コンセプトは希望 | ロンドンつれづれ

ロンドンつれづれ

気が向いた時に、面白いことがあったらつづっていく、なまけものブログです。
イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

 

ノッテステラータが3月8日にあって、その時のインタビューを今読んだ。

 

その中で、「コンセプトは希望です」と彼は話していた。

 

私はフィギュアスケートを見る時に、心では演技自体、作品自体から直接受けるメッセージや情緒を受け取っている。 が、目(頭)では演者の技術の部分を見ている自分に気が付いているのだ。

 

なので、ブログでスケーターたちの演技について感想を書くときは、目に残っている技術の部分について書きがちである。ましてや、ジャッジのスコアに疑問を持っているので、つい目は技術を追ってしまうのだ。

 

しかし、印象に残る演技というのは、たとえ技術が少し劣っていても、スケーターさんたちの「伝えたい」気迫だとか、スケーター個人の個性が盛り込まれた作品が記憶に残るのだ。そして、私の好きなタイプのスケーターさんは、「印象に残る演技」をしてくれる人たちなのである。

 

どのスケーターさんの演技が印象に残るかは、見ている人の個性や好みも大きいと思うが、それでも世界的に人気を誇るスケーターさんは、やはりユニバーサルに好まれるポイントを持っているのだと思う。それだけ多くの人の心の琴線に触れるなにかがある、ということだろう。

 

そして、それはジャンプ技術などよりも、作品全体から受け取るメッセージやこちらの心をつかんで離さない、スケーターさん自身の個性がしっかりと表現できている作品なんだろうと思う。つまり、芸術としてのフィギュアスケートを届けることのできる人の演技なんだろうと思う。

 

もちろん芸術にも好き好きがあるように、見る人は自分の感性や好みで、自分の好きなタイプの演技をするスケーターさんのファンになるのだろうと思う。

 

そういう意味で、世界中に多くのファンを抱える羽生さんのスケートは、やはりユニバーサルに人の心に届く演技なのだろう。それが競技プロであろうと、アイスショーのプログラムであろうと、振り付け師にもらったコレオグラフィーに命を吹き込むのは、スケーター自身である…。

 

 

下は毎日新聞の記事から抜粋した羽生さんの言葉。

 

太字部分は、私が「ふむふむ」、「ほほう」、と思った部分です。

 

「コンセプトは希望」


みんなで本当に力を合わせて良いショーができたんじゃないかなという実感があります。

(間もなく東日本大震災から13年となる)やっぱりあの日のことを思い返したり、またあの日が近づくにつれて……(沈黙)。映像だったりとか、また、文字だったりとか、写真だったりとか。いろんなものに触れる機会が増えてきて。そういう中で、忘れてはいけないっていう気持ちもすごくあります。

けれども、同時に、つらい思いをされてる方もいらっしゃるんだろうなという思いでいます。ただ……(沈黙)。あの日を境につらい思いをされた方、つらい経験の中から生き抜いている方、そして、あの日から生まれて今日まで生き抜いている方、本当にさまざまな方がいらっしゃると思います。どんな方にとっても、もちろん「3・11」というものに、直接被害に遭われなかったとしても、応援し続けてくれてる人たちにも希望や祈りが届くように。僕たちはこのショーを通して、滑っていけたらいいのかなということを考えています。

(スペシャルゲストの大地真央さんとのコラボレーションは)僕はいっぱいいっぱいでやっていますし。大地さんとも何回も何回もリハーサルを重ねて本当に細部まで大地さんもこだわってくださって出来上がった演目なので。自信を持って、胸を張って皆さんにお見せできるコラボレーションになったなと思っています。

(「カルミナ・ブラーナ」のストーリー性は)今回に関しては、まず自分が出てきたところは、まだ世界をちゃんと知らないすごくむくな少年でいて。その中で幸せを感じながら生きて、なんか冒険をしていたり、草花に触れてみたり……そんなすごくむくな少年。その少年が成長していくことによって、運命の女神が現れて運命にとらわれていく。自分が自由に、むくに動くだけじゃなくて、運命の歯車に左右されていく。自由には動けなくなっていく。で、最終的にはその運命も全て受け入れて、自分がこの運命そのものと対峙(たいじ)しながら、でも、自分の意思で進んでいくんだっていうストーリーがあります。

僕はこのストーリーの中に、何かその津波だったり、震災であったり、今、能登半島(地震)のこともありますが、天災だったり。そういう人間の力ではどうしようもない災害だったり、苦しみを……(沈黙)。なんかそういう苦しみを感じたとしても、そこにあらがいながらもそれを受け入れて進んでいくんだっていう、強いメッセージみたいなものを込めたいなと思いながら全て滑ってはいます。

(カルミナ・ブラーナの)前半の部分、大地さんが出る前までの部分はシェイリン・ボーンさんに振り付けをしていただいて。大地さんが出てきた後は大地さんの振り付けをしている、いわゆる舞台の振り付けをされている方にお願いしました。

そういう背景もあって、前半の部分の、いわゆるフィギュアスケートの振り付けというものを受けながら滑っている自分と、その、舞台のいわゆる陸上での振り付けというものを滑っている自分、その(間に)ギャップが生まれないように、前半と後半のギャップがあまりないようにすることは意識して自分の中では滑り込んできたつもりです。

どうしても、その陸上の振り付けになってきてしまうと、いわゆる上下というか、前後の動きですか。奥行きがなくなってきたり。また動き自体が小さくなりがちだったので。なんかそういったことを、何か改めてフィギュアスケートってもっとこういうふうに表現しなきゃいけないんだなとか。陸上の振り付けだからこそ逆に、フィギュアスケートに落とした(落とし込んだ)時に、もっとこういうふうに表現すれば陸上(の動き)っぽくもなれるし、逆にフィギュアの良さも出るし、ということをいろいろ頭の中で計算しながら作っていったつもりです。

(地元・宮城の後輩スケーターたちへは)とりあえず自分が滑れるうちは、自分が納得できるクオリティーのスケートをできるうちは、もう正直、自分に集中してるだけで精いっぱいな感じ。今までのスタイルと変わらないかもしれないんですけど。

僕なんかを見て憧れてくれたり、僕自身が、仙台からオリンピックに出た偉大な先輩たちがいてそういう先輩たちに憧れたように。仙台から五輪を目指して、優勝を目指して頑張ってくれる子が少しでも増えてくれたらいいなって思いながら、かっこいい姿をとりあえず見せたいなと思っています。

なんか今セカンドキャリアなのかもしれないんですけど、僕にとっては全然、まだファーストキャリアみたいなイメージがあって。実際に競技をしていた時よりもしんどいなって思いながらやってるので(笑い)。だから、まあファーストキャリアなのかなって僕自身は思ってるんですけど。

セカンドキャリアどうするんだろう、と考えた時に毎日毎日変わっていくので。とりあえず今は、今のことに集中して、でも少しでも自分を見た時に、やっぱフィギュアスケートかっこいいなって。男性だけど美しいなって。こんな奇麗なスケートがしたい、こんなスケートがしたい、って思ってもらえるような姿を見せ続けることが僕の使命かなと、とりあえずは思っています。
 


(新プログラム「ダニー・ボーイ」の)コンセプトは「希望」です。で、この希望の中には、例えば過去があって未来がある。で、その過去に対しての希望であったり、いわゆる過去の希望は……そうですね(少し考えて)、過去にうれしかったことだったりとか、戻りたい過去だったりとか。その震災前だったりとか。そういったものに対して、希望に手を伸ばすところだったり。また逆に、その未来に対して手を伸ばして、未来の希望に向かって祈りをささげるみたいなシーンもあったり。

そういった、そのリンクの中を、どっちサイドって言えばいいんですかね? 真ん中を起点にして、真ん中が現在で、ステージから見て左側、最初に見てるシーンが過去。で、反対側が未来っていうようなイメージで、デービッド・ウィルソンさんに振り付けをしていただきました。

(昨年の公演初日と比べて)どうしても前回は初めて、「3・11」という日に皆さんの前で演技をさせていただくという経験をして、正直、僕自身もつらい気持ちのまま。やっぱり映像を見たり記憶を思い返したりするとつらくなってしまうことはある。で、それにとらわれながら滑っていたのが前回。その中で皆さんから希望とか、勇気とか元気とか、いろんなものをいただけたショーでした。

そういう意味で、今回は僕があの時もらったものをもっともっと返したいなって。もっと希望を届けたいなって思って新しいプログラム「ダニー・ボーイ」もそうですし、「カルミナ」に関しても確かに強さがある曲調ではあるんですけど。でもその中で立ち向かうものを感じていただけたらなって思って滑っているので。そういった意味では去年とは本当に心意気が全く違った、コンセプト自体が全く変わったショーになったのかな、という気持ちではいます。
 
 

。。。。。。。。。。。。。

 

地域に根付いて活動を続けているピノッキオさんに、今年もスケートのチャリティ・チャレンジを行ってクラウドファンディングで寄付を募っております。今年のチャレンジは、「ループジャンプ」と、「シットスピン」。 まだ全くできません! あと1か月でできるようになるのか…。 心もとないです。

 

プログラムは「カリブの海賊」です。 音楽と衣装は昔のものを使うけれど、振り付けはまったく新しいものでチャレンジします。

 

 

ピノッキオの主催をしているのは、元早稲田大学の川名はつ子教授、里親さんを支援する会を長年サポートしてきた方です。 

 

クラウドファンディングは、以下、キャンプファイヤーというNPOなどの支援をしているプラットフォームからすることができます。

 

以下のサイトに飛んで、ご支援ください!

 

なお、今回のクラファンの寄付には17%ほどの手数料がかかるようです。例えば、3000円の寄付を選んだ場合、500円ほどが手数料として加算されるようです。そのつもりで金額を選んでください。

 

その分、ピノッキオの方で手数料として寄付から引かれることがないのでピノッキオは助かるのですが、皆さんのご負担が17%増えてしまうようです。よろしくお願いいたします。

 

笑顔はじけるみんなの居場所に!『子ども食堂』拡張工事にご支援をお願いいたします。 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

 

 

海外からの寄付も受け付けられるはずですので、日本以外にお住まいの方も、奮ってご支援ください!

 

また、クラファンはどうも、という方は、ピノッキオの郵便貯金の口座に直接お振込みください。前回も、郵貯の方に寄付をくださった方が、かなりの数いらっしゃいました。

 

以下のサイトに、振込先が載っています。

 

一般社団法人ピノッキオとは (studio.site)