今日、家に帰ってみると・・・ | ロンドンつれづれ

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台所に、どーんと30センチもあるでーっかいたくわんが2本も置いてあった。

 

???

 

 

一体だれが???

 

夫に「これ、どうしたの?」と聞くと、「アマゾンで買った」というではないか。

 

そういえば夫はアマゾンで変な名前の和風お菓子(でも、本当の日本製じゃない)を買ったり、変なインスタントラーメン(これも日本製じゃない)を買ったりすることがあるのである。

 

このたくわんも、どうやらアマゾンで探して買ったらしい。

 

「え、たくわん、好きだったの?」と聞くと、「うん、だーいすき!」というではないか。

 

いったい、いつからたくわんをそんなに好きになったんだろう?  知らなかったな。

 

そういえば、いつのまにか、ラッキョウも好きになっていて、私が日本に帰るたびに「ラッキョウ、ラッキョウ!」とうるさく言うのである。あれはけっこう瓶も重たいし、案外高いし・・・さらに買ってきても、2,3日であっというまに食べてしまうのである。 

 

たくわんなんて、我が家でそんなに食卓にのぼることは少ないはずなのにいつのまに好きになったのであろうか。 たまに、もっとうんと小さいサイズのものをジャパンセンターで買ってきては(高いので、びくびくしながら)、キュウリの薄切りに混ぜたりして量を増やして食べたりはしているが。

 

夫は、実は、クオーター・ジャパニーズである。 しかし私は夫と初めて会った時も、彼に日本人の血が入っているとは思わなかった。 その他にもロシア人やイギリス人など、先祖をたどれば結構いろんな血がまざっているので、国籍不詳という風貌なのである。 ま、ヨーロッパにはそういう人は多い。

 

でも、私と出会うまでは、ヨークシャーの田舎育ちの夫は、和食を食べるということはほとんどなかったはずだ。 そしてたまにロンドンに出てくると、ジャパニーズフードと銘打って、わけのわからないものを食べさせるような店に行っては、ラーメンもどきや寿司もどきのようなものを感動して食べていたらしい。 で、味噌汁は嫌い、と最初は言っていた。おそらく、カエルのしょ〇べんのような薄くてまずい味噌汁しか飲んだことがなかったのであろう。出汁もいれず、味噌だけ、みたいな。

 

私と暮らすようになり、ご家庭の普通の味噌汁を味わい、「味噌汁ってこんなにおいしいんだ!」と感動したそうである。 自分の職場の友人などを家に呼んでは、「味噌汁がうまいんだ!」とか、「たこ焼きはスーパーだ!」などと、日本のどこの主婦であっても簡単に作るようなものを人に自慢するので恥ずかしかったのである。

 

そうして、今では、仕事に忙しくてなかなか料理をしない私が家に帰ると、「豆腐の味噌汁」や、「だし巻き卵(夫はこれも大好き)」などを、器用に作って出してくれるようになったのである。 ご飯をふっくらと炊いて、鮭の切り身を醤油とみりんにつけておいて焼いたものまで出してくれる。

 

これを書いているたった今も、台所でなにやら酢豚のようなものを一生懸命作っているのだ。 ネットでレシピを発見しては、和食っぽいものを作っては出してくれる。 たまに台所で思うようにならない食材や鍋釜を相手に、罵り言葉を言ったりしているのが聞こえてくるが、そのうちにお盆に料理をのせて、いそいそとテーブルに載せてくれるだろう。それまでは、私は台所はのぞかないで、「うわ~、おいしそう!!」という言葉だけ用意して、テレビを見ながら待っているのである。

 

きっと、今日は、酢豚と「たくわん」だろう。 さっきから30分も待っているのだが、途中で車で慌てて外へ出て行ったから、なにか大切な食材を買い忘れたのだろう。 本当に、マメな夫なのである。 感謝しなくてはいけない。 

 

私が残業まみれの仕事を土曜日までしていたというのに、自分はロンバルディア杯をみにイタリアに一人で行ってきたから、ちょっと妻のご機嫌をとろう、という計算もあるのかもしれない。

 

来週は私が夫を置いて、クロアチアまでジュニアグランプリを見に行く予定である。 本当に、それぞれ勝手なことをしている夫婦なのである。

 

ああ、そろそろできたようです。ご飯の炊けたいい匂いがしてきました・・・・。