山口さん、いいことを言う | ロンドンつれづれ

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山口香JOC理事が数日前に「国民が五輪開催のリスクを負うことが問題」として、契約の不透明さに言及している。

 

本当にこういう風に明晰に考えられる人にトップに立ってもらいたいが、今の状況で彼女のような人を無駄遣いしてしまってはもったいない、という気もする…。

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1年の延期を経て、東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京五輪と表記)の開幕まであと5カ月。果たして開催できるのか? それとも中止にすべきなのか? 延期も考えられるのか? 1年前に「延期すべき」と声を上げたJOC(日本オリンピック委員会)理事・山口香氏は、いまの状況をどう見ているのだろうか。アスリートたちへの思いも含めて話をうかがった。

──東京五輪は今年開催できるのでしょうか。

「厳しい状況にはあると言わざるを得ません。国民は疲弊し、医療現場はひっ迫…去年よりも状況が悪くなっているという実感です。世論調査によると、国民の約8割が『五輪を開催すべきではない』と考えています。このことは重要視すべきです。

また、去年と今年ではコロナに対する認識も世界的に変わってきています。去年のいま頃は、未知のウイルスに世界中が怯えていました。コロナの全容が見えなかったからです。でもいまは、『若い人たちは、それほど重症化しない』ことなどが少しずつ分かってきています。各競技の大会も開かれるようになり、新生活様式も世界的に定着してきました。ただ、そのことが五輪を、ややこしくしていると感じます」

──といいますと。

「もし、今年の五輪の開催地が東京ではなくてパリだったらどうでしょう。私はスポーツ関係者として選手たちを送り出すと思います。リスクはゼロではないですよ、それでも4年間がんばってきたんだから、夢を叶えさせてあげたい。日本国民のほとんどが、そう思いますよね。『気を付けて行ってきてね。私たちはテレビで応援しているから』と。そして帰国した時は2週間の隔離生活をする。ならば、日本に大きな影響はないわけです。

今年開催した場合、他国から東京に選手が来ないんじゃないかとも言われていますけど、そんなことはないと思います。実際、IOC(国際オリンピック委員会)も、そのことは不安視していないでしょう。日本は世界から見れば、感染を辛うじて食い止めている国であり、多くの国が選手を派遣してくれると思います。つまり、選手を送り出す国にためらいはないけれど、受け入れる側は大変なわけです。問題は日本国民であり、五輪を開催することでリスクを負うのは私たち日本国民だということです」

──受け入れ側には感染対策の徹底が求められます。

「IOCのバッハ会長は『選手の安心・安全は担保します』と言っていますから、アスリートたちにはリスクが少ないかもしれない。でも、五輪後の日本は、どうなるのでしょうか。変異種を含めたウイルスが一気に持ち込まれて、冬に向かって感染が再拡大する可能性も十分に考えられます。そうした事態をみんなが恐れていて、そのことが世論調査『反対8割』として表れているんだと思います。現時点で『開催国・日本の立場に寄り添う』という発想がIOCは希薄です。だから日本も、そのことをしっかりと訴えていく必要があります」

──日本人のIOC委員は国内世論を伝えていないのでしょうか。

「もし伝わっていたらIOCから『大会中止は考えていない』とか『光明が差した』といったコメントは出されないと思います。それに五輪に関してオープンにされていないことが、あまりにも多いんです。

たとえば今回、『IOCが中止を発表するか、東京が返上するか、それによって違約金の問題が生じるからチキンレースだ』みたいに言われていますよね。でも本当のところは私も知りません。なぜならば、IOCと東京都が、どのような契約を結んでいるかがオープンにされていないからです。こんな状況下では開催できないと東京が返上した時に、どれだけの違約金を支払うのかは契約時に決まっているはずです。それを国民にオープンにするべきではないでしょうか。

それが開示されたならば国民の判断材料になります。コロナ対策費と比べてどうなのか、五輪を開催すべきかやめるべきなのかを、お金=税金の観点からも考えることができます。なのに、この部分が国民に知らされていないのはおかしいんですよ」

──五輪に関してはブラックボックス化されていることが多くあるように思います。今回を機に、もっとオープンにされるべきですね。

「ええ。私は今回の五輪に関しては、日本国民の思いが大事だと思っています。IOCから押し付けられるものではないでしょう。そのために、判断材料となる正確な情報が国や組織委員会から発信されるべきなんです」

アスリートは「恵まれている」自覚を
──山口さんもソウル五輪・女子柔道の銅メダリストです。選手たちの思いにも触れたいのですが、体操の内村航平選手は「できないではなく、どうやったら開催できるかを考えてほしい」と発言していました。一方で「こんな時期に開かなくても」と話す選手もいます。

「いま、開催するかしないかに関してのコメントをアスリートに求めるのは酷ですよね。『この状況下では無理だと思う』と言えば、スポーツ界から反感を買うし、『やらせてください』と言っても世間から、こんな時に何を言ってるんだと怒られてしまう。だから、アスリートを矢面に立たせてはいけません。言いにくいことを言って悪者になるのは、JOCやその関係者、私たちの役目だと思っています。こんな状況になってしまいかわいそうです」

──そうですね。

「でも、それとは別にアスリートたちに噛みしめてもらいたいこともあります。『自分たちは恵まれている』という認識ですね。たとえば、プロ野球選手、Jリーガー、大相撲の力士、あるいは柔道の強化選手にしても、彼らは合宿をする際にはPCR検査を受けることができ、安全な状態を担保された上で、練習や試合ができているんです。それは一般の人たちからしたら、まず得られない手厚い保護だということを自覚すべきでしょう。

私たちは、アスリートたちのパフォーマンスからエネルギーを与えられることが多々あります。最近でいえば、卓球(全日本選手権決勝)の石川佳純さんと伊藤美誠さんの試合や柔道(東京五輪代表決定戦)の阿部一二三と丸山城志郎の試合は私も心を動かされました。でも、だからといって、手厚い保護を受けることは、当たり前ではないんです」

──みんなにエネルギーを与えるのは、スポーツだけではなく、芸術、エンタテインメントなどもあります。

「そうですよね。だから、こんな状況だからこそ、アスリートたちには考えてもらいたいんです。自分にとって五輪とは何なのか、スポーツとは何なのかを。もともとは好きで自分のためにスポーツをやってきたわけですよね。その頂点を目指すのであれば、世界選手権もあります。では、自分にとって五輪とは何なのか。五輪に出られる出られないではなく、もう少し深い部分まで考えて、答えを持って欲しいと思います」

──最後に伝えたいことはありますか。

「物議を醸している森会長の発言については、森会長はJOCの名誉委員としてご出席され、発言の場がJOCの評議員会であったことを考えれば、JOC自体が責任を重く受け止めて謝罪し、今後の取り組みについての考えを示していくべきだと思います。コロナ以前の問題として五輪が理念を失くしてしまえば必要のないイベントになってしまいますから」

山口香(やまぐち・かおり)さんプロフィール

1964年12月28日生まれ。東京都豊島区出身。6歳で柔道を始め、13歳の時に全日本体重別選手権で優勝して以来10連覇。1984年の世界選手権で日本女子として初制覇した。1988年ソウル五輪で銅メダル獲得。翌年現役引退。現在は筑波大学の体育系教授の傍ら、JOCの理事などを務める。

山口香JOC理事「国民が五輪開催のリスクを負うことが問題」契約の不透明さに疑義(近藤隆夫) - 個人 - Yahoo!ニュース

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森さんは、これまで違約金を言って、だから中止はできないと主張してきた。

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東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は六日、来夏への延期に伴う追加経費の削減を巡り、開会式の簡素化は「難しい」との認識を示した。国際オリンピック委員会(IOC)が放映権をテレビ局に売却済みで、時間短縮などができないという。


森会長は東京都庁に小池百合子知事を訪問後、報道陣の取材に応じた。「三時間ある開会式を短くすれば、経費は一番安くなる」とした上で「(IOCは)駄目だと言っている。すでに時間の枠を売っていて、違約金が発生する。組織委員会が払えるか」と懸念した。五輪・パラリンピックの開閉会式には計百三十億円の経費が見込まれている。


大会全体の追加経費は数千億とされる。組織委は先月、都、政府、IOCと運営を簡素化することで合意したが、予算の見直しは難航している。森会長は新型コロナウイルス感染症の対策会議を設置することも明言。政府や都、日本オリンピック委員会(JOC)、日本パラリンピック委員会(JPC)が参加し、九月に協議を始める方針。 (原田遼)
 

「五輪開会式の簡素化難しい」 森会長「違約金が発生」:中日新聞Web (chunichi.co.jp)

 

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しかし、下は、昨年6月のニュース記事である。違約金について、森氏の言ったこととは異なっている。

 

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ただ一人、即時中止を掲げるのが山本太郎氏である。公約の最初に「東京オリパラの中止」が来ていて、「世界各国のコロナウィルスの感染状況を鑑みれば、来年の五輪開催は不可能。五輪開催にしがみつけば、第2波、3波への正常な判断が行えず、コストも余分にかかる。開催都市として、ハッキリと五輪中止をIOCに宣言」と非常に明確である。

国と東京都が五輪開催にこだわって、感染第一波への対応が遅れたのは事実だ。専門家の間では危機が叫ばれていたのに、3月24日まで延期宣言をせず、国内の感染者を激増させた責任は重い。来年もまた開催にこだわれば、その二の舞を演じる危険性は十分ある。

さらに、中止しなければ刻一刻と追加費用が発生する。3500人以上いる組織委の人件費だけでも月に20億、さらに様々な試合会場、メディアセンターなどの借り上げ費用も、月に数十億円ずつかさんでいく。中止にすれば、その支出を抑えることができるのだ。


中止論に対しては、「五輪開催による経済効果数兆円が無くなるから反対」という俗論が発生するが、そもそもコロナがあるから中止するのであり、すでに今回のコロナ禍で明らかな通り、海外からの観光客がいなくなって、今年のインバウンド効果は消滅している。たとえ来年奇跡的に五輪を開催出来ても極めて限定的になり、以前のような集客は望めない。今までに発表された五輪の経済効果はコロナ以前の世界での計算であり、ワクチンが世界に行き渡らない限り、すでに完全に過去のもの、机上の空論なのだ。だから、経済効果の消滅を理由に中止に反対するのは、意味が無い。
 

また、日本側が中止を言い出すと、IOCに対して1000億程度の違約金が発生するという説があるが、HCC(開催都市契約書)にそのような記述はなく、都市伝説程度の話に過ぎない。そもそもIOCはコロナ禍を認めて延期に合意したのであり、同様にコロナを理由に中止を提案すれば、同意せざるを得ない立場にある。

つまり、既得権益層が自らの利益保全を計ること以外、中止に対するハードルなどほとんど存在しないのだ。都知事選の結果がどうあれ、一刻も早く五輪を中止すべきである。

東京オリンピック「中止なら違約金1000億」はウソ 東京都知事選の主要候補者の五輪関係公約を見比べる - 記事詳細|Infoseekニュース

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また、ある弁護士は以下のように話している。

 

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1916年のベルリン大会が第一次世界大戦により中止。1944年のロンドン大会は第2次世界大戦により中止。 開催予定国が中止のために違約金を払ったことなどはない。

今回のオリンピック史上初めての1年延期で、会場の再契約などの追加経費とコロナ対策合わせて2940億円が新たに必要とされた。これは新たな費用負たん。

オリンピック競技大会の開催取り消しの差異にIOCの賠償請求権は保証されるとなっているが、あくまで「開催都市、組織委員会によるオリンピック憲章違反、IOCNO規定の規定や支持の不履行、または義務違反があった場合」となっており、今回のコロナなどの自然災害で適用される可能性は極めて小さい。

 

コロナ禍により中止したいと言ってIOCが認めないとは想定しにくく、契約した企業など第3社が主催者側に明らかなか非がない自然災害を理由とした中止に対して、違約金を請求することは提訴したとしても極めて難しいと考えられます。従ってコロナ禍による中止を日本が言い出したとしても、IOCに対する違約金は発生しないと言って間違いない。

2020年の3月で、関西大学の宮本勝浩名誉教授が、オリパラが中止になった時の経済損失を推計し、訳4兆5千憶円としている。これは中止になった時に発生する新たな費用と開催により期待されていた経済効果の損失との合計金額。

しかし開催さえすればこれが取り戻せるとはいえず、無観客で開催した場合や、外国環境客の来日が見込めないことを考えると、小規模な開催をすれば損失はますます増えることにもなりかねない、

オリンピック中止を日本が言うと違約金を払わなければならないのでIOCが言い出すのを待っているというのはデマ。 正確にはIOCが中止といっても、その損失はすべて日本が補填する義務がある、ということ。何があってもIOCは損しない契約書にサインをしているだけ。

東京五輪中止で違約金は結局発生する?しない?経済的損失は約4兆5,151億円! | 東京オリンピック消滅の年、いったい何があった? (tokyo-olympic-memory.com)


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だれの言っていることが一番ファクトに近いのか。

 

JOCもオリンピック組織委員会も、契約に関しての正しい知識と情報を熟知し、新型コロナの感染状況とワクチン接種の進捗状況を専門家を交えて科学的に判断して、その結果のプランを3つほど国民に知らせることが必要だと思う。 3つのプランは、コロナの6-7月の状況を予測するため、5月の時点でのコロナ感染とワクチン接種の日本及び参加国の状況を科学的根拠にするべきだ。

 

違約金に関してもこれだけ様々な情報が錯綜しており、またたとえ違約金や経済的損失があったとしても、それが国民を感染爆発というリスクにさらす言い訳にはならないと思っている人は多いだろう。 誰だって命と健康が一番大切なのである。 スポーツイベントは国民の命をリスクにさらしてまで行うものではないだろう。

 

数日前には、ビートたけしさんが以下のように。

 

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五輪にしろ、万博にしろ、みんな自分の現在の生活に不安を抱えているのに、大企業や政治家ばかりが潤うようなお祭りに税金をガンガン注ぎ込むなんて許されないよ。

 そんなカネがあるなら、コロナで倒産した会社の社員を助けるとか、またこういうパンデミックが起きたときに備えて病院や研究所を充実させるとか、地震や水害みたいな災害に備えて各地に避難所を作るとか、先にやるべきことがあるだろうよ。とりあえず、東京五輪より先に手を着けるべきは「参議院解体」だな。

 本業が怪しくなったタレントや元スポーツ選手を食わせるために税金を投入するのはムダもいいとこだよ。血税を使った五輪で生まれたスターアスリートを、これまた税金で国会議員として一生養うという図式なんだから腹が立つ。

「衆議院のチェック機関として必要」なんてのは建前だけで、全く機能してないことはみんな知ってるんだからね。他の国ならとっくに暴動が起きてるよ。ニッポン人はネット上で文句を言うだけじゃなくて、そろそろ本気で立ち上がらないとマズいんじゃないか。
 

ビートたけし「オイラは東京五輪開催に反対」の理由を語る (msn.com)

 

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この夏の東京オリンピックだけではない。 

 

2022年の北京オリンピックですら開催が危ぶまれている。

 

アメリカが、中国の香港やウイグルでの人権侵害を問題にし、重大な人権侵害を行っている国でのオリンピック開催はふさわしくないと公に発信して、民主主義国家が足並みをそろえることを呼び掛けているからだ。

 

もし北京オリンピックが予定通り開催されても、アメリカ及び欧州の国々は参加をボイコットをするかもしれない。 今アメリカは東京オリンピックよりもペキンオリンピックの方に関心は高いだろう。 もしかしたら東京オリンピックはもう中止という前提でいるのかもしれない。

 

 

そもそもオリンピックの理念とはなんだったのか。 スポーツの祭典と言いながら、国の威信をアピールすることが前面に出ており、日本でも海外でも政治がここまで介入している。

 

 

もともと7000億円の予定と言われていたものが、3兆円を超えてしまったということからも、「復興を象徴するオリンピックに」という東京オリンピックの招致の際の動機からも外れつつあるように見える。

 

ここ数日の組織委員会のゴタゴタで表に見えてきた日本のオリンピック事情は、理念からははるかに遠いことも露呈してしまった。

 

オリンピックはアスリート・ファーストというが、今の状況ではホスト国の国民の安全を無視した開催は許されないだろう。 まずは国民に祝福される開催の形を模索することが大切だろうと思う。