【タイトル】
3人のゴースト(原題:Scrooged)
【概要】
1988年のアメリカ映画
上映時間は101分
【あらすじ】
テレビ局ICBの社長フランク・クロスは社外では評価されていたが、その性格の悪さから社内では嫌われ者であった。ある日、彼のオフィスに7年前に亡くなった前社長が幽霊として現れて忠告するが…。
【スタッフ】
監督はリチャード・ドナー
音楽はダニー・エルフマン
撮影はマイケル・チャップマン
【キャスト】
ビル・マーレー(フランク・クロス)
カレン・アレン(クレア)
ジョン・フォーサイス(ルー)
ロバート・ミッチャム(プレストン会長)
アルフレ・ウッダード(グレイス)
【感想】
ビル・マーレーにとっては「ゴーストバスターズ(1984)」以来の主演映画となった。また、チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」の翻案でもある。
「ゴーストバスターズ(1984)」があれだけヒットしたんだからゴースト映画にまた出演というのは分からなくもないが、やっぱりナシだな。ちなみに本作の翌年の「ゴーストバスターズ2(1990)」も興行的には成功したが批評的には失敗に終わっている。また、傲慢な主人公がとあるファンタジー要素によって改心していく物語は後の「恋はデジャ・ヴ(1993)」を思わせる。
結論から言うと、設定にしても周囲のキャラクターにしてもちょっと主人公に甘いかな。現在・過去・未来をゴーストと共に行き来して自分を見つめ直す。前社長は自分の二の舞にならないようにとわざわざ化けて現れて主人公に忠告し、3人のゴーストは主人公のフランクが自分を見つめ直すために必要な場所へと連れて行ってくれる。
また、カレン・アレン演じるフランクの元恋人クレアも主人公に優しい。というか誰にでも優しいキャラクターである。このクレアをしてもフランクの行動は身に余るものがあると思うのだが、最終的にはフランクを受け入れる結末である。カレン・アレン自体は健気でまさに本作における救いとなる存在に映る。
要するに主人公は恵まれているのだ。こんな恵まれた環境もないと思うぞと言いたくなる。ただ、それでも人間というものは自分の置かれた環境なんてたとえ恵まれようと慣れたら不満も出るし、自分のことに手一杯で周囲に気を配れないこともあるだろう。そんな何気ない日常を振り返るには良い教訓映画とも言えるかもしれないが、もっと主人公に冷たく当たっても良かったと思う。まぁコメディ映画だからしょうがないのかもしれないけど。
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