★1967年 3代目クラウン 白いクラウン ~ 自動車カタログ棚から 142 | ポルシェ356Aカレラ

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★1962年(昭和37年)9月から丸5年造られた2代目40系クラウンは、1967年(昭和42年)9月4日(発売は9月13日)に3代目50系クラウンにフルモデルチェンジした。
性格的にも価格面からしても個人オーナーより法人ユースが大半を占めてきたクラウンが、1960年代のモータリゼーションの飛躍的な進展により初めて個人所有の高級車にイメージチェンジを図ったのがこの3代目。前年にはカローラ、サニーが発売され乗用車市場は既に個人所有がメインの時代に入っていた。有名な「白いクラウン」のコピーにより自家用イメージを確立する大キャンペーンが展開された。白がイメージするものは、高級、洗練、清潔、憧れなどであり、歴史的には1950年代に英国のジャガーが「白いセダン」のキャンペーンで成功したことをトヨタが模倣したものと言えたが、トヨタの広告企画が高度に組織化されてきたことをも示していた。テレビCMその他の広告媒体では、山村 聰氏(1910年2月24日‐2000年5月26日)がイメージキャラクターとなり、「ハイライフセダン」のコピーも使用された。

★3代目クラウンのエクステリア・デザインは2代目のイメージを僅かに残しつつ、アメ車や欧州車の模倣ではない「日本オリジナルデザイン」として発表された。
フロントグリルはどことなく寺社仏閣を連想させるものがあり、ボディサイドに流れる微妙にうねったキャラクターラインにも独特な和風の個性が感じられた。
機構的には居住性を良くしフロアを低くするためペリメーターフレームを初めて採用し、エンジンは2000ccOHC直列6気筒が殆どのグレードに搭載された。東名高速の開通を控え、高速安定性は飛躍的に向上した。1968年のアメリカ基準にほぼ近い安全装備が標準化されたことも3代目クラウンの特徴だった。トヨタの開発責任者は内山田亀男 主査。
この3代目クラウンがデビューした1967年(昭和42年)の9月というと、私は小2の2学期が始まり先天性心臓病の手術のため東大病院に入院した頃だった。ビートルズがサージェント・ペパーを出した頃だ。3代目クラウンはそんな頃にデビューした既に46年前のクルマなのに2代目クラウンのような懐かしさをあまり感じない。デザイン的なインパクトという点では2代目に比べると3代目は印象が薄かったということかもしれない。


●1967年3代目クラウンのグレード構成と価格
3代目クラウン初期の最高価格車はスーパーデラックスではなく、個人オーナー用125馬力エンジン搭載のスポーツグレード「S」。
(1) スーパーデラックス・・・112万円
(2) デラックス・・・100万円
(3) クラウンS・・・112万9000円
(4) オーナーデラックス・・・88万円
(5) オーナースペシャル4気筒・・・77万4000円
(6) スタンダード・・・79万円
(7) スタンダード4気筒車・・・75万円
(8) カスタム(ワゴン)・・・103万円

【主要スペック】1967年トヨペット クラウン スーパーデラックス(MS50-F型)
全長4665㎜・全幅1690㎜・全高1445㎜・ホイールベース2690㎜・車重1310kg・M-D型直列6気筒OHC1988cc・最高出力110ps/5600rpm・最大トルク16.0kgm/3600rpm・変速機3速コラムMT・前輪ディスクブレーキ・乗車定員6名・
最高速度160km/h・販売価格112万円



●1967年9月発行 トヨペット系列 総合カタログ (縦19.5×横24.5cm・9折18面)
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合表紙
※中頁よりクラウンの各グレード
1959PORSCHE356Aのブログ-総合1スーパーDX
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合2デラックス
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合3オーナーデラックス
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合4オーナースペシャル
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合5スタンダード
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合6クラウンSタイプ
$1959PORSCHE356Aのブログ-総合7カスタム


●1967年9月発行 トヨペット クラウン 本カタログ(縦34×横25cm・36頁)
$1959PORSCHE356Aのブログ-本表紙
$1959PORSCHE356Aのブログ-本1中
※中頁から
$1959PORSCHE356Aのブログ-本2中
$1959PORSCHE356Aのブログ-本3中
$1959PORSCHE356Aのブログ-本4中
$1959PORSCHE356Aのブログ-本5中メーター周り
$1959PORSCHE356Aのブログ-本6中デラックス・テニス
$1959PORSCHE356Aのブログ-本7中オーナーDX
$1959PORSCHE356Aのブログ-本8中Sタイプ
$1959PORSCHE356Aのブログ-本9中カスタム
ボディカラーは11色
$1959PORSCHE356Aのブログ-本10中ボディカラー11色
ペリメーターフレームとエンジン・バリエーション
$1959PORSCHE356Aのブログ-本11中ペリメーターフレーム・エンジン
※スペック掲載頁
$1959PORSCHE356Aのブログ-本12中スペック

●1968年1月発行 1968年1月発行 トヨタ クラウン アメリカ輸出向け本カタログ(A4判・英文10頁)
左ハンドル版カタログ
$1959PORSCHE356Aのブログ-輸出表紙
輸出仕様は何故かスタイリッシュに見える
$1959PORSCHE356Aのブログ-輸出1中スタイリッシュ赤
$1959PORSCHE356Aのブログ-輸出2中ペリメーターフレーム



★オマケ(その1): 1967年9月 トヨペット クラウン テレビCM



★オマケ(その2): ダイヤペット 170番 1/40スケール 1967年クラウン スーパーデラックス
当時定価580円。ダイキャスト製。米澤玩具発売。ボンネット・前ドア・トランク開閉アクション付。3代目クラウンの当時物ミニカーでは最も良い出来。ボディカラーは他にマジックモーター仕様専用の赤が出ていた。初期の被せ箱の箱絵は何故かスタンダードグレード。後期の箱絵はミニカー本体はマイナーチェンジされていないのに69年マイナー後の写真が使用されている。
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★オマケ(その3): モデルペット 38番 1/42スケール 1967年クラウン スーパーデラックス
当時定価600円。ダイキャスト製。アサヒ玩具発売。モデルペット初期のキレが完全に失われプラ製グリルなど出来は良くないが何故か妙に味わいがある。
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★オマケ(その4): トミカ 3‐1番 1/65スケール 1967年クラウン スーパーデラックス
当時定価180円。画像は残念ながら全て復刻品(オリジナルは倉庫にあって写真が撮れませんでした)。トミカ発売30周年のクリームボディ赤シートは中国製でオリジナルと同じくグリルがキャスト。40周年の2010年のクリームと2012年発売の白はベトナム製でグリルがプラメッキ。
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★オマケ(その5): バンダイ 1/16スケール 1967年クラウン スーパーデラックス
当時定価:調査中。全長29cm。プラスチック製(シャシーはブリキ)。ブリキからプラ系素材への移行期の製品で出来は良い。
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★オマケ(その6): 米澤玩具553番 1/12スケール 1967年クラウン スーパーデラックス
当時定価950円。全長40㎝。ABS樹脂製(シャシーはブリキ)。これもブリキからプラ系素材への移行期の製品で出来は良い。米澤では1/20スケールサイズでもプラ系素材のモデルを発売し、オマケ(1)のダイヤペットと併せて計3種類もリリースした。3代目クラウンは他に一宏工業(イチコー)、野村トーイ等からも発売されている。
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※今回は3代目クラウン初期型のみの紹介とし、後期型および1968年デビューのハードトップについては別項でご紹介します。