサン スカイライン 32型 教習車 専用カタログ (A4判・日本語表裏1枚)
車両型式:E-FR32改。搭載エンジンCA18i・91PS。オーテックジャパンの製造車両。平成に入ってからの簡素な1枚物カタログながら一般には殆ど配布されていないため、同時期のGT-R(R32)のカタログより遥かに少ない。この32の教習車で実際に教習を受けた人は1972年(昭和47年)~1976年(昭和51年)生まれあたりの世代ではないだろうか。
32(1)表紙

裏面
32(2)裏面

教官用補助ブレーキ
32(3)補助ブレーキ

教官用ルームミラー
32(4)教官用ルームミラー

教官用アウトサイドミラー
32(5)教官用アウトサイドミラー

スペック
32(6)スペック





★オマケ(その1): トミカ13-4番 1/65スケール 430セドリック280Eブローアム
全長7.3cm。1980年7月発売。当時定価320円。ダイキャスト製。トミカ発売10周年としてテールライトやフロントウインカーにクリアパーツが奢られたモデル。青メタとパールホワイトは当時物。kmハイヤー仕様の紺メタは2003年巣鴨ガリバー特注品。430のミニカーは当時物から近年のTLVネオの西部警察物に至るまで夥しい種類が出ています。
トミカ(1)

トミカ(2)

1stカラー 青メタ
トミカ(3)紺

2ndカラー パールホワイト
トミカ(4)白

km国際自動車ハイヤー
トミカ(5)km



★オマケ(その2): トミカくじ20 1/59スケール トヨタ2000GT教習車「うつろ自動車教習所」
全長7cm。これはまだ捜せば市場在庫もありそうな2016年発売の製品。トヨタ2000GTの教習車、しかもタイムトライアルカーカラーという発想がイケてます。日本の教習車のミニカーというと、1970年代に5代目クラウンの教習車がダイヤペットから白黄と白赤の2色のカラーバリエーションで発売されたが、1回だけの生産と言われ現在の絶版ミニカー市場に出回る数は少ない。友情出演: SIKUのトヨタ2000GTさん。
2000GT(1)

2000GT(2)



★オマケ(その3): 1960年代前半の自動車教習所風景
名古屋自動車学校の1964年横目セドリック教習車が登場する貴重な動画。




★オマケ(その4): 1960年代後半の自動車教習所風景
多摩ナンバーを付けた130セドリックの教習車が登場する貴重な動画。オマケ3の動画より数年新しい時代の教習車が映っているが、よく見るとセドリックは31の初代も映っている。