★1957年 国鉄レールバス キハ02 ~ 鉄道車輛カタログ棚から 004 | ポルシェ356Aカレラ

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自動車カタログ棚シリーズも前回のNJ号の記事で249回まで辿り着き、今年2014年の目標だった250回目まであと1回となりました。自動車カタログ棚シリーズでは、初代カローラ、初代サニー、初代ローレル、初代コロナマークⅡ、営業車以外の2代目130セドリック、3代目縦目グロリア、3代目510ブルーバード、トヨタスポーツ800、スバル1000あたりの比較的メジャーな1960年代の国産乗用車を一度も記事にしておらず、1970年代に至っては初代セリカ/カリーナ、4代目くじらクラウン、営業車以外の230セドリック/グロリア、初代カペラ、2代目ルーチェ、2代目ローレル、初代シビック、初代レオーネなど記事にしていない国産乗用車は比較的メジャーな車種だけでもまだ山のようにあります。

このブログのアクセス解析を見るとホンの一部のカタログをサラッと紹介しただけのコスモAPや初代サバンナRX-3の過去記事へのアクセスが異様に多いので、世の中の1970年代国産車の人気の高さが窺い知れるのですが、私としてはネット上に情報が溢れている1970年代あたりのメジャーな車種よりも、なるべく情報の少ないもっと古い商用車やマイナーな車種をピックアップしたいという気持ちがあります。ただ、最近の自動車カタログ棚シリーズの記事のスタイルではアップするまでに時間がかかり過ぎ(場合によっては休日丸1日かけても完成しないことがあります)、漸く記事がアップ出来た時はとても嬉しいことは確かなのですが、産みの苦しみの方が大きくてプレッシャーになることも多々あります。

そこで、これからはもっと気分を楽にして、他の趣味(主に楽器演奏)をするための時間をもっと多く確保するためにも自動車カタログ棚シリーズの記事作成方針を変えるべき時に来たのかなとも思い始めています。例えばこれまで1記事に50枚以上ということも多かった画像の量を思いきり減らして記事の内容を落としても時間のかからない簡単なものにするか、あるいは、ここ最近は週1回を目途にしていたアップの頻度を大幅にスローダウン(例えば月1回など)するといった方法でそろそろ変えるべき時にきたのかなとも思い始めています。しかし、その一方で事故や病気になっていつ記事が作れなくなるとも限らないので、出来る時に出来る限り力を入れて記事をアップしておきたいという気持ちもあって実は揺れているのです。。。


という訳で、前置きが少々長くなりましたが、12月の自動車カタログ棚シリーズの記事はあと1回のアップで250回目という2014年の目標に辿り着くので、今回は自動車カタログではなく昨年2013年7月16日以来久々となる「鉄道車輛カタログ棚から」の記事です。私が子供の頃に遠藤商店(エンドウ)のHOゲージ鉄道模型でよく遊んで大好きだった第一世代の国鉄レールバスの記事をアップします。




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★第3代日本国有鉄道(国鉄)総裁だった長崎惣之助(1896年6月25日-1962年11月7日)が1953年(昭和28年)1月から4ヵ月間をかけて欧米の鉄道を視察した際に2軸の小型ディーゼル動車に注目した。
長崎惣之助は日本の閑散路線用の車輛として的確な見本になると考え、帰国後直ちに島 秀雄(1901年5月20日-1998年3月18日)ら専門家に視察を命じた。その視察で参考とされたのが、1952年より量産・運用されていた西ドイツの小型ディーゼル動車「シーネンオムニバス(Schienen Omunibus)」であった。1953年5月より国鉄工作局でレールバスに関する会議が始められ、当時の日本では閑散路線とはいっても混雑時には250名程度の乗車があり精々50~60名程度が定員のレールバスの導入には慎重論があったと言われるが、東急車輛の協力が得られたこともあり、閑散路線の喫緊の状況改善策の一つとしてレールバス製造のゴーサインが出された。


★こうして1954年(昭和29年)8月に生まれたのが日野ディーゼル工業のアンダーフロアバス・ブルーリボン用のDS21型エンジン(60ps)を搭載した東急車輛製作のキハ10000~10003 (1957年の型式変更後はキハ01-1~4)であった。
同年9月1日より千葉県の木原線(外房線大原~小湊鉄道上総中野間26.9km)で運用が開始された。
次いで北海道の旭川鉄道管理局内の閑散路線用にエンジンを日野ディーゼルDS22(75ps)に換装し暖房設備強化ならびに下回り機関に防寒カバーを取り付けた2次車キハ10004~10011(型式変更後はキハ01 -51~58)が製造された。この2次車までは出入口扉が車両の前後にあり前面窓が3分割であることが外観上の特徴であった。


★次に登場した3次車キハ10012~10028(型式変更後はキハ02-1~17)では大幅な設計変更が為され、外観上は近代的な前面2枚となり、車掌業務の便を考慮して出入口扉が車両中央1ヵ所のみとなった。
この3次車は旭川鉄道管理局・広島鉄道管理局・門司鉄道管理局管内にて運用された。3次車は当時の鉄道模型製品ともなったため国鉄レールバスとしては最もメジャーなタイプと言える。
更に寒冷地用の改良を加えた4次車キハ10200~10219(型式変更後はキハ03-1~20)が製造された。
これらの1950年代の国鉄レールバスは製造から10年余りを経過した1965年(昭和40年)~1966年(昭和41年)にかけて大半が廃車となり、最も遅い廃車はキハ10021(キハ02-10)の1969年(昭和44年)3月31日であった。
なお、キハ10200(キハ03-1)が比較的良い状態で小樽市総合博物館(9時半~17時:火曜休)に唯一現存し保存・展示されている。


【主要スペック】 1957年 国鉄キハ02形レールバス
全長10900㎜・全幅2602.4㎜・全高(レール面上)3050.8㎜・軸距5200㎜・自重10.35t・機関:日野DS21型60HP/1200rpm・乗車定員46名(座席40名・立席6名)・軌間1067㎜・最高速度70km/h




●1958年4月発行 国鉄キハ02形レールバス カタログ (A4判・表裏1枚)
東急車輛シートNo.1002。1957年(昭和32年)4月1日に車輛称号規程が改正され型式が変更となった後の東急車輛発行の1枚物カタログ。1954年のキハ10000型登場時には2つ折のもう少し立派なカタログが発行されているが未入手。ディーラーで一般に配布された自動車カタログに比べると鉄道車輛のカタログは総じて入手は難しい。

カタログ(1)

表面
カタログ(2)表面

裏面
カタログ(3)裏面

概要説明
カタログ(4)概要説明

主な特徴
カタログ(5)主な特徴

主要諸元
カタログ(6)諸元1
カタログ(7)諸元2

図面
カタログ(8)図面1全体

カタログ(9)図面2サイド

カタログ(10)図面3前面






★オマケ(その1): カツミ模型店 1/45スケール 国鉄キハ10000形レールバス
全長18cm。1956年発売。実車の登場とあまりタイムラグなしに発売された初の国鉄レールバスの模型。3線式Oゲージ。ボディは当時としては超先進素材と言えるプラスチック製で床板は木製。スケールモデルではない自由形(フリーランス)で窓ガラスもないチープな造りだが、前面2枚窓、中央の出入口、ルーフ上のベンチレーターなど国鉄レールバス3次車(後のキハ02)の特徴を上手く捉えた製品。カツミ模型店は戦後2年目の1947年(昭和22年)8月30日に創業した鉄道模型メーカーでかつては日本型HOゲージ(16番)の代表的なブランドだった。
カツミ(1)

カツミ(2)

カツミ(3)

鉄道模型趣味1956年10月号(通巻100号記念号)掲載のカツミ模型店(当時の住所:東京都港区芝白金志田街3)の広告にはこのレールバスがスケール電関EH10等と共に紹介されている。
カツミ(4)TMSアップ

幻のカツミ製Oゲージスケール機EH10等も掲載
カツミ(5)TMS広告全体

月刊「鉄道模型趣味」1956年10月 通巻100号表紙
カツミ(6)TMS表紙



★オマケ(その2): 遠藤商店 1/80スケール 国鉄キハ02レールバス
全長12.5cm。16番HOゲージの製品。遠藤商店(現エンドウ)は終戦の年1945年(昭和20年)12月1日に創業した鉄道模型メーカーでかつては「TER」(=東京遠藤レイルロード)の略称で親しまれカツミ模型店とも繋がりが強かった。HOゲージが主流だった私が子供の頃、鉄道模型が好きな子供は誰もが遠藤製のブリキ貨車を持っていた。HOキハ02の発売は実車稼働時代末期の1966年頃(?)。ロングセラー製品で私が小学校に上がった頃から昭和の終わり頃(1980年代後半)まで連綿と売られていた。立川の遠藤商店のショールームにも平成の初め頃までは新品在庫が残っていた。モーターなしのトレーラーも売られ、統括制御不能だった実物では不可能な2両連結での運転も楽しめた。クリーム/紺塗装は1960年代に少数市場に出たと思われるレアカラー。このレールバスはモーターがよく回り、子供の頃は部屋中に敷き詰めた線路をスロットレーシングのようにかっ飛ばして(スケールスピード150km/h位?)遊んだものだった。
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★オマケ(その3): トミックス 1/150スケール 国鉄キハ02レールバス
全長6.7cm。トミー(葛飾区立石)のNゲージ製品。オリジナルは1977年から1978年にかけての香港製時代のトミックスの初期製品だが、これは2001年の復刻品。モーター付とモーターなしのトレーラーの2両セット。私は古い日本型OゲージとHOゲージが好きでNゲージは全く集めていないのですが、これは国鉄レールバスということで唯一手元にあるNゲージ製品。
トミー(1)

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復刻品はトミックス誕生25周年記念モデルとして販売
トミー(4)



★オマケのオマケ: (1)Oゲージ (2)HOゲージ (3)Nゲージ の大きさ比較
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