★1956年ニッサンジュニア日産初の中型ボンネットトラック　～自動車カタログ棚から 065

★1956年(昭和31年)8月、日産自動車は戦前から製造されてきた小型のダットサントラックと大型車のニッサントラック(180系～580系)の間を埋める中型トラックとして「ニッサンジュニア」を発売した。
初めのジュニアは、ノックダウン車ニッサンオースチンA50ケンブリッジのIH型1500ccエンジンを搭載し、1.75トン積として発売された。板ガラスが主流だった当時、フロントウインドがセンターで分割されずに左右まで回り込んだ1枚の曲面ガラスであったことがデザイン上のトピックであった。
同時期には既にトヨペットRK型・オオタKD型・プリンスAFTF型など各社が中型のボンネットトラックを製造していたが、日産は後発ながら信頼性の高いオースチンのエンジンや販売力の強さで中型トラック市場でのシェアを伸ばした。

★初代ニッサンジュニア は1962年(昭和37年)1月にフルモデルチェンジし車高の低い横目4灯の2代目となり、更に1970年(昭和45年)10月にはプリンスマイラーと統合の上でフルモデルチェンジして印象的な縦目4灯の3代目となり1982年(昭和57年)まで製造された。
私自身は世代的に初代ジュニアを街で見かけた記憶はあまりなく、鮮やかに記憶に残っているのは2代目以降なのだが、1950年代特有の丸味を帯びた初代ジュニアは2代目以降のジュニアよりも魅力的に思える。
しかし、縦目の3代目ジュニアでさえ製造中止から現在既に30年の歳月を経ており、「ニッサンジュニア」という車名も人々の記憶から薄れやがては消えてゆく運命なのかもしれない。

【初代ジュニアの変遷】
●1956年(昭和31年)8月：　初代ジュニア(B40型)1.75トン積発売
●1958年(昭和33年)3月：　ジュニアのシャーシを利用したキャブオーバートラック「ニッサン・ジュニアキャブオール(C40型)」発売
●1958年(昭和33年)8月：　エンジン改良(57pにパワーアップ)したB42型にマイナーチェンジ1.25トン積のNB42型追加
●1959年(昭和34年)12月：　B43型にマイナーチェンジ
●1960年(昭和35年)8月：　初代縦目のセドリックと同じG型1500ccエンジンに換装したB140型にマイナーチェンジ(1.25トン積はNB140型)

【主要スペック】 1956年ニッサンジュニア（B40型）
全長4290㎜・全幅1675㎜・全高1820㎜・ホイールベース2500㎜・車重1475kg・IH型水冷4気筒OHV1500cc・最高出力50ps/4400rpm・最大トルク10.2kgm/2100rpm・最大積載量1750kg・乗車定員3名・最高速90km/h

●1956年8月発行ニッサンジュニア本カタログ　(A4判・20頁)
最初のジュニアB40型の本カタログは全20頁と日産の気合いが感じられる立派なもの。