ロシア、モラル無し | ロンドンつれづれ

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このところ、ロシアのニュースを見ていると、本当にあの国にはモラルがないんだな、と思わざるを得ないものが多い。

 

他国への侵略戦争はもとより、子どもの誘拐、大統領選挙での不正、オリンピックでのドーピング、その裁判での偽証、重鎮と言われる人が裁定を受け入れず暴言、そしてスケーターからは無理のある擁護発言。

 

 

国連、ロシアにウクライナからの子ども強制移送止めるように要求

 

国連子どもの権利委員会は8日、ロシアに対し、占領したウクライナの地域からの子どもたちの強制移送をやめ、家族の元に戻すように要求した。強制移送は国際法に違反していると訴えた。

 

ウクライナ政府によると、2万人の子どもが家族や保護者の同意なしにウクライナからロシアへ連れ去られた。国際刑事裁判所(ICC)は昨年3月、ウクライナからの子どもの不法な移送の疑いでロシアのプーチン大統領と同国子どもの権利担当大統領全権代表のマリヤ・リボワベロワ氏に対する逮捕状を出した。

 

これに対しロシアは、紛争地域から弱い立場の子どもたちを保護しているだけだと主張している。 

 

子どもの権利委はロシアに関する報告書の中で、子どもたちの身元特定して戻れるようにするため、ロシア政府がウクライナから連れ去られた正確な人数と所在に関する情報を提供すべきだと指摘。ウクライナ国籍を奪われた子どもがいないことをロシアが保証し、子どもの身元や名前、家族関係を維持すべきだと言及している。

 

国連、ロシアにウクライナからの子ども強制移送をやめるよう要求 (msn.com)

 

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ロシア大統領選 選管が反戦派候補の登録拒否 署名不備を理由に

 

ロシア中央選挙管理委員会は8日、3月のロシア大統領選で立候補を目指していたリベラル系候補のボリス・ナデジディン元下院議員について、候補登録に必要な署名に規定を超える不備があったとして、候補登録を拒否した。タス通信が伝えた。ナデジディン氏は決定を不服として最高裁に訴えるとしている。

 ナデジディン氏を巡っては、候補登録に必要な10万人分を超える、10万5000人分の署名を選管に提出していた。しかし、選管の作業部会は、署名の15%以上に不備があると指摘。許容できる不備は5%以下とされ、選管に対してナデジディン氏を失格にするよう勧告していた。登録の可否は選管が7日に最終判断する予定だったが、ナデジディン氏の陣営は6日、3日間の延長を要請。選管は1日の延長を認めていた

 

ロシア大統領選 選管が反戦派候補の登録拒否 署名不備を理由に (msn.com)

 

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フィギュア ワリエワ側“ドーピング デザートに薬が混入”主張

おととしの北京オリンピックで発覚した過去の大会でのドーピング違反で4年間の資格停止処分などを受けた、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ選手について、CAS=スポーツ仲裁裁判所は、ワリエワ選手側が、心臓病の祖父がイチゴのデザートを用意した際に服用していた薬が誤って混入したと主張したことを明らかにした。

ワリエワ選手はおととし冬の北京オリンピックにロシアオリンピック委員会のメンバーとして出場したが、その期間中に、2021年12月に行われたロシア選手権のドーピング検査で禁止薬物「トリメタジジン」の陽性反応が出ていたことが発覚。

このドーピング違反について、CASは先月、ワリエワ選手に2021年12月からの4年間の資格停止処分とその間のすべての成績を取り消す裁定を下し、7日、その理由の詳細を公表。

それによるとワリエワ選手側は心臓病を患う祖父がイチゴのデザートを用意した際に誤って薬の錠剤を落としたか、錠剤を粉砕するために使用していたまな板で調理されたため、その残留物がデザートを通してワリエワ選手の体内に入ったと主張。

CASはこの説明について、「具体的な証拠によって裏付けられておらず、ワリエワ選手が意図的にドーピング違反を行ったわけではないということを立証できなかった」とした。

 

フィギュア ワリエワ側“ドーピング違反 デザートに薬が誤って混入したため”主張 | NHK | フィギュアスケート

 

 

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ロシアのワリエワ、ドーピング裁判は“絶望”の判決 金メダル剥奪と4年間資格停止 露コーチ「ろくでなしめ!」

 

スポーツ仲裁裁判所(CAS)は29日、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)について、2021年12月25日から4年間の資格停止処分を認める裁定を下した。 また、ワリエワがドーピングテスト後である2022年2月、北京五輪団体戦でロシアオリンピック委員会(ROC)が獲得した金メダルも剥奪することを決定した。

 

当時15歳だったワリエワはROCのメンバーとして北京五輪へ出場。ショートプログラムでは90.18点で1位、フリーでも178.92点で1位となり、ROC団体の金メダルに貢献した。しかし、直後にドーピング疑惑が浮上し、団体戦のメダル授与式は延期。続く女子シングルは16歳未満の保護対象者として出場が認めれたが、フリーでミスを連発、4位に終わり涙を流した。

 

その後、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は違反を認めるも過失なしとし、2021年ロシア選手権の結果のみを失格としたが、WADAと国際スケート連盟(ISU)がこれを不服としてCASに対し提訴していた。

 

この裁定を受け、ロシアスケート界の重鎮タチアナ・タラソワ氏は露の各メディアに対し、「CASの決定に正義はない。我が国への憎しみがこの少女にうつった」「この、ろくでなしめ!」などと過激なワードを添え猛反論。また、『タス通信』によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は「政治的な決定だ。同意できない」とし、異議を申し立てる意向を示していると報道した。

 

ロシアのワリエワ、ドーピング裁判は“絶望”の判決 金メダル剥奪と4年間資格停止 露コーチ「ろくでなしめ!」 | SPREAD (nordot.app)

 

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メドベージェワがワリエワを擁護「4回転ジャンプに役立つ薬なんてあるの?」

 

2022年北京五輪の期間中にドーピング疑惑が発覚したフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)に4年間の資格停止処分が下ったことを受け、同国の先輩にあたる平昌五輪フィギュアスケート女子銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワが擁護した。

自身のSNSで「この騒動が起こった時、私は中国でカミラの隣にいた。内面も外面もすべての感情を目にした。彼女が何が起きているのか理解できず、どれほど心配し、同時に憤慨していたかを覚えている。これは、意図的にドーピングをしたアスリートの振る舞いではありません」とワリエワの無実を主張。

さらに「五輪が終わってからすでに2年も経ってから、どうして最後に決断を下すことができたのか! そこには官僚主義がたくさんある。そして、なぜスケーターにドーピングが必要なのだろうか? 陸上競技、スキー、バイアスロン、長距離選手なら分かるが、フィギュアスケート選手はどうか? 4回転トーループでジャンプするのに役立つ薬なんてあるの? レシピを教えてもらえませんか?」とフィギュアスケート選手にとってドーピングは無意味であるため、そんなことをするわけがないと持論を展開した。

「ワリエワはトリメタジジンについて何も知らなかったと自信を持って言える。そして、何のミスもしていない選手が意図的にメダルを剥奪されるのは非常に残念だ。他国の選手が同様の状況で無罪となった例は何十も挙げることができるが、それはしません。会ったときにカミラをしっかりと抱きしめる力を蓄えておこうと思う」と同様のケースでは通常失格になることはないと強調。ウクライナ侵攻によって国際大会から除外されて批判を集めるロシア人選手だったために不当な失格処分を受けたとの見解を示した。

 

【フィギュア】メドベージェワがワリエワを擁護「4回転ジャンプに役立つ薬なんてあるの?」 | 東スポWEB (nordot.app)

 

 

 

ウクライナへの突然の侵攻はそもそも「ジャスト・ウオー(正義のある戦争)」とは言えないものであり、その後の市民の殺戮や未成年者の誘拐は国際法違反。 国内では反戦の動きが出てきているのに、市民の声を押しつぶすような警察の取り締まりや、反戦を訴えるプーチンの反対候補に対しては、立候補するチャンスすら奪うという暴挙。まったくの独裁政治だ。

 

 

スポーツ界に目を移せば、ロシアではアスリートは国からお金をもらって活動をするためにフィギュアスケーターも、プルシェンコなどを筆頭にほとんどがプーチンを賛美している。 そして、アスリートがオリンピックや世界選手権で勝利を収めることは、国の威信を高めるために政治家に利用される。

 

 

北京のオリンピックの最中に、ウクライナ侵攻を始めたロシアである。オリンピック精神を忘れたのか。 IOCはそもそもその段階でロシア人アスリートのオリンピック参加をすべて禁止し、どんな結果も無効にしてメダルをはく奪するべきだった。 

 

 

さらに言えば、彼らは過去のオリンピックに置いての国ぐるみのドーピングの罰として、北京オリンピックでは国としての参加を認められていなかった、という前提がある。

 

その中で明らかになったワリエワのドーピングを、ロシア国内の「反ドーピング協会:RUSADA」が、おとがめなしと勝手に決めることがそもそもおかしい。RUSADA自体、腐敗した組織だという内部告発の映画までができているぐらいだ。

 

たしか、ワリエワは最初、「おじいちゃんが使ったグラスでジュースを飲んだ」とか言っていなかったか? それがいつの間にかイチゴを切ったまな板で…と変わってきていたということなのか。 そもそも、ワリエワの祖父という人物が実在しているのかどうかも怪しい、という噂すら流れている。

 

タラソワ氏の暴言は今に始まったことではないが、CASの裁定を厳粛に受け止めて自国の若手アスリートにドーピングに対する警告をするどころか、悪態をついてファイナルな決定をIOC側の政治的判断とは。そもそも今ロシアのアスリートが国際試合からボイコットされていることこそ、自国の政治家のせいではないか。

 

 

そしてメドベデワに至っては、ドーピングの意味を何も分かっていない。 ドーピングの大きな理由は、薬物を使って毎日の練習において疲れを感じなくすることで、人の1.5倍の練習を行っても耐えることができるなどの効果があるからだ。 ドーピングをしない選手より多くの時間を練習に充てることができれば、当然のことながら、短期間で高難度の技を習得することができる。

 

ロシアで若い選手が難しい技を早くから身に着けることができるのは、(薬のせいで)長時間の練習に耐えられるからに他ならない。もっとも、その代わりに早くに疲労骨折などで体を壊し、17歳で引退するような選手をたくさん輩出していることは確かだ。

 

薬を飲んだその日に急にジャンプが上手になる、そういう薬を指しているのではないことぐらいメドベデワは知っているはずだが、知らないふりをしているんだろうか?

 

確かに、当時14,15歳のワリエワなど若い選手が、コーチなど大人から「これを飲んでおきなさい」といって、ビタミン剤などと一緒に禁止薬物を飲まされていれば、自分がドーピングをしているという自覚はないかもしれない。 そうであればなおさらのこと、WADAもCASも、周りの大人を責任をもっと問うべきではないのか。

 

しかし、タラソワ氏の反応などを見ていれば、ロシアの指導者層が今後ドーピングという手段を手放す可能性も、アスリートにフェアネスを教える可能性も、限りなく低いだろうと思わざるを得ない。

 

メドベデワももう24才なら自国のスポーツ界の運営のされ方をよくわかっているだろうに、こんな形でワリエワをかばうことしかできないのなら、世界中のファンがさぞがっかりし彼女から離れていくことだろう。

 

が、ロシアのような国では、自国の政治家や自国内のスケート界の重鎮たちからにらまれることは大変に損になるだろうから、世界中のスケートファン、彼女のファンがどう思おうと、それはあまり気にもしていないということなのかもしれない。

 

 

どちらにしても、本当にモラルの低い国、アスリートたちだ、と言わざるを得ない…。