【タイトル】
ゴーストバスターズ(原題:Ghostbusters)
【概要】
1984年のアメリカ映画
上映時間は105分
【あらすじ】
超常現象を大学で研究するヴェンクマン、スタンツ、スペングラーの3人の博士らは、ニューヨーク公立図書館でゴーストをついに確認するが、彼らの研究にもうお金を出せないとして大学から解雇されてしまう。そこで彼らはゴーストを退治する会社「ゴーストバスターズ」を立ち上げると、ディナという女性がゴースト退治の依頼にやって来る。
【スタッフ】
監督はアイヴァン・ライトマン
脚本はダン・エイクロイド/ハロルド・ライミス
音楽はエルマー・バーンスタイン
撮影はラズロ・コヴァックス
【キャスト】
ビル・マーレー(ピーター・ヴェンクマン)
ダン・エイクロイド(レイモンド・スタンツ)
ハロルド・ライミス(イゴン・スペングラー)
シガニー・ウィーバー(ディナ・バレット)
【感想】
本作は同年の興行収入で2位を記録するなど、世界中で大ヒットを記録し、レイ・パーカー・ジュニアによる同タイトルの主題歌も大ヒットした。本作は大きな話題を呼んだことから多くの評論を生み、政府支出を小さくして規制緩和をする自由市場を展開した当時のレーガン政権時代を反映させ、ゴーストは犯罪やホームレスを象徴していると評された。また、「クレオパトラ(1963)」などの美術で知られる巨匠ジョン・デ・キュアの遺作となった。ちなみに、環境保護局の男を演じたウィリアム・アザートンと、留置場の看守を演じたレジナルド・ベルジョンソンは後に「ダイ・ハード(1988)」でも共演し、ウィリアム・アザートンは本作と同じような憎まれ役を演じている。
本作と言えばやはりレイ・パーカー・ジュニアによる同名主題歌だろう。映画を見たことなくても聞いたことのある耳残りする陽気なメロディ。ここまでキャッチーな音楽が作られると、つい本編中に何度も使ってしまいがちだが、本作でこの曲が流れるのはせいぜい数回である。しかも、本作公開当時はMTV全盛期で、「フラッシュダンス(1983)」や「トップガン(1986)」などのようにテーマ音楽を劇中で何度も流す、はっきり言ってくどい演出の作品が溢れていたが、主題歌やテーマ音楽の使い方、使いどころ、使う回数は的確だったと感じる。ちなみに、レイ・パーカー・ジュニアは本曲の発売後にヒューイ・ルイスから「I Want A New Drug」の盗作として訴訟を起こされた(そのヒューイ・ルイスもイギリスの音楽ユニットMの「ポップ・ミューヂック」からの盗作として訴訟を起こされている)。
コメディ映画であり、笑いどころもあるにはあるが、特に音声解説なんかを聞いていると、英語が分かっていればもっと笑えるのかなと思うところはある(特に海外のコメディ映画全般に言えることだが)。メインキャスト3名による掛け合いは、監督も意識したというマルクス兄弟を思わせ、息ぴったりである。ただ、そんな中でも一番印象に残ったのは、ディナの隣人を演じたリック・モラニスである。可哀そうなキャラクターだが、一番おいしいキャラクターでもあった。下記のファンによる音声解説でも指摘されるが、環境保護局が立ち入って来た時に、イゴンと環境保護局の男の指の動きをずっと真似ているところなんかは芸が細かくて良い。
ゴーストは当時のSFXで非常にチャチな出来だが、これも80年代っぽい味ということで良いだろう。それでも実写でできることは実写で頑張り、最後にマシュマロマンが出てくるところは出オチではあるがインパクトは大きい。
一見中身のない映画にも見えるが、当時の世相も大きく反映していると言える。当時のアメリカは共和党レーガン政権であった。小さな政府を目指す中で、大学の研究室の予算が立たずに主人公らがクビを切られ、彼らが民間の会社として事業を大きくしていくところもレーガノミクスを反映させていると言える。また、当時爆発的に増えていた移民をゴーストに暗喩させ、彼らを退治するのも保守の共和党政権時らしい作品と言える。
【音声解説1】
参加者
├アイヴァン・ライトマン(監督/製作)
├ハロルド・ライミス(脚本/イゴン役)
├ジョー・メジャック(製作補)
上記3名による対話形式の音声解説。「15年前」という言葉が出てくることから、DVDが発売されることを記念して1999年頃に収録したものと思われる。彼らの関係の良さを感じることのできる和やかな雰囲気で行われており、思い出話に花が咲いているような印象である。脚本のない段階で公開が1年後に決まったこと、試写での反応、エキストラやロケ地の協力、特殊効果や撮影時のトリック、闇市場でセリフ入りのTシャツが販売されていたことでヒットを確信した話など、トリビアも満載で聞き応えは十分にある。
【音声解説2】
参加者
├「ゴースト・コープス」のエリック
├「ゴーストバスターズHQ」のトロイ
├「プロトン・チャージング」のクリス
├「ギーク・ヒストリー・レッスン」のアシュリー
├エクト・ワンのレプリカでお馴染みのショーン
コロンビア・ピクチャーズ傘下の映画スタジオ「ゴースト・コープス」のエリック、「ゴーストバスターズ」の拠点となる消防署「ゴーストバスターズHQ」のトロイ、「ゴーストバスターズ」ファンの組織「プロトン・チャージング」のクリス、映画オタクの集まり「ギーク・ヒストリー・レッスン」のアシュリー、エクト・ワン(本作で主人公らが現場へ駆けつける時に乗っている車)のレプリカでお馴染みのショーンという「ゴーストバスターズ」フリーク5名による対話形式の音声解説。
本作公開から35周年を記念して発売されたシリーズ2作品と特典ディスク含む3枚組Blu-rayの発売時に新録されたもので、この3枚組Blu-rayにのみ収録されている。何十回と観ているファンだからこそ知っている、気付いている箇所への言及や考察、初鑑賞時の想い出、聖地巡礼の話など、楽しい雰囲気で話してくれる。
【関連作品】
「ゴーストバスターズ(1984)」…シリーズ1作目
「ゴーストバスターズ2(1989)」…シリーズ2作目
「ゴーストバスターズ(2016)」…リブート1作目
「ゴーストバスターズ/アフターライフ(2021)」…シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├アイヴァン・ライトマン(監督/製作)、ハロルド・ライミス(脚本/イゴン役)、ジョー・メジャック(製作補)による音声解説
映像特典
├監督と脚本と振り返る『ゴーストバスターズ』
├Gallery 1988によるポスター・ギャラリー
├TV編集版別テイク
├ミュージック・ビデオ:“ゴーストバスターズ" by レイ・パーカーJr.
├ピクチャー・イン・ピクチャー:スライマー・モード
├エクト・ワンの復元
├エクト・ワン・ギャラリー
├未公開シーン集(10種)
├オリジナル・メイキング(1984)
├監督&キャスト・インタビュー(1999)
├SFXスタッフ・インタビュー
├SFXビフォア・&アフター
├絵コンテと映像の比較(3種)
├『ゴーストバスターズ』オリジナル劇場予告編
<BD(2枚組)>
本編
├ゴーストバスターズ(Disc1)
├ゴーストバスターズ2(Disc2)
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├アイヴァン・ライトマン(監督/製作)、ハロルド・ライミス(脚本/イゴン役)、ジョー・メジャック(製作補)による音声解説(Disc1)
├「ゴースト・コープス」のエリック、「ゴーストバスターズHQ」のトロイ、「プロトン・チャージング」のクリス、「ギーク・ヒストリー・レッスン」のアシュリー、エクト・ワンのレプリカでお馴染みのショーンによる音声解説(Disc1)
├アイヴァン・ライトマン(監督)、ダン・エイクロイド(脚本/レイモンド役)、ジョー・メジャック(製作総指揮)による音声解説(Disc2)
映像特典
├スライマー・モード:製作の舞台裏(ピクチャー・イン・ピクチャー)
├スライマー・モード:トリビア・トラック(プロダクション・ノート)
<4K Ultra HD+BD>
収録内容
├上記BDと同様