”RE PRAYに込められたメッセージ” | ロンドンつれづれ

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つい先日…。

 

あるテレビドラマの原作を描いていた漫画家の方が命を落とされたという。

 

ニュースなどを読むと、どうやらご自分の原作とドラマで描かれたものの乖離に悩んでおられたようで、最後の2話は脚本も自分で書いた、という説明をSNSでなさっていたようだ。

 

それを読んだ一般の人たちが、おそらく漫画のファンの人たちだろうか、ドラマの方の脚本家やテレビ局のSNSなどに大勢誹謗中傷のコメントを入れたというのである。そして、それは今でも続いているようだ。

 

「セクシー田中さん」公式に多数の不適切コメント またも感情的非難、誹謗中傷、事実誤認&いいね「学習しない」と呆れる声も (msn.com)

 

 

「もう世に出てくるな」芦原妃名子さん死去で関係者に中傷続出 投稿消しても法的責任は消えず - 弁護士ドットコム (bengo4.com)

 

 

漫画家の方の最後の投稿は、「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」というものだったという。

 

確かに彼女のインスタグラムでの説明は、特に攻撃的ではない。不本意ないきさつがあった、という説明はされているが、テレビ局やドラマの脚本家を攻撃しているわけではない。

 

が、おそらく、これを読んだ「ファン」という人たちが過剰反応したのだろう。そして、彼・彼女らは、攻撃的になったのではないだろうか。

 

 

しばらく前に、「推しの子」というアニメの内容を、木村花さんのお母さんが少し批判した。そうしたら、そのアニメのファンだという連中が、木村さんのSNSへ押しかけ、またそのニュースのコメント欄に押しかけて、実に思いやりのない口汚い言葉でののしっていた。木村花さんの亡くなった事件までをあげつらってお母さんを中傷していたのである。花さんの自死からなんの教訓も得ていないということだ。

 

まったく「ファン」とは困った人たちである。

 

 

上記の漫画家さんの場合も、ご本人には相手を「攻撃」する意図がなくても、彼女のファン、あるいは彼女の作品のファンという人たちが「私たちはあなたの味方だ!」という思い込みの正義感から、相手に一斉に群がって攻撃をしかけた。それに対して、今度は脚本家の側から見た人たちが攻撃をし返す。そして、事態は収拾がつかない有様になってしまったのではないか。

 

まるで代理戦争である。 しかも、本人たちには戦うつもりはなかったのではないか。 自分には攻撃するつもりもないのに、赤の他人が群がって相手を叩く。漫画家さんはあっというまに自分の投稿を取り下げたという。そんなつもりじゃなかった。しかし、時すでに遅し…。

 

どうして人は頼まれもしないことをするのか。ある人を「私が守る!」とばかりにしゃしゃりでること、そして「仮想敵」に襲い掛かることで、守ろうとしている人に多大な迷惑がかかるかもしれないということをどうして思いやれないのだろうか。

 

そしてその結果、時には重大な結果に、責任が取れるのか。

 

 

そもそも、どうして他人の立場を尊重し適度な距離を保てないのか。たとえ自分の子どもだって、親がしゃしゃり出てよい場面は、それほどないのだ。

 

そして、どうしてそうすぐに感情的になって他人に牙をむくのだろうか。どうしてわざと相手が傷つく急所を選んでつつこうとするのか。どうして自分が正しいと思い込んで相手を叩こうとするのだろうか。

 

おそらく「匿名性」ということと、ネットでは面と向かわないために相手の表情が見えなくて歯止めが利かないということもあるだろう。 自分が相手を傷つけている、相手に痛みを与えている、という実感がない上に、匿名という隠れ蓑のおかげで、言い逃げができると思うからだろう。

 

 

 

それと同時に、毎日の生活に満たされていない人の娯楽として、匿名で誹謗中傷を行うという暇つぶしが簡単に手に入ることも問題だ。 隠れているから、勇気もいらない。 手元のスマホで無料。 クリック一つで相手に影響を与えることができる…。 横着な小心者にも簡単な娯楽だ。そして、ネットの誹謗中傷には、中毒性があるらしい。

 

人間にはもともと残虐性がある。自分が痛みを感じないで、相手に傷をつけることができるなら、ぜひやりたいと思う人も案外多いんじゃないか。そしてそのうち、その依存症になるのである。

 

実に醜いではないか。

 

 

誹謗中傷を受けて周囲に相談すると、『ネットを見なければいい』『嫌ならブログをやめればいい』とよく言われるが、誹謗中傷で苦労したスマイリー・キクチさんによると、「捜査してくれた刑事さんだけが『ネットやっちゃダメなのは中傷してる連中でさ、キクチさんはブログも仕事もやめる必要ないからね』と言ってくれたらしい。

 

傷つける人が使用禁止”を常識に、とキクチさんは言うが、その通りである。

スマイリーキクチ、誹謗中傷事件を捜査した刑事の「言葉」紹介「ネットやっちゃダメなのは…」 - 芸能 : 日刊スポーツ (nikkansports.com)

 

 

ここに、しょこらあでさんの面白い考察がある。

 

羽生さんの→REPRAY←というアイスショーを細かく分析し、そこに秘められている真意を解き明かそうというのである。

 

もちろん、これは彼女の固有の感性で紡ぎだした分析であって、違う、と思う人はいるだろう。

 

しかし、私は「なるほど!」と思ったのである。

 

上記のことに、かなりかかわりがあると思うので、ぜひ読んでみてください。