ファンというのは、すごいものである。
日本の誇るソフトウェア、初音ミクちゃんも、イギリスのフェイスブックだけでもフォロワー(というんですか?)何十万人もいるそうだ。
いまや世界的に有名になったスケーター、浅田真央ちゃん、高橋選手、羽生結弦選手などにも何十万人ものファンが世界中にいるに違いない。
わたしが、羽生選手のファンだというので夫が英語のファンサイトをちょくちょく読んでは色々教えてくれる。
数日前に、羽生選手が福岡のアイスショーにでないことになったらしいよ、という。へええ、でもそれってファンが言ってるだけだからあんまり当てにはならないよね・・と思っていたら、今日、日本のあるブログのお友達のところでやはりそう書いてあったのでびっくりした。チャリティショーにでられなくなった、ということである。
ファンの地獄耳は恐ろしい。昨季の世界選手権の時も、かなり早い段階でファンのブログでは羽生選手の体調不良のことが話題になっていて舌をまいた。いまや、ツイッターと言うのもあるし、英語の分かる人も多いし、どこかで情報が漏れると、あっというまに世界を駆け巡るらしい。
今、英語版のファンサイトでは羽生選手のSPのことが話題になっている。どうやらオーサーなどコーチ陣は、SPは来季もパリジャン・ウオークウェイを続けたいらしい、と。
ファンサイトの空気は、ユヅルは18歳と若いのだから、安全策をとるよりは新しいプログラムに挑戦すべきだ、という意見が多い。「ユヅル本人は、新しいプロに挑戦したがっているらしいよ」 「じゃあ、オーサーに手紙をだそうか、みんなで!」という意見まで出ていた。「いやあ、ファンがどう思うかなんて酌量しないよ、コーチ陣は2013-2014年のシーズンを勝ち抜くための戦略があるんだから、わたしたちがどう思うおうと、ユヅルが勝ち抜けるための作戦をたてるはずだ」、とかしましい。
中には「わたしは審査員数人と話したけど、やはり彼らも新しいプロに挑戦した方がいいと思っているらしい」と書いている人までいて、ほんまかいな、審査員もそんなこと、べらべら話すのかな、とちょっと思ったりもした。
ファンの一人としては、新しいプロを見たい気もする。だけれども、パリジャン・ウオークウェイは確かに完成されたショートで、これをオリンピックで使わないのはもったいないような気もする。このSPを引っさげて勝負に乗り込めば、これからの練習は確かにフリーに集中できるだろう。
ああ、悩ましい・・・。
って、ファンがいくら悩んでいたって、どうしょうもないのだ。要は、羽生結弦選手がコーチと一緒になって、何をやりたいかを決めるしかないのだ。オーサーも、この方がいいと思うよ、とアドバイスはするだろうが、最終的な決定権は、もちろん羽生選手にある。わたしたちは、彼の結論を尊重し、どんな結論をだそうと応援をしていくことがファンとして正しい態度である。(と思う)
どのアイスショーに出演するか、出演しないかも同じである。まだプロではないアマチュアの選手なのだから、競技会、そしてそのための準備に一番プライオリティを置くべきである。アイスショーに対しては、なんの義務もないのだ。がっかりする人達はもちろんいると思うけれど、どのショーに出演するか、あるいは出演できなくなったか、それも含めて競技選手の決定をファンは受け入れて尊重するしかないのだ、と思う。
まだ18歳で時間もある。オリンピックだって、ジョニー・ウイア氏が言うように「これから、4回は出て欲しい」ということも可能かもしれない。でも、勝負は時の運、なにがあるのか分らないのだ。1回目のオリンピックだって、羽生選手は「今回限り」のつもりで全力疾走するに違いない。
若さと素直さ、伸び伸びとした性格の羽生君は、わたしの夫も大ファンである。「日本人には珍しいタイプの新しいアスリート」と評する。「緊張を楽しみ、感情を素直に表現し、自分の目標をはっきり定めて臆することなくそれを口にする。いいじゃないか。 Why not? 」と。
そして、羽生選手はこういっているように見える、とも。
Catch me if you can...!
更なる高みをめざし、本当に一歩も二歩も先に行く。
でも待っているのは苦手だから、僕は駆けていくよ。追いついてこいよ、早く!
若いうちは、それができるし、そうでなければいけないと思う。
頑張れ、羽生結弦選手、2013-2014季の勝負は、そろそろ始まる・・・・。