来た!ワクチンの案内 | ロンドンつれづれ

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2月15日からは65歳以上のワクチン接種開始、と言われていたが、15日の午前中にお知らせがNHSから早速届いた。

 

チョイスは、自分のGP(かかりつけ医)から連絡が来るのを待つか、このレターに書かれたウェブサイトに行って、自分でオンライン予約をするかどちらか、と書かれている。

 

GPから連絡を待つと、何日、あるいは何週間先になるかわからないので、オンラインで予約をすることにした。 オンラインで予約しようとすると、歩いて行けるGPの診察室では無くて、ちょっと車で出掛けなくてはならない場所のリストが上がってきた。

 

ニュースで見るような大きな会場ばかりではなく、町のファーマシー、つまり薬屋さんもたくさんリストに載っている。 却ってこういうところの方が待たされたり並ばされたりしないかもしれない。

 

が、夫は大きな駐車場の付いている公共施設がいい、というのでそちらをチョイス。

 

 

1週間以内にワクチン接種の予約がオンラインで簡単にできた。 また5月の2回目の接種の予約もそちらで終了。 おそらくオックスフォード大学・アストラゼネカ社のワクチンになるだろう。 

 

彼らのワクチンはこれまでにドイツやフランスなどからケチがつけられているが、UKバリアントには効果があるというし、なんと言っても英国産のものであり世界の途上国に対して利益を出さずにできるだけ多く供給をするという姿勢を評価したい。 

 

また南アフリカなどの新変異株についても秋までには対応できるワクチンを作り、ブースターをすることができるというので、そちらもあまり心配しないことにしている。 アレルギーなどの副作用は、これまでに他のワクチンと比べても少ないようである。

 

NHSのサービスにはこれまで「対応が遅い」などと文句がでているが、私は10年前に大きな腫瘍をNHSの病院で手術しており、当時世界でもその腫瘍の権威と言われるドクター自らが担当してくれた。その後も毎年検査に訪れているが、検査、入院、手術と一切費用はかからない。

 

20年前には、初期の子宮頸がんもNHSのスミアテストで発見され、手術した。 その後の検査では今のところOKである。 このころは学生だったから、税金なども支払っていないころだ。 それでも手術は無料だった。どちらの手術も、こちらが忘れていても後追いの検査のお知らせが定期的に届く。 なので私は英国のNHSには信頼を寄せている。 

 

NHSのシステムなどはアメリカのトランプ信者に言わせれば「共産主義だ!」と批判の対象になるかもしれないが、労働党時代に導入された社会保障を保守党もしっかり維持しており、国民を大切にする良い制度だと思っている。 この度のワクチンも多少の遅れはあるにせよ、上等に手際よく行っていると思う。

 

さて、送られてきたNHSの説明書は、英語の他にアラビック、ベンガリ、スパニッシュ、ファルシ、グジャラティ、ヒンディ、カーディッシュ、チャイニーズ、ネパーリ、プンジャビ、ポーリッシュ、ルーマニアン、ソマリ、アルバニアン、タガログ、ウルドウで書かれていた。ホームページもそれぞれの言語で書かれているのだろう。(ちなみに、日本語はなかった。日本人の人口が少ないということだろう)

 

イギリスでも、ワクチン懐疑派がSNSでデマなどを拡散しているし、統計では移民系の国民がワクチン接種率が低いということで、NHSではワクチンの安全性と共に国民の多くがワクチンを接種してこそ社会や経済が回復できるということをニュースでも繰り返し説明をしている。

 

日本では野放し状態のようだが、欧米ではワクチンについて根拠のないデマをSNSで垂れ流すと、アカウントを停止される。 これは公共衛生に対して害があるとみなされるからだ。 つい最近ではインド発の動画で「熱い蒸気を吸い込むとコロナに罹らない」と吹聴していて膨大なアクセスを稼いでいる人物がBBCでやり玉に挙がっていたが、当のインド人は「間違ったことは言っていない」とBBCのインタビューで開き直っていた。 こういう人々の言うことを信じた人々がコロナに罹って医療をひっ迫させているのである。

 

少数民族系の英国市民にワクチンの接種率が著しく低くなると国民の7割に集団免疫をつけることはむずかしくなる。 ロイヤル・ソサエティの調査では、黒人、アジア人、そして少数民族(BAME)の間でワクチンを積極的に摂取すると言ったのは57%で、これは白人系の英国市民の79%から見るとうんと少ない。

 

調べでは、少数民族や宗教コミュニティをターゲットにして、反ワクチンのメッセージが送られているという。  WhatsApps(ラインのようなSNS)を通じて、そういう動画を送り付けたりしているが、「正しい情報は少なく、そういうウワサを信じるのではなくちゃんとした情報を公的な機関から得てほしい」とロイヤル・ソサエティ(RS)では注意を喚起している。

 

これまでもBAMEの間ではコロナの罹患率が高く、また死亡率も高いことが分かっている。 コロナに関するデマを信じていることと関連があるかもしれない、として、「ワクチンが人間のDNAを変化させるなどといったデマを信じないように」とRSでは訴えている。

ロイヤル・カレッジ看護学校の校長は、「ナイチンゲール(コロナ用の特設病院)の現場で見ていると、次から次へとBAMEの患者さんが運ばれてくる。 本当にワクチンを接種してもらいたいと思う」と話した。

「ワクチンが人間のDNAを変化させるとか、マイクロチップを挿入するとか言う根拠のないデマは信じないようにしてほしい」と彼女は言う。 WhatsAppだけでなく多くのオンラインプラットフォームではワクチンに関するデマに苦慮しているが、今はスパム・ディテクションの技術を使って正しい情報が出回るように努力しているそうだ。

調査では、コロナの被害が一番多く発生している少数民族、BAMEのコミュニティにワクチンの正しい情報が届かないことは、大きな懸念材料だと警告している。 民族グループによってワクチンに対する信頼度に差が出ていることが分かっている。

 

調査では75%の人々は、医師かヘルス関係の専門家から説明を受け奨められたらワクチンを受けると言っているそうだ。 だが、経済格差を見ると、収入の低いレベルの人口ほどワクチンに対して懐疑的だということも分かった。

 

高収入の84%、低収入の70%がワクチンを受ける計画だそうだ。

 

またアジア人のコミュニティで言えば、55%のみがワクチンを受けるとしており、これは国内では一番低い率である。

 

ロンドンの14%が、「ワクチンは受けない」としており、これは国内で最も高い拒否率である。

 

また女性は男性よりも懐疑率が高い。

 

調査では、少数民族と貧困層でワクチンに対する拒否率が高いということで、大変に心配な結果が出ている。 なぜなら、このグループがこれまで一番コロナの被害が多く出ているからである。 これまで重病化の率も、死亡率も高いグループだということだ。

 

これから政府も地方自治体もNHSもこれらの人々を対象にさらなる努力が必要とされている。

 

またワクチンをうつと女性の不妊の率が上がるなどといううわさも根拠のないデマだ、ということである。

 

WhatsApp rumours fear over BAME Covid vaccine take up - BBC News

 

Covid: Claims vaccinations harm fertility unfounded - BBC News

 

Five Covid-19 vaccine false theories - debunked - BBC Bitesize

 

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ところでイギリスは Red Listに載せた33か国から英国に入ってくる旅客は全て(自国民も含めて)空港で捕まえて、10日間の検疫をホテルに缶詰めにして行うことにしている。 その際には一人1750ポンド、つまり二十万円近いお金を自腹で支払うことになっている。(今のところ、日本はRed List には載っていないようである)

 

さらに、ホテルから逃げ出したり、空港でこの検疫を逃れようとした場合の罰金は一万ポンド、つまり120万円ほどになる。 かなり厳しい検疫機関になるけれど、ニュースによると香港の場合、検疫機関は21日間だそうである。

 

ニュージーランドやオーストラリアなども12日の検疫機関を設けているが、いったん外に出れば自由に歩き回れる。しかし、イギリスは10日間の検疫を終えて出てきても、外はロックダウンをしていてどこも開いていないし、不要不急の用事でない限り、出歩いてはいけないのだから…とニュースでは面白おかしく話していた。

 

ボリス・ジョンソン氏は、「今旅行することはそもそもイリーガル(違法)なんだから、外に出て帰ってきた人は多少不便があっても我慢してもらうしかない」と話していた。 旅行に出ても帰ってきたら10日ホテルに閉じ込められて、20万円近いお金をホテルに支払うのであれば、今英国からどこかへ出ようとは思わないだろう…。

 

しかし、ロンドン付近の厳しいロックダウンは、今月27日をめどに、一度リフトされるそうである。 またティアのシステムにもどり、ティア3からだんだんに緩くしていくのだろう。ともあれ、小学校や中学校は順次また始まるようで、子どもたちのためにはそれは良かった。

 

そろそろワクチンの効き目も出始めるころだし、毎日の新規感染者の数は前週に比べ、4分の1ぐらいずつ減っている。 これも厳しいロックダウンの効果だろう。

 

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さて、日本は先進国の中では一番ワクチン懐疑派が多い国である

 

それを心配して、以下に、米国在住の医師が「ワクチン接種が価値がある」これだけの理由、というのを話してくれている。 

 

ワクチンを受けるかどうかは、自分の決定であるが、その前に正しい情報を専門家から得てリスク比較をし、判断の元にする必要があるだろうと思う。

 

くれぐれも、SNSでの素人の発信や、動画サイトでどこかの馬の骨のいうことを真に受けることの無いように…。

 

動画サイトでアクセスを稼ぐためだけに、とんでもないデマを垂れ流す人はとても多いのですから。

 

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2/15(月) 7:02配信

現代ビジネスより

接種順位が高い高齢者に理解されていない?

欧米で新型コロナワクチンの接種が開始されるとともに、日本では過剰に不安を煽る報道が続いた。多くの感染症やワクチン研究の専門家および医師たちが、1月20日から21日にかけてメディアやSNSで怒りや憤りの声をあげた。2月4日にミステリー作家で医師の知念実希人氏が、新型コロナワクチン報道に関する報道に怒りの表明をしたいきさつを記事にした。

約3週間たった今、過剰に不安を煽るワクチン関連の記事はずいぶん減った印象がある。そして、今週中にも医療従事者の接種がついに開始される予定だ。そしてその後、重症化リスクが高い高齢者へと接種は移行していく。

 かし、私事で恐縮だが、実家の母(84歳)が電話口で「やっぱりワクチン接種はやめておこうと思う」と言った。なぜそう思うのか詳しく聞くと、「テレビや新聞でも、安心してワクチンを受けてほしいとはっきり言わないし……。近所の人たちの話を聞いても、もう少し様子みたほうがいいじゃないかっていうの……」と話すのだ。

もちろん、今回の新型コロナワクチン接種は義務ではなく自由選択ではある。が、感染すれば重症化のリスクが高い高齢者に、新型コロナワクチンに対する正確な情報がこんなにも届いていないのか……、と改めて気づかされた。

いやこれは、高齢者に限ったことではない。ワクチン関連の記事をアップすると、「やっぱり不安」「難しい記事ばかり。わかりやすく安全性を知りたい」「何が本当の情報なのかわからない」という声をとても多くいただくのだ。


正しく情報をキャッチし、行動することが武器になる

「おっしゃる通りですね。医療情報に関心が高い方たちは、細かく検索し、専門家のデータを読み込んでいます。ですが、ITを使わない世代、また、医療情報に関心がない人にはなかなか正確な情報が届きません。

特に、重症化のリスクが高い高齢者に正しくわかりやすい情報を伝えていくということはとても重要なことです。誤解されないためにも、安易に過剰に副反応などのリスクばかりを伝えるのは非常に危険だと思います」

というのは、米国国立研究機関博士研究員でウイルス学、免疫学を専門としている峰 宗太郎医師だ。仕事の合間を縫って、ワクチンの現状をテレビやネットメディアで丁寧に新型コロナワクチンの情報を伝えている。

しかし、峰医師がメディアを通しワクチンの話をすると、「副反応のリスクを隠蔽しようとしている」「ワクチンの製薬会社と結託して接種方向に向かわせている」と言われることもあるという。「でも、隠蔽しても私には何も得することはありません」と峰医師は苦笑した。当然、製薬企業などからの利益供与もない。

「私はウイルス感染症を専門にしているので、今のこの現状を調べることも仕事です。そして何よりも、このコロナ禍の生活を少しでもいい状況に戻したい、そのことを願っています。そのためには冷静にワクチンの効果やベネフィット(利益)を見ていかねばなりません。そして、正しい情報を多くの方に伝えることが今回のウイルスと戦う上では、とても重要な戦術だと思っているのです」と峰医師。

ではさっそく、峰医師にワクチンの基本のキも含めて、多くの人が感じる「ワクチンのわからない」をQ&A形式で回答いただこう! 

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峰 宗太郎/医師(病理専門医)、薬剤師、医学博士
京都大学薬学部、名古屋大学医学部、東京大学大学院医学系研究科卒。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所等を経て、米国国立研究機関博士研究員。専門は病理学・ウイルス学・免疫学。ワクチン情報に詳しく、新型コロナワクチンでは積極的に情報配信をしている。SNSでは「ばぶ先生」の愛称で人気を集めている。
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峰医師がQ&Aにひとつずつ回答!


Q1.ワクチンが作られた(開発)時間が短すぎる点が不安です。きちんと検証されているの? 
 

A.短い=適当なのではなく、科学の進歩が大きく影響しています。 新型コロナワクチンの不安でもっともよく聞く声ですね。

まず、今回のワクチンのことを説明する前に、通常の新薬が承認されるまでの流れを簡単に説明しましょう。新しいワクチンや抗がん剤などの治療薬などの開発には通常「新薬候補の探索と発見」→「基礎研究・動物実験」→ヒトに使用する「治験」があって、その後「承認申請・審査・承認」を経て「市販」されるようになります。

ですが、今回新型コロナワクチンで使用された『mRNAワクチン』、『ベクタ―ワクチン』(詳しくは後で説明します)といった新しい科学技術は、ベースとなる研究がかなり進んでいました。さらに、対象となる新型コロナウイルスの研究も非常に速く進んだのですね。そんなこともあり、新薬のスタートとなる「新薬の候補の検索と発見」と「基礎研究」の部分がまず、非常に短くできたのです。

また、「ここまで早いのは“治験”をきちんと行っていないからでは?」と疑う方もいます。通常、治験は第1相から第3相まであって、ここでヒトに薬を接種して段階を追って安全性や有効性、どれぐらい打ったら効果的なのか、を確認します。とても重要な部分です。

今回のワクチンが完成するまでのスケジュールは、これらの段階を省略したのではなく、前倒しにできるものを前倒しにし、並行できるものを並行にし、全体的に圧縮されているイメージです。

これができたのは、パンデミックという緊急事態であったこと、様々な国の資金が大きく動いたことも影響しています。通常は、開発費用などが確保できず、基礎研究や治験をしながら資金や生産設備への投資などを調整しながら行うため完成までに時間がかかることが多いのです。ですが今回は、世界的なパンデミックだったので、危機感も必要性も高く、この部分も素早く動けた。そして、政府などが大きなお金を動かすことで、臨床試験と並行して生産準備に入っていたことも大きいのです。

圧縮はしても、臨床試験も通常の治験と同様に、ワクチンを打つ人とワクチンが実際は入っていないプラセボ(偽薬)を接種する人(本人も打った医師もわからない状態で試験する)で効果を見るテストもきちんと行われています。プラセボの人よりもワクチンを打った人のほうが新型コロナウイルス感染症の発症率が90%以上も減ったという有効性のデータと、安全性についても十分検討を経て、審査を通過したワクチンなのです。

早い=適当に端折り安全性確認が十分ではないのではなく、今回使われたワクチン技術は、SARS、MERSの感染拡大などでもともと進めていた最新科学の蓄積と経験があり、パンデミックとなったことから多くの資金と人材が動いたことでワクチン開発がスピーディーに進んだのです。開発の透明性も厳密性も犠牲にはなっていない、といえますね。


Q2.新しい技術のワクチンだから実績がなく危険なのでは、と言う人がいますが、真意はどうですか? 
 

A.新しい技術には不安を煽るデマが流れやすいので冷静な判断を

 

今回のワクチン技術をお話する前に、ワクチンの種類についてお話しましょう。

そもそもワクチンには、大きくわけて6つのタイプがあります。古くからあるのが「生ワクチン」や「不活化ワクチン」、新型コロナウイルスのようなエンベローブ型のウイルスのこの突起部分のタンパク質成分のみを使用するのが「組換えワクチン・成分ワクチン」と言われるものです。この3つは従来からあるワクチンのタイプです。

そして、今回の新型コロナワクチンで登場したのが、ファイザーやモルデナが採用した技術である。

 

「mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチン」で“核酸ワクチン”とも呼ばれているもの、アストラゼネカで使われた「ベクタ―ワクチン」と呼ばれるものです。他に、国内でも開発されている「DNAワクチン」と呼ばれるものもあります。この3つは、新しいテクノロジーのワクチンといえます。

今まであったワクチンは、ウイルスを殺したり弱らせたりしたものやウイルスの一部(タンパク質)を注射で体に入れることで、体の中にいる免疫細胞にそのウイルスとの戦い方を事前に教えておく、というものでした。

今回の『mRNAワクチン』はかなり仕組みが違います。“mRNA”は私たちの細胞が読み取ることができる設計図のようなものです。その設計図には、新型コロナウイルスの表面の王冠のような突起部分にあるタンパク質を作る情報が書き込まれています。

ワクチンを打つことで、細胞は設計図を読み取り、体内で突起と同じタンパク質を生産していきます。そしてできた突起に対して、免疫が反応するという二段階になるんですね。体内にウイルスそのものを入れなくても防御できるという新しいテクノロジーなのです。

でも、このmRNAワクチンに対して、「細胞が傷つく」、「いつまでも体内に残りそう」と心配される方がいます。

mRNAが体内いるのは、ワクチンを接種して長くて数日から1週間程度。細胞の染色体に組み込まれて人体に影響を与えることはありません。細胞が傷つくことはないでしょう。科学技術には100%安全はありませんが、99.9999%心配ないといえます。

新しい技術は理解されるのに時間がかかり、デマが流れやすいという特徴があります。気になる方は批判的な情報に偏らず、冷静にデータを見ていくことが必要でしょう。


Q3.今回、複数のワクチンが出ていますが、効果に差はあるのでしょうか? 
 

A.発症のしにくさの効果に若干の差が出ています

現状日本では、『mRNAワクチン』と呼ばれる、ファイザー社とモデルナ社のワクチン、『ベクタ―ワクチン』と呼ばれるアストラゼネカ社の2種3社のワクチンを接種する予定です。

ワクチン接種後、どれぐらい新型コロナウイルス感染症を発症しないかを見てみると、ファイザーやモデルナの『mRNAワクチン』では、94~95%とかなり高い結果が出ています。アストラゼネカの『ベクターワクチン』は現在、70~90%前後とちょっと低めです。

また、日本にはまだ来る予定はありませんが、他にも各国で新型コロナワクチンの開発は進んでいます。

ロシアで開発されロシアなど複数の国で接種が始まった『スプートニクV』は、アストラゼネカの『ベクターワクチン』と同じようなタイプですが、イギリスの医学雑誌『ランセット』に報告された中間報告によると、最終段階の臨床試験で91.6%の有効性が認められたとして、期待を集めています。



Q4.もっとも気になるのはやはり「副反応」です。安全なのでしょうか? 


A.重篤な副反応の報告は現状驚くほど少ないです

2月14日現在、世界全体の累計接種回数は1億6000万回を超えています。その中で重篤な副反応の事例が少ないことに、専門家たちも驚いています。

数値的に言うと、1月27日にCDC(米国疾病予防管理センター)が発表したデータ(※2)では、重篤な副反応のひとつであるアナフィラキシーは、ファイザーで100万回に5回、モデルナで100万回に2.8回と言われています。数値だけだとピンとこないと思いますが、インフルエンザワクチンで100万人に1.4人なので、インフルエンザワクチンよりは高い数値といえます。ですが、比較的よく処方される抗菌剤(抗生剤)では、100万人に200人の確率で起こるので、それに比べるととても少ないことがわかります。

また、ノルウェーでワクチンを接種した高齢者23人が死亡したというニュースが流れました。ですが、亡くなった高齢者は基礎疾患を持っており、さらにこちらの高齢者施設では一定数の高齢者が日々亡くなっていて、WHOの調査報告でもワクチンとの因果関係は証明できないという報告も上がっています。

とはいえ、副反応はゼロではありません。「免疫を適切に訓練する」と、異なる反応が現れます。それがワクチンが原因のものであれば副反応になり、注射を打った局所の痛みや微熱・頭痛など、さまざまなものがあります。

CDCが挙げているファイザーとモデルナの副反応は、もっとも多いのが注射した局所の痛み(70.7%)、次に倦怠感(33.4%)、頭痛(29.4%)、筋肉痛(22.8%)、寒気(11.5%)、発熱(11.4%)などがの症状が続きます。ですが、これらの軽度な副反応が起こるということは、言い換えれば、免疫が反応しているという証拠でもあります。

私は1月24日にモデルナのワクチンを接種しました。打ったときにはいつもの注射の痛みを感じました。それからは15~30分、アレルギー反応が出ないか見るため観察室で様子を見て、何も起こらなかったので帰宅。その後、打った部分に痛みが出始め、腕を動かしたり、触たりすると痛みがありました。でも、3日目を過ぎると次第に落ち着いて、打ったことも忘れてしまうように毎日を過ごしています。

副反応を避けてワクチンを語ることは危険です。ですが、「副反応」という言葉を過剰に恐れてしまうのもワクチンに対する誤解を生みます。ちょっとした不調は、他のワクチン接種でもよくあること。過度に心配する必要はないと考えます。冷静に見ることも必要なのです。

伊藤 学(フリーライター・編集者)


米国在住の医師が徹底解説!「ワクチン接種が価値がある」これだけの理由(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
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「アトピーだけど大丈夫?」「妊婦なんですが…」「変異ウイルスには効くの?」「ワクチンで元の生活に戻れますか?」など――
峰医師が答える「新型コロナワクチンへの疑問」後編につづく

新型コロナワクチン、妊婦やアトピー患者も大丈夫?米国在住の医師が疑問に答える(伊藤 学) | FRaU (ismedia.jp)
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下は、厚労省のワクチン接種のホームページ。

 

新型コロナワクチンの接種についてのお知らせ|厚生労働省 (mhlw.go.jp)