ロイヤル・カレッジ・オブ・アートは、上野の芸大の大学院みたいなところである。英国の芸術大学の頂点にある。
作家さんもいれば、キュレーターのタマゴもいれば、アートライターの駆け出しもいる。日本と違って、若い人ばかりではない。大学院だから、わたしの大学と同じ、かなりの年齢の人も勉強に来ているのだ。
ロンドンには、この他に、ピカデリーサーカスからすぐのところに、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツというのがあって、こちらにも学生さんがいるそうであるが、大学院レベルがごく少数いるだけだ、と聞いたことがある。こちらは、RAAと称されていて、こちらのプロフェッサーでも、RA(ロイヤル・アカデミシャン)の称号を名前の後ろにつけてもいい作家さんは、限られているのだそうだ。
毎年、RA,サマー・エキシビションというのを開催しており、数千点(もっとかも)の芸術作品を展示、即売している。日本にもこういった催しがあれば、もっとコンテンポラリーアートも盛んになるであろうし、一般の人が本物のアートを手に入れる機会も増えるであろう。
下は、RA Summer Exhibitionの地下鉄内の広告
さて、日本人学生さんの作品である。
中々おもしろい、作品群であった。花のような部分はフェルト、金属部分は車の部品だそうである。また、中央にスピーカーがついていて、そこから山手線の駅で聞こえる発車前の音楽が聞こえてきた。
なお、彼の作品は、英国の大手の新聞、The Independent紙に取り上げられた。
また、別館にはもう一人の日本人作家さんの作品も展示してあった。
今日のロンドンは、6月の後半とも思えない天気で、ロンドンらしい雲の厚い、どんよりとした天気であった。
バターシーブリッジを通りかかるバスからみるテームズ川も、空とおんなじどんよりした色であった。
バスは、高いお店のならぶナイツブリッジを通り過ぎる。
ダブルデッカーの2階からみると、タクシーもこんな風に見える。
行って、帰ってきて、3時間はかかったが、無駄足ではなかったという感想が持てた。
今後伸びそうな作家さんたちであった。
翌日、東京ワンダーサイトの所長さんを招いてのトークがあったので、そちらにも顔を出すように伝えておいたら、ちゃんとやってきた。東京ワンダーサイトは、東京都のもつ設備であるが、所長さんが自由な発想で色んなイベントなどを企画している。海外のアーティストのレジデンシーにも熱心、コンテンポラリーアートでは先進的な役割を果たしている。
所長さんを彼らに紹介し、しっかり名刺をもらって、顔を繋ぐことができた。所長さんも、若い人たちにやさしく言葉をかけていた。
ネットワーキングまではわたしの仕事の範囲である。これからそれをどう生かすかは、本人しだいだ。同じ腕のある作家さんであれば、自分をしっかり売り込める人の勝ちである。アートといってもビジネスだ。これで食べていかれるかどうかは、自分しだい。プロアクティブに動いて将来を切り開いて欲しい。