【タイトル】
フラッド(原題:Hard Rain)
【概要】
1998年のイギリス/デンマーク/フランス/ドイツ/日本/アメリカ合作映画
上映時間は97分
【あらすじ】
アメリカ中西部の小さな町ハンティングバーグは記録的な豪雨に見舞われ、住民も多くが避難する事態となった。現金輸送車に乗る警備員のトムは車が立ち往生してしまい無線で救助を要請する。すると、助けに来たと思った男たちから襲撃を受け、トムは現金を持って逃走する。
【スタッフ】
監督はミカエル・サロモン
音楽はクリストファー・ヤング
撮影はピーター・メンジース・ジュニア
【キャスト】
クリスチャン・スレーター(トム)
モーガン・フリーマン(ジム)
ランディ・クエイド(マイク)
ミニー・ドライヴァー(カレン)
【感想】
「スピード(1994)」の脚本家グレアム・ヨストが執筆した脚本は一時、その続編として検討されたが頓挫して現在の形になったようだ。また、グレアム・ヨストが脚本を書いた「ブロークン・アロー(1996)」で監督したジョン・ウーが本作の監督を務める可能性もあったそうだ(クリスチャン・スレーターの起用、教会と鳩、スローモーションに銃撃戦はその名残りか⁉)。
街中が洪水になった中で強盗一味と現金輸送車の職員が戦うというお話だが、途中から金に目が眩んだ保安官が一番の悪役になってしまう。意外性を狙った展開かもしれないが、そこから物語の面白さは急転直下してしまう。なので、珍しく悪役として登場したモーガン・フリーマンも最後は主人公の命を助けたことで見逃してもらうという展開になる。結局モーガン・フリーマンって本当の意味での悪役ってやらんのだな。
金に目が眩んだ保安官が中盤以降の悪役になることで意外性を狙ったのかもしれないが、結局モーガン・フリーマンは悪役じゃないのかよという思いの方が強くなったわ。
まず、本作はオープニングの時点でちょっとミスっていると感じる。映画が始まった段階ですでに町は大雨によって洪水になり始めている。洪水になる前の街を見せたうえで、洪水になったことである場所が使えないとか、逆に洪水によってうまく利用できるみたいな展開があると街中を洪水にしてアクション出来る意味があったと思う。
それでも街中が洪水になった中でアクションを繰り広げるというのはちょっとしたロマンを感じる。SF映画における無人の街とかに似たものかな。本当に街を洪水にして撮影したんじゃないかと思える場面もあり、この映画のリアリティラインは完全にクリアしていると思う。ちなみに、クリスチャン・スレーターは「体温を0.1度でも下げてはならない」という契約を結んでいたらしいので温水プールみたいな感じで撮影されたのだろうか。それでもスタッフもキャストも大変だったことは伝わってくる。
洪水になった無人の街が舞台のアクション映画という意味ではそれなりにオリジナリティある一本だと思うが、もっとシンプルで良かったと思う。観客が洪水の街の描写に見慣れてからの一工夫あるアクションが必要だった。
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【配信関連】
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