私は子どものころから時代劇が好きで、今でもトレンディドラマよりも時代劇を見ている時間の方が長い。
大川橋蔵は私の初恋の相手だったし、今一番繰り返し見ているのは「剣客商売」と、「御家人漸九朗」である。何度見ても、飽きない。池波正太郎や柴田錬三郎も好きだけれど、藤沢周平の「橋」シリーズも大好き。
鬼平ももちろん人気の高いシリーズだが、長谷川平蔵が権力者の立場だという点と、これまで主演の役者さんにあまりピンと来なくてそれほど繰り返し見ていなかったのだ。5月10日に全国のシネマで劇場公開されるのが、新たに作られた鬼平犯科帳・血闘。
平蔵を、親子で行うというところも見どころ。 成長後の平蔵を松本幸四郎、若いころの平蔵をその息子である市川染五郎が演じる。
しばらく前に、鬼平犯科帳、本所・桜屋敷テレビスペシャルを放映した。それは見ることができた。
これは、5月12日、26日にも再放送されるが、若い染五郎のテレビでの時代劇演技ということでも一見の価値あり。
歌舞伎俳優さんは、オーディションで選ばれるのでも、その辺でスカウトされるのでもないので、演技がうまくても顔立ちが秀麗という人が案外少ない。そんな中、市川染五郎は子どものころから大変に端正な顔立ちをしている。これに演技力が付けば鬼に金棒だが、皆さんはどう思われるだろうか。歌舞伎のような型のない、テレビや映画の演技は案外難しいから演技力のある無しが割とはっきり出てしまうものではないだろうか。
一方、時代劇は案外難しくて、トレンディドラマなどで売れている役者が時代劇を演じると、どうもいけないというものも多い。 しっくりこないんですね。 そういう意味で、やはり歌舞伎役者は着物に慣れているというかかつらが似合うというか、すんなり役になじむ感じがあります。
夫は日本のドラマを見ていると、演技が大げさで、男性俳優は常に怒鳴っていると言いますが、確かに大河ドラマなどを見ると、サムライ風の男たちがお互いに大声で怒鳴りあうシーンは多い。 女性がかしずいていたり、女性にひどいことをするシーンが多いのも、夫は嫌なんだそうです。
なので、私もそういうシーンの少ないユーモアたっぷりの「剣客」や「漸九朗」が好きなのかもしれません。
日本の俳優さんたちの演技が大げさなのは、やはり歌舞伎などの影響でしょうか。
下は桜屋敷のメイキング。
下は、「血闘」のトレイラー。
そしてメイキング。
松本幸四郎による鬼平犯科帳を、これから全部で14作作っていくようで、すべて劇場版にするのか、あるいはテレビでも放映してくれるか、時代劇好きの私としては、こういう長時間の時代劇を新たに作ってくれているのが本当に嬉しい。そしてテレビで放映してくれれば、より多くの人が新しい時代劇に親しむことができるのでなお嬉しい。
松本幸四郎主演!新たな「鬼平犯科帳」SEASON1の全貌発表! レギュラー出演者初お披露目! | 日本映画放送のプレスリリース | 共同通信PRワイヤー (kyodonewsprwire.jp)
私にとって時代劇は、最後は勧善懲悪のハッピーエンドが決まっているので、ストレスを感じずに楽しめるエンターテイメントとして、見た後楽しく、何事も考えずにすっぱり忘れられるという気楽さがあるからかもしれません。
疲れている時は、時代劇をバックグラウンドミュージックのように流しながら、お茶漬けなどを漬物で食べて、さっさと寝たい、という感じです。
なので、多少時代考証が間違っていても、役者の演技が大根でも、大げさでも、べつにいいかな、という感じで見ています。
しかしその中でも、繰り返し見たい時代劇シリーズは、やはり名作かな、と思います。「剣客」「漸九朗」のほかに、DVDまで買ったのは、「御宿かわせみ」で、これはもう原作からファンでしたし、テレビ版では真野響子の色っぽい「るい」役が良かったですよ。東吾がいなくなってしまうという結末はとっても悲しかったですがね…。
ところで、福島県の飯坂温泉に、「御宿かわせみ」という素敵な旅館があるんですね。お料理が素晴らしく、一度行ってみたいです。