【作品#0976】G.I.ジョー バック2リベンジ(2013) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

G.I.ジョー バック2リベンジ(原題:G.I. Joe: Retaliation)

 

【概要】

 

2013年のアメリカ映画

上映時間は110分

 

【あらすじ】

 

「G.I.ジョー」は極秘任務を終えた後、アメリカ合衆国大統領に扮したザルタンによって裏切り者扱いされ攻撃を受ける。デュークら多くのメンバーが戦死する中、ロードブロック、レディ・ジェイ、フリントは辛うじて生き延びる。アメリカに戻った3人はアメリカ大統領が偽物である可能性を考え、ジョン・コルトン司令官に助けを求める。

 

【スタッフ】

 

監督はジョン・M・チュウ

音楽はヘンリー・ジャックマン

撮影はスティーヴン・F・ウィンドン

 

【キャスト】

 

ドウェイン・ジョンソン(ロードブロック)

エイドリアンヌ・パリッキ(レディ・ジェイ)

D.J.コトローナ(フリント)

イ・ビョンホン(スチームシャドー)

ジョナサン・プライス(アメリカ合衆国大統領)

チャニング・テイタム(デューク)

ブルース・ウィリス(ジョー・コルトン司令官)

 

【感想】

 

前作よりも製作費は下がったにもかかわらず前作以上のヒットを記録したシリーズ2作目。シリーズ3作目も検討されたが実現せず、「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021)」としてリブートされることになった。

 

前作はチャニング・テイタムが主演だったが、本作はドウェイン・ジョンソンが主演になっている。そのチャニング・テイタムは序盤に少し登場した後、敵の襲撃の場面で死んでしまう。その後も「実は生きていた」とかそんな展開はなく以降に登場することはない。チャニング・テイタムは本シリーズへの出演を「自分を売るため」と公言しており、続編である本作にも出演したくなかったため、このような展開を用意してもらったことだろう。チャニング・テイタムが主演しない時点で続編を作るべきではないと思うわ。

 

更に、前作の主要キャストではチャニング・テイタム演じるデューク周辺のキャラクターは軒並み出演せず、本作のキーキャラクターでもあるコブラコマンダーを演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットでさえも出演していない。続投したメインキャストはアメリカ大統領を演じたジョナサン・プライスとストームシャドーを演じたイ・ビョンホンくらい。これでよく続編を作ろうと思ったな。一応前作よりも予算はダウンして、前作よりも売り上げは上がっているのでその観点から言えば成功したと言えるのだろうが。

 

冒頭は秘密部隊「G.I.ジョー」による掃討作戦が描かれる。前作は特殊なメカやガジェットを使っていたのに、本作では基本的に特殊部隊と何も変わらない。強いて言えば冒頭でドウェイン・ジョンソン演じるロードブロックが手袋型の加熱式ワイヤーカッターを使う場面くらい。これだと「G.I.ジョー」が前作より劣化したと思われることになるし、特殊部隊ではなく「G.I.ジョー」が作戦を遂行している意味が伝わってこない。そして、「G.I.ジョー」は乗っ取られたアメリカ大統領によって襲撃された上に裏切り者扱いされることになる。

 

井戸の中で襲撃を逃れたロードブロック、レディ・ジェイ、フリントの3人は砂漠を歩いていると、民間のものではなさそうな空港を発見する。ロードブロックが「これで帰れる」と言うと、次の場面ではアメリカにいる。いい加減にも程があるでしょ。しかも、以降は「G.I.ジョー」が生きていると敵にバレることも、大統領によって裏切り者認定された彼らが民間人から醒めた目で見られることもない。

 

そしてアメリカに戻ると信頼できる人物としてブルース・ウィリス演じるジョー・コルトン司令官が登場する。レディ・ジェイが見抜いた大統領が偽物であるという情報をいとも簡単に信じてコルトン司令官は主人公らに協力してくれる。

 

一方、スチームシャドーは前作死んだはずなんだが当たり前のように生きている。もはや説明する気すらない。また、ジョセフ・ゴードン=レヴィットがコブラコマンダーを演じないことで、このコブラコマンダーはまるで空気のようなキャラクターになっている。この非常に重要なキャラクターを前作の俳優が再演できなかったことで受けたダメージは大きい。さらに彼の姉にあたるアナも登場しないし、こうなるのならコブラコマンダーは登場せずに、アメリカ大統領になりすましたザルタンの暴走とかで良かったんじゃないの。

 

そのザルタン扮するアメリカ大統領が開催したサミットでは核放棄を各国首脳に依頼し、それに応じないのなら核ミサイルを発射するとして本当に発射してしまう。すると各国首脳も慌てて核ミサイルを発射する。そこでザルタンが核ミサイルを自爆させると各国もそれに倣う。それが終わるとザルタンは核よりもクリーンな大量兵器をロンドンに発射し、ロンドンは壊滅的なダメージを受ける。

 

前作でパリのエッフェル塔を壊したのに味を占めたのか、今度はロンドンの街を壊滅的な状態にしてしまう。そういう映像を見せたいという製作者側の願望だけでそういう展開にしていないか。別にそこに至る前に解決でも良いと思う。特に本作のような話で、映画の最後は「めでたしめでたし」感に溢れている。あの映像から想像するにロンドンの死者は下手すりゃ100万人レベル。

 

ラストはロードブロックが帰宅すると二人の娘と感動の再会を果たす。冒頭にも彼女たちは登場したが母親がいないのは何か理由があるんだろうか。あんな小さい娘二人だけで暮らせるわけもないし、冒頭で一緒に遊んでくれたデュークはこの世にいないのだが、それを思い出させるような余韻もない。

 

そもそもいい加減な出来としか言いようがなかった前作の続編を製作するということ自体に無理がある。加えて前作のメインキャストはほとんどが続投せず、チャニング・テイタムは序盤のゲスト出演程度。これでも続編製作にゴーサインを出すなんて、どれだけ金儲けしたかったんだ。結果として前作よりもヒットしたんだからその観点からすれば成功したのかもしれないが、この姿勢には真摯さを感じない。何より、私にとって馴染みこそないが本作に「G.I.ジョー」らしさってあるか⁉これが最大の疑問。

 

【関連作品】

 

G.I.ジョー(2009)」…シリーズ1作目

「G.I.ジョー バック2リベンジ(2013)」…シリーズ2作目

「G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021)」…リブート

 

 

 

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├「G.I.ジョー バック2リベンジ」外伝

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