科学的に考える | ロンドンつれづれ

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ワクチンのことを書くと、たまーに見たこともない人からコメントが入り、いかにワクチンが危ないか説明してあるから自分のブログを読みに来い、というのである。 一応読みに行くが、納得のできる説明を見たことがない。

 

そういうコメントは、悪いが当ブログでは載せないのでしつこくこちらを煩わせないでほしい。 たいていはアクセスの少ないブログで吹聴しているワクチン懐疑論なので、そういう人たちの主張拡散にこのブログを利用させるつもりはない。 私の大切な読者たちを陰謀論にさらすつもりはないので…。

 

ワクチンが100%安全でないことなど、常識のある人なら良く知っている。 それはこれまで承認されたどのワクチンでもそうだし、どんな薬品についても同じだろう。  人間の身体はクローン再生されたわけではない。それぞれが違う反応をするので、人によっては強い副反応もあるだろう。しかし、そういったリスクに比べて、自分が疫病にかかって得るリスクの方がはるかに高いから、ワクチンを接種するのである。

 

「10年経たなければ本当の害はわからない」という人は、それはこのワクチンに限らないし、どの薬品だって同じだということを失念しているのだろう。 10年後に何があるかわからないから、病気になっても薬品は一切使わないという主義主張のある人は、自分だけそうすればよい。 心配だからワクチンをうちたくないという人まで批判するつもりはない。強制ではないのだから。

 

それよりもワクチンに反対する人々には、今の世界のパンデミックの状況を打開して、少しでも経済活動を元に戻し、学校を再開し、文化的なイベントなどを開催可能にするには、ワクチンが人間社会にとってゲームチェンジャーである、ということについてはどう思っているのか聞きたい。 

 

だがそうすると、「もともとコロナは風邪と大して変わらないのだから、自粛やロックダウンをするのが間違っている」という返答がきたりする。 元々風邪と同じなら、世界中の政府がここまで経済を犠牲にした政策をとると思っているあたりが理解できない。病院の最前線の人々の言うことも、後遺症に悩む人々の言うことも耳に入っていないのだろう。

 

そもそも前提が違うこういう人たちと議論をすることは時間とエネルギーの無駄なので、「そう思う人はご勝手に」というしかないのである。しかし、この人たちは自分たちがマスクをしないで出歩いたり、ワクチンを回避するだけでなく、人にも接種させないように躍起になってデマやエセ科学を拡散しているので迷惑きわまりない。

 

コロナなんか無かったらよかった。その通りだろう。しかし現実にパンデミックは起きているし、これはだれの陰謀でもないのだ。 そして色々な原因で地球規模で起きている環境の変化により、今後この規模のパンデミックは1世紀に何度か訪れる可能性が高いと専門家たちはいうのである。

 

そのたびに陰謀論を拡散し、科学的な解決に対してデマをふりまくことで抗おうという人たちが一定数いると、パンデミックをコントロールすることは難しいだろう。 もっとも、ダーウインの法則としてそういう愚かな人々は疫病に罹って死ぬ率も高いので、そういう残念な知性の人々は淘汰されていくということになるが。

 

先日の東北地方の地震の際も、「人工的な地震だった」などというくだらないデマをツイッターで拡散していた人々がいるらしい。 大地震や未知のウイルスのように社会が不安になると必ずデマやフェイクニュースが広まる、と国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの准教授、山口真一さんはそのニュースのコメント欄に書いている。

 

ストレスやクライシスに弱い人々が、怖い現実を受け入れられなくて自分が理解しやすい説明を求めてデマに飛びつくというが、山口さんによると、昨年見られた疑義言説の中で最も多かったのは新型コロナウイルスに関するもので、研究では75%もの人がデマを信じてしまっていたという。

 

しかも、最も多い拡散手段としては、「家族・友人・知人に直接会話で伝える」というものが上がっていたという。このブログのコメントにも、「知人が薬剤師だが…」と言ってワクチン懐疑論を執拗に書いてきた人もいた。匿名コメントの「知人」の言うことなど、簡単に信じられると思っているのだろうか。

 

 

私は自分で調べたプライマリーソースの最新の論文などを一番信用することにしている。あるいは、大手の高級紙や公共放送の情報などである。彼らは少なくとも情報の真偽を確かめてから報道している。それらを複数チェックしてから信じるようにしたらどうだろうか。

 

そこらのSNSの馬の骨は自分の拡散しているデマに対して何の責任も取らないだろう。(早く法を整備してもらいたい)

 

人はデマを信じて拡散してしまう前に、もっと理性的に、科学的に考えるべきではないだろうか。デマや陰謀論を流している人々にはなにか目的があったりするのだ。 アクセスを稼ぐことで収入にしたり、極右のヘイトのイデオロギーを広めようとしていたり、宗教に勧誘するつもりでやっていたり。

 

また、アウトドア防災ガイド  リスク対策.com名誉顧問の「あんどうりす」さんによると、SNS情報をAIで解析し、正確な情報だけを自治体や報道機関に提供している株式会社スペクティに取材した際のデマの6つのパターンは以下だそうである。

 

1狼少年型 

2伝言ゲーム型 

3勘違い型 

4トンデモ科学 

5ヘイト型 

6犯人探し型

 

この類型に当てはまれば過去の統計上、デマの確率が高いそうである。拡散して損害賠償請求されないように気を付けるべきだ。 5番と6番は、間違った正義感であってもリスクは高い類型だそうだ。名誉棄損に該当しないよう、ファクトチェックをしてからでないとうかつに拡散しない方がいいだろう。

 

義務教育のレベルで、学校では子供たちにしっかりファクトチェックやネットリテラシーを教えてほしい。 そして、科学教育をおろそかにしないように。 しっかりと論理だった理性的な判断ができる人間を育てていかないと、簡単に陰謀論にコントロールされる愚かな国民を量産してしまうことになるだろう。 そうなった時には陰謀論者に踊らされて議会を襲撃したアメリカのような事件が起きるだろう。

 

 

私のブログにつけてくるコメントも、内容の怪しいものはデマ拡散になるのでやたらに載せることはしないので、ご了承を。 信頼のおけるソースを明記したまともな情報、ブログでない限りリンクはできませんので、それも理解いただきたい。

 

そもそもデマや陰謀論を基底にしてコメントをしてくる段階で、議論の価値無しとみなしますのでそれもスルー対象です。

 

地震でまたも飛び交ったデマや差別発言 桁違いの拡散、どう対処?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース