★1955年 ダットサン120型トラック 最初の戦後型ダットラ ~ 自動車カタログ棚から 245 | ポルシェ356Aカレラ

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★近年の日本では大まかな年齢層を示す際に以下のような言葉が使われ始めている。

アラハタ or アラトゥー・・・・・15歳以上24歳以下(アラウンド=around・ハタチ)
アラサー・・・・・25歳以上34歳以下(アラウンド・サーティ)
アラフォー ・・・・・35歳以上44歳以下(アラウンド・フォーティ)
アラフィフ ・・・・・45歳以上54歳以下(アラウンド・フィフティ)
アラカン or アラシックス・・・・・55歳以上64歳以下(アラウンド・還暦orシックスティ)
アラコキ or アラセブン ・・・・・65歳以上74歳以下(アラウンド・古希 or セブンティ)
アラエイ ・・・・・75歳以上84歳以下(アラウンド・エイティ)
アラナイ ・・・・・85歳以上94歳以下(アラウンド・ナインティ)
アラセン or アラハン ・・・・・95歳以上104歳以下(アラウンド・センチュリー or ハンドレッド)

例えば30歳からプラスマイナス3歳程度をアラサーと言う場合と上記のように四捨五入によって25歳から34歳までをアラサーと言う場合とに定義は分かれる。四捨五入法を採った場合には、あらゆる年齢の人を区分可能だが、プラスマイナス3歳程度とする場合には○○代半ばの人達がどの区分からも外れると言うことになる。1世紀=センチュリーを示すアラセンまで心身共に健康で生きられれば望外の幸せというものだろう。平均寿命を遥かに超えて生き長らえてアラセンとなれる確率は低いが、有名人では日野原重明さん(1911年10月4日-)あたりはアラセンの代表と言えるだろう。
もし運良く100歳まで生きられたとしても、永久に続く時空間の中で見れば人間の生きる時間というのは、ほんの僅かな一瞬とも言える。遠い将来、再生医療などの進歩によって人間の平均寿命が300歳位になったとしても、何万光年といった宇宙時間の中ではまだまだ短い。もし1万年後位に平均寿命が1000歳位になったら、ちょっとはいいかもしれない。そんなに長生きしたくはないという向きもいるかもしれないけれど。


★私は四捨五入法を採ると今日で⑤のアラカンになってしまった。いまだに独身で戸籍真っ白、天涯孤独の状態で歳を重ねていくことは何とも寂しく辛いものがある。
私のようなアラカンでは芸能人や富豪でもない限り、もうこれから結婚することはほぼ絶望的だというのが一般論であろう。もし人間の平均寿命が200歳だったとしたら50代ならまだまだ残りの人生が3/4と長いけれど、運が良くてもたかだか100歳程度までが限度では折り返し地点を過ぎてしまっている現在、残された時間というものをどうしても意識してしまう。
しかし、「人間である以上、人生最大の目標は結婚にあり、独り身のまま人生を終えることは最大の不幸である。」というのが持論なので、外野の意見に惑わされずに悔いのないよう、まだまだこれからの人生を楽しみたいと思うのである(爆)。


~~~閑話休題~~~


今日は自動車カタログ棚シリーズの第245回として、前回ご紹介した最初のダットラの続編として初の戦後型ダットサン・トラックをご紹介します。




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★1930年代半ばから太平洋戦争を跨ぎ改良を重ねながらも連綿と生産が続いた最初のダットサン・トラックは1955年(昭和30年)1月にダットサン120型トラックにフルモデルチェンジした。
120型トラックは、同時にデビューした日産初の戦後型乗用車110型セダン(本シリーズ第110回記事参照)をベースとした車両であった。梯子型フレームに前後サスペンション固定という下回りに110型セダンと同じデザインのキャブを載せたトラックである。そのデザインは当時の日産自動車造形課長であった佐藤章蔵氏によるもので、「戦後の日本の貧乏を肯定した無駄がなく健康的で実に優れたデザイン」として毎日新聞社の毎日工業デザイン賞(産業デザイン賞)を受賞した。

★ダットサン120型トラックはシャシーおよびボディを一新して登場したが、エンジンは戦前からの設計を踏襲した旧弊なサイドバルブD-10型(SV860cc25馬力)が搭載されていた。
デビュー1年後の1956年(昭和31年)1月にフロントウインカーを縦長の意匠に変更しグリル中央にオーナメントを追加した上、左右フェンダー上に砲弾型ウインカーを新設した122型、1956年(昭和31年)6月に変速機をフロアシフトからコラムシフトに変更した123型、1957年(昭和32年)10月にフロントウインドを曲面ガラスとし室内計器盤を変更した124型、1958年(昭和33年)10月にウインカーをフェンダー上からフロントパネルに移した最終の125型へと進化・変遷した。以上の変遷は基本的にセダンのマイナーチェンジに準じたものであった。この120型~125型までの積載量は全て750kgであった。

★1957年(昭和32年)10月、新開発されたOHV 988cc 34馬力のC型エンジンを搭載した220型ダットサン・トラック1000がデビュー。
これは、ダットサン1000セダン210型のトラック版であった。積載量は従来より100kg多い850kgとなった。新しいC型1000ccエンジンは、当時日産がノックダウンしていたオースチンA50ケンブリッジのエンジンのストロークを縮めて開発され、当時の日本製エンジンとしては異例とも言えるショートストロークの高回転型であった。このC型エンジンは1959年(昭和34年)8月デビューの310型ブルーバードでも搭載された。電装系は210型セダンと同様にトラックも220型より従来の6Vが12Vに変更された。1958年(昭和33年)10月に210型セダン、124型トラックと同時にウインカーをフェンダー上からフロントパネルに移した221型となり、この時同時にホイールベースを30cm延長し2520㎜とした1000kg積みのG221型を追加した。

★旧弊なサイドバルブD-10型エンジン搭載の860cc車125型トラックは1959年(昭和34年)秋までで生産を終え、その後は1000cc車のみ生産が継続された。
1000cc車は1959年10月にフロントグリルをダットサン211セダン風として荷箱にモダンなキャラクターラインを入れた222型/G222型、1960年(昭和35年)10月にフロントグリルを再度小変更し初代ブルーバード1200と共通のE1型1200cc55psエンジンに換装した223型/G223型と進化したのち、1961年(昭和36年)8月に初代ブルーバード310ベースの320型トラックにバトンを渡した。


※データ容量オーバーのため、ライトバン、ダブルピックアップのカタログは初期・中期のみ掲載します。


【主要スペック】 1955年 ダットサン120型トラック 
全長3,742mm・全幅1,466mm・全高1,555mm・ホイールベース2,220mm・車重865kg・D-10型SV860cc・最高出力25ps/4000rpm・最大トルク5.1 kgm/2400rpm・変速機4速フロアMT・乗車定員2名・最大積載量750kg・最高速75km/h・販売価格59万8000円



●1955年 ダットサン120型トラック 広報写真
これは自動車工業振興会の出している自動車ガイドブック英語版に掲載されたもの。幌を外して幌骨のみとなった120型トラックの荷台にジャングルジムよろしくイガグリ頭の子供10人以上が群がって遊んでいる。どのような意図で撮られた写真なのだろうか。
ジャングルジム


●1956年 ダットサン122型冷凍車 「雪印アイスクリーム」
広報誌「ニッサングラフ」1956年7月号より。埼玉深谷市の雪印総代理店だった小林近太郎商店の車両。カラーは白に空色だろうか。122型はフロント左右のウインカーが縦長であることで識別出来る。
雪印乳業


●1956年 ダットサン122型トラック 「三菱電機」
広報誌「ニッサングラフ」1957年3月号より。東京神田鍛冶町の三菱電機販売店「松見商会」の車両。カラーは黄色にオレンジだろうか。
三菱電機



●1955年1月 ダットサン120型トラック カタログ (縦24.5×横24cm・2つ折4面)
同時発売の乗用車ダットサン110型の初期カタログの双子カタログでつるつるのコーティング紙を使用していることも写真で構成されたデザインもよく似ている。
写真表紙

【中面から】
写真(1)前後

シャシー
写真(2)シャシー

裏面: スペック
写真(3)スペック



●1955年4月? ダットサン120型トラック カタログ (縦24.5×横24cm・6つ折12面)
上質表紙

【中面から】
新旧ダットサントラックの比較
上質(1)新旧比較

初期型は計器盤をダッシュパネル中央に設置したセンターメーター。
上質(2)センターメーター室内

二面図
上質(3)二面図



●1955年4月? ダットサン120型系商用車 総合カタログ (B5判・16頁)
120型トラックの他、U120型ダブルピックアップ、AV120型ライトバン、V120型デリバリーバンの4車種を掲載したダットサン商用系総合カタログ。120初期型では最も豪華なカタログ。
総合表紙

【中頁から】
120型トラック
総合(1)120トラック

U120型ダブルピックアップ
総合(2)Wピックアップ1
総合(3)Wピックアップ2

AV120型ライトバン・・・・後列シートを有した4名乗り。
総合(4)AV120ライトバン1
総合(5)AV120ライトバン2

デリバリバン・・・・2名+荷物のレイアウト
総合(6)V120デリバリバン1
総合(7)V120デリバリバン2

図面: U120型ダブルピックアップ
総合(8)Wピックアップ図面

図面: AV120型ライトバン
総合(9)ライトバン図面

裏面: スペック
総合(10)裏面スペック



●1955年7月 ダットサン120型トラック カタログ (B5判・4つ折8面)
557表紙


●1955年 ダットサン W110型エステートワゴン (B5判・4つ折8面)
K110型コンバーチブルと併載されたカタログより。これは商用車でないが、1955年ダットサンのボディバリエーションとして掲載。極く少数が造られた4ドアワゴンでフロントグリルは110型セダンと共通。
55エスエートワゴン



●1956年1月 ダットサン122型トラック 広報写真
最初のマイナーチェンジ。カタログが手元にないため、広報写真を1枚。フロント左右のウインカーを縦長に意匠変更。
広報写真122型トラック


●1956年1月 ダットサンAV122型ライトバン 専用カタログ (B5判・2つ折4面)
56ライトバン表紙

中面から
56ライトバン中面



●1956年5月 ダットサン123型トラック 簡易カタログ (B5判・2つ折4面)
2回目のマイナーチェンジ。リモートコントロール・コラムシフトに変更。コラムシフトを強調した表紙。
123簡易表紙

【中面から】
123簡易中頁



●1956年12月 ダットサン123型系商用車 総合カタログ (A4判・4つ折8面)
123型トラックの他、U123型ダブルピックアップ、AV123型ライトバン、V123型デリバリーバンの4車種を掲載したダットサン商用系総合カタログ。このカタログも表紙はコラムシフトになったことを強調している。
5612表紙

【中面から】
123型トラック
5612(1)123トラック

U123型ダブルピックアップ・・・・・フロントグリルはダットサン112/113セダンと同じハモニカ型を付けている。
5612(2)Wピックアップ

AV123型ライトバン・・・・・この車両もフロントグリルはセダンと共通のハモニカ型
5612(3)ライトバン


●1957年2月 ダットサン123型系商用車 総合カタログ (A4判・4つ折8面)
1956年12月版のカタログ改訂で表紙以外は同一のカタログ。
572表紙替え



●1958年5月 ダットサントラック124型 カタログ (A4判・2つ折4面)
860cc車3回目のマイナーチェンジ。フロントウインドに曲面ガラスを採用。
124表紙

【中面から】
124中頁



●1958年6月 ダットサン1000トラック220型 カタログ (A4判・8頁)
1000cc850kg積みを追加。
220表紙

【中頁から】
220(1)全景

1000cc34psエンジン
220(2)34psエンジン


●1958年2月 ダットサンU220型ピックアップ リーフレット (A4判・表裏1枚)
1000cc版のダブルピックアップ。フロントグリルは210型セダンと同じものを付けている。
U220ピックアップ・リーフレット


●1958年10月 ダットサン1000トラック 221型/G221型 カタログ (A4判・8頁)
ホイールベース2520㎜、全長4040㎜、最大積載量1000kgのロングG221型を追加。
221表紙

【中面から】
221(1)正面

ロングボディー1トン積みのG221型
221(2)1t積のG221



●1959年6月 ダットサン1000トラック 221型/G221型 カタログ (A4判・8頁)
上掲の1958年10月版ダットサン1000トラックのカタログ改訂で表紙のみ変わり中頁は同一。
59年表紙変更



●1960年1月 ダットサン1000トラック 222型/G222型 カタログ (A4判・12頁)
フロントグリル変更、荷箱デザイン変更、サイドモール追加等により乗用車的なムードになった。
60年222表紙

【中頁から】
60年222(1)全体

ロングボディー1トン積みのG222型
60年222(2)G222型

透視図。1960年代に入りカタログの体裁も現代的になってきた。
60年222(3)透視図

ショートボディ222型
60年222(4)222型ショート



●1960年10月 ダットサン1200トラック 223型/G223型 カタログ (A4判・8頁)
34psから55psへと飛躍的に出力アップした最終型。大幅出力増にも関わらず、ボディサイズや積載量850kg/1000kgは従来と同じ。カタログ上、最高速度のみ90km/hから105km/hに上がった。
61年表紙

【中頁から】
61年(1)全体

1200cc55psエンジン
61年(2)1200エンジン



●1961年 ダットサン1200ピックアップ 英文カタログ (A4判・2つ折4面)
輸出用左ハンドルG223-U型のカタログ。
英文表紙

【中面から】 輸出仕様車は心なしかカラーリングがPOPにみえる。
英文中頁





★オマケ: ツクダヤ 1/24スケール 1958年ダットサン220型トラック
全長16cm。当時定価140円。当時先進素材のハイゼックス製(ヘッドライトとフロントグリルはブリキ製)。フリクション駆動。ボンネット上にウインカーが付いていることから1958年以前の実車をモデルにしている。同時期の同価格帯のブリキ製品に比べると、室内の造り込みもなく駄玩具のようなチープな造り。先進素材故にコストが割高だったようだ。120~220系ダットサントラックの立体造形物は現在に至るまでこれを除けばプラモデル登場以前の木製組立キットのみ。
ツクダ(1)
ツクダ(2)

紙箱ではなく、このようにビニールに包まれて販売された。
ツクダ(3)ビニール入り

●玩具業界誌「東京玩具商報」1959年8月号 ツクダヤ広告のダットサントラック
国立国会図書館の蔵書より。
ツクダ(4)玩具商報