チェコJGP, 日本選手頑張った! | ロンドンつれづれ

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イギリス、スケートに興味のある方、お立ち寄りください。(記事中の写真の無断転載はご遠慮ください)

まず、女子。

紀平選手、本当に惜しかった!

でもフリー冒頭の3Aアテンプト、たいした勇気とガッツです。痛そうな危ない転倒だったので、ヒヤッとしましたが、リカバリーはシニアなみの根性。

そして、ジャンプだけでなく、スピン、スケーティング技術、表現力、演技を観客に「魅せる」ことのできる才能、すべてに高い将来性がありました。

彼女の3Aは、力とスピードのある伊藤みどりさんタイプのジャンプですね。


紀平梨花選手、ラプソディ・イン・ブルー



「この少女は、素晴らしいスケーター、素晴らしい演技者、そして素晴らしい競技者です。タフなスタートでした。しかし、彼女はそれをものともせず、卓越した演技を続けました。最初のジャンプを見ましょう。きつい転倒でしたね。練習やウオームアップでは3A3トウを跳んでいるのを見ましたが、空中で足がクロスしたまま、何か躊躇して着氷したように見えますね。ハードな転倒でした。しかしその後の3ルッツ、3トウはきれいに決まりました。つづく3ループは少し前傾しましたが、姿勢を立て直し着氷して流しました。ダブルアクセル、ちょっと軸がずれましたが3トウへつなげます。空中の姿勢をコントロールできるスケーターです。3フリップ、2トウ、2ループ、ちょっとステップアウトしましたね。最後のエレメンツ、3ルッツ、軽々と跳びました。素晴らしいスケーターです。スコアを待ちましょう…」


青木祐奈選手、オン・マイ・オウン(レ・ミゼラブル)




「まず、彼女のエレメンツを見る前に、日本人のスケーターたちにはみな、なにか特別な質の高さがあるということを言っておきたいのです。彼女らは氷の上を飛翔し、軽々と自由で、音楽を感じながら滑り、美しい。もちろん試合では技術面をしっかりやって見せなくてはいけません。今日は、ユナにとって厳しい日だったことは確かです。さて、エレメンツを見てみましょう。冒頭、3ルッツ、空中ですでに姿勢が崩れ始めるのが見えます。両足着氷、フリーレッグのかかとが氷に刺さりました。3サルコウ、空中でちょっと足が乱れてますが、きちんと着氷。2アクセル、3トウのはずが、ダブルに。トリプルの高さに十分な反動力が足りませんでした。セカンド3ルッツ、3ループを頑張りたかったんですが、高さが足りませんでした。3フリップは、よくきれいに決めましたね。この少女は、以上のエレメンツをすべて決める能力はあることは疑いの余地はありません。しかし残念なことに、今夜はそれができなかった、ということでしょう…」



須本光希選手 SP



「ミツキは基礎的なスキルが高い選手です。とくにジャンプではよくセンターがとれていますがスピンは少し遅く、ポジションも向上の余地があるでしょう。音楽の表すパーソナリティをリンクで表現しようとする努力はもっと必要でしょう。それができるようになれば、演技はうんとよくなります。今はまだ氷上でシリアスすぎますね…。でもそれもだんだんにできるようになるでしょう。エレメンツ、2アクセル、流れがいいです。テイクオフも着氷後のスピードもいいですね。3ループ、軽々ときれいに決めました。腕をもうちょっとなんとかするといいですが、テクニックは完璧。ここでちゃんと待つところ、見てください。待って待って、3トウを押し出してます。教科書のような模範的コンビネーション。」


フリー


「ジャンプの多くを後半にもってきました。3サルコウ、少し軸が傾いていますが着氷はうまく吸収して流れをだしました。3ルッツ、いいですね、3トウ、2.39のマークがつきました。3フリップ、2トウ。いいですね。3ループ。演技最後に3ルッツ、2トウ、2ループ。美しく決めました。回転の速いジャンパーですね。高さはあまりないけれど、回転が速い。最後のコンビネーションも含めてどのジャンプもクリーンに降りました。」




紀平選手、0.08ポイントの差で2位。でも、ISU公式戦で3Aアテンプトをした勇気を褒めたい。フルパッケージの天才少女。

青木選手、解説者の言う通り。本当はすべてのエレメンツを完璧にできるはず。ただ、今晩はその日じゃなかった。そのスムースで情緒的な滑りは美しく、ジュニアとも思えない質の高さです。負けないで。

須本選手、強豪を相手に、頑張った。基礎的な技術のしっかりした将来有望な若手選手。解説者のいうように、表現力がついてきたら鬼に金棒。



勝負の世界は厳しい。こんなに若いうちから、勝ったり、負けたりを繰り返して強くなっていくのがスケーターさんたちである。

リンクの中央に立ったら、たったひとり。 だれも助けてくれない。 演技の結果は自分で責任を持つ。

もちろん、コーチや家族、友人、そしてファンのサポートはあったとしても…。


戦いのシーズンは始まった。ジュニアにも、シニアにも。

スケーターの皆さん、怪我のないよう、頑張ってください!そして、体を自由に使えて氷の上で自由自在に飛翔できる短い年月を楽しんでくださいね!