★1993年ポルシェ911スピードスター情熱と官能の空冷964 ~ 自動車カタログ棚から 234 | ポルシェ356Aカレラ

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暑いです∑(・Д・・) 外ではもちろん、室内でもエアコンを弱目にしていると、ちょっと動くと汗をかきます。で、今、前に少し書いたバンド活動の方が忙しくなっていて、基本、昔作ったオリジナル曲中心なのですが、何しろ過去25年もライブをやっていなかったので大変です。私の担当楽器はバンドでは鍵盤でなくギターなのですが、昔の録音を聞きながら昔の自分の演奏を必死にコピーしているという情けない状況になっています(;′゚∀゚`) 過去、四半世紀もの間、時たま結婚式などの余興でギターを弾く機会もあったのですが、ほぼピアノを弾いてばかりでギターは殆ど触りもしない時が長過ぎました(;´・д・) 新曲も数曲あり、アレンジを詰めたりするのは苦しいながらも少し楽しんでもいます。て、私の場合、元々が女子にモテたくて始めたようなバンドだったのですが、その最初の気分がこの歳になっても抜けきれず、いいカッコしようなんて悪い欲が出てきてしまうので、ここは一つ音楽性で勝負って気持ちで無心に音楽したいところです(キリッ)。

で、忙しいのでサクっと完成させるつもりでポルシェの記事を書き始めたら、載せたいオマケが沢山あったりしてまたもやアップするのに半日かかってしまいました(;′゚∀゚`)




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★911に替わるポルシェのフラッグシップとなるべく1977年(昭和52年)にデビューしたフロントエンジンのポルシェ928は世界的に根強い911の人気を覆すことは出来ないまま1990年代に入っても生産が続けられていた。一方、911はデビューから四半世紀を経た1989年(平成元年)に至り、パーツの8割以上を新らしくする大幅なアップデートが図られた。女性の太腿とも例えられた左右フロントフェンダーの美しい峰とその先端に取り付けられたヘッドライトのデザインが醸し出す愛嬌のある表情を持った最初の911からのオリジナルデザインを残した最後の911であるタイプ964の誕生である。


★タイプ964の出力は250psと964と同じ1989年にデビューした国産のスカイラインGT-R(R32)やフェアレディZ(Z32)の280psに及ばなかったことから、数値上の性能を重視するユーザーからは敬遠される結果となり日本市場での人気は今ひとつ盛り上がりを欠く結果となった。
911の4WDモデルであるカレラ4はタイプ964で初めてラインナップに加えられたが、主に操縦性の悪さから人気を得るには至らなかった。しかし、RR空冷911の持つ官能的な魅力の解るポルシェフリークにとっては、例えGT-R等の日本車にスペックで負けても964は単なるスペックだけでは表せない魅力に溢れたクルマであった。


★タイプ964のモデルライフ末期の1993年(平成5年)にデビューしたのが、ポルシェ911スピードスター(964)である。356時代からの歴史を持つスピードスターは前代930型の末期1988年にも生産され、ポルシェとしては3回目のスピードスターの生産であった。低いフロントスクリーンと閉じた幌を覆うスタイリッシュなカバーといった356時代からのスピードスターの伝統的なスタイルが引き継がれていた。
964スピードスターの総生産台数は936台でその約11%に当る106台が当時のポルシェ輸入元ミツワ自動車により日本に正規輸入された。スピードスターはマニュアルおよびティプトロが選択出来たが、日本に入ったクルマはティプトロが74台、マニュアルが32台とATがMTの2倍以上であった。欧州ではマニュアル登録が多くむしろATは稀少だったと言われる。日本では自らシフトチェンジをしてガンガン走りを楽しむというよりも、ゆったりとスタイリッシュなオープンエアクルージングを楽しむといった趣向のオーナーが多かったようだ。
現行のタイプ991と比べて全長で30cm、全幅で20cmも小さいタイプ964のボディは圧倒的に路上での取り回しがし易いメリットがあり、日本への輸入台数が比較的多く現在でも中古市場に流通している964スピードスターは、その極めて魅力的なルックスと併せて空冷911の官能の魔力を知る向きには現代のホビーカーとしてベストチョイスともなり得るだろう。
この964スピードスターの後、993、996の2代ではスピードスターは生産されず、2010年、タイプ997で再びスピードスターは蘇った(本シリーズ第117回記事参照)。


【主要スペック】 1993年 ポルシェ911スピードスター(1993 Porsche911 speedster/typ964)
全長4250mm・全幅1652mm・全高1280mm・ホイールベース2272mm・車重1350kg・RR・空冷水平対向SOHC3600cc・最大出力250ps/6100rpm・最大トルク31.6kg-m/4800rpm・乗車定員2名・最高速度260km/h・0-100km/h: 5.7秒・国内販売価格1350万円



●1993年2月 ポルシェ911スピードスター 専用カタログ (縦21×横15.5cm・独語12頁)
ポルシェカタログNo.WVK127.910.93。この時代のポルシェ・カタログのスタンダードサイズだった判型。これはドイツ本国版だが最大の輸出国であったアメリカ向けの英語版も出ているはず。日本には100台以上も入ったにも係わらず日本語版カタログは見かけない。2010年に6台しか輸入されなかった997スピードスターでは立派な日本語版カタログが造られているのに不思議ではある。現在のポルシェでは限定車も含めて中国語版を含む各輸出国向けの異なる言語版カタログが発行されているものが多いようだ。現行のポルシェカタログの全ての言語版をコンプリートに集めるのは至難だろう。イメージカラーはカタログに掲載された情熱的なレッドだがイエロー・ホワイト・ブラック・グレイ・ピンク・パープル等の各色が顧客からポルシェエクスクルーシブ(ポルシェの市販/限定モデルのカスタマイズを専門とする部署)にオーダーされたようだ。
表紙


中頁から: 扉頁はシンプルに文字のみ

「Über sich den
Himmel,vor sich die
Straße,unter sich
den Speedster.
Was wollen Sie mehr?」

「上には空、前には道、スピードスター。これ以上、何を望む?」
(1)文字のみ

(2)フロントと文字

(3)幌とコブ

特徴的なシートのアップ(右側)。シートバックもボディ同色の赤。
(4)特徴的なシート

室内はダッシュボード、シフトノブ周辺、シートバック、ドア内側一部がボディ同色の赤。
(5)室内・赤ちりばめ

(8)リアサイド
(7)中ほど
(6)リア

スペック掲載頁
(9)スペック全体

スペック頁アップ
(10)スペック左側
(11)スペック右側





★オマケ(その1): ポルシェ911スピードスター(タイプ964)アニメーション
短いですが964スピードスターが主役のアニメーションです。




★オマケ(その2): ポルシェ911スピードスター(タイプ964)フルクリーニング動画
香港での964スピードスターのフル・クリーニング風景。いいクルマといい女は磨けば益々光る?なんていう言葉を連想させる動画?




★オマケ(その3): スパーク1/43スケール 1993年ポルシェ911スピードスター
Spark品番:S2042。レジン製。最近の製品。税抜6200円。品番S2043で白も出ている。
スパーク赤(1)
スパーク赤(2)
スパーク赤(3)



★オマケ(その4): スパーク1/43スケール 1994年ポルシェ911スピードスター
Spark品番:SP002。レジン製。最近の製品。税抜7300円。964スピードスターの最終生産車。
スパーク灰(1)
スパーク灰(2)
スパーク灰(3)



★オマケ(その5): 伊Fit 1/43スケール 1993年ポルシェ911スピードスター
Fit品番294。ホイールはポルシェ非純正。1990年代にポストホビーが少量を国内輸入したレジン製モデル。手造りに近い製品で塗装のレベルが高かったブランド。ポルシェのコンプリート改造メーカーRUFや世界に1台だけの特注仕様のポルシェが多くモデル化されていた。Fitは当時定価が1台税抜26000円と少量生産故に新品のミニカーとしては超高額でした。発売から約20年を経過した現在でも殆ど経年劣化は見られません。但し、最近の多くのミニカーファンはミニチャンプスやスパークといった所謂出来の良いスケールモデルにしか触手を伸ばさない傾向があるので現在のFitの市場価値は当時定価の10分の1を割っているようです。1990年代の赤箱トミカ通常品のポルシェ959が当時定価360円の20倍を超える8000円位で流通していても、このFitは当時定価の10分の1を割っても欲しい人はあまりいない状況のようです。中古市場の価値は需要と供給のバランスなので、欲しい人がいなければ価値は限りなくゼロに近づくのが道理です。実車のポルシェ928は新車価格は物凄く高かったにもかかわらずカリスマ的な911に比べるとさっぱり人気がなく現在では上手くすれば100万円以下でも買える状況とも似ています。でも、私にとってFitはお気に入りのミニカー達なので実は市場価値は大して問題ではないのです。
FIT空色(1)
FIT空色(2)
FIT空色(3)



★オマケ(その6): 伊Fit 1/43スケール 1993年ポルシェ911スピードスター
Fit品番242。ホイールは上掲のオマケ5と同じ非純正を履いているが、こちらはボディ同色のパープルカラーに塗られている。
FIT紫色(1)
FIT紫色(2)
FIT紫色(3)



★オマケ(その7): 伊Fit 1/43スケール 1993年ポルシェ911スピードスター
Fit品番328B。このイエローもホイールは純正とは異なる。
FIT黄色(1)
FIT黄色(2)
FIT黄色(3)



★オマケ(その8): 伊Fit 1/43スケール 1992年ポルシェ911カブリオレ・ターボルック
Fit品番131。これはスピードスターではない964のカブリオレ。フェンダーが大きくフレアしたターボボディをベースとした派手なカブリオレ。グリーンメタリックのボディ塗装があまりにも綺麗なのでついでに掲載。
FIT緑色(1)
FIT緑色(2)
FIT緑色(3)

●最後にオマケ5~8の色が綺麗な伊Fit Model cars の4台を並べたところ。
FIT4台の1
FIT4台の2