【タイトル】
またまたあぶない刑事
【概要】
1988年の日本映画
上映時間は95分
【あらすじ】
タカとユウジは長峰という経営差の捜査中、麻薬密売人の緒方を逮捕するが、証拠不十分で釈放されてしまう。その後、緒方がタカとユウジに保護を求める電話をするが緒方は何者かによって殺されてしまう。
【スタッフ】
監督は一倉治雄
音楽は志能研三
撮影は藤澤順一
【キャスト】
舘ひろし(鷹山敏樹)
柴田恭兵(大下勇次)
浅野温子(真山薫)
仲村トオル(町田透)
木の実ナナ(松村優子)
伊武雅刀(長峰)
宮崎美子(萩原)
【感想】
前作公開から7か月後に公開された劇場版の2作目は同年邦画興行収入ランキングで8位のヒットを記録した。
映画として見るにはあまりにも物足りなかった前作をなぞるように本作も酷い。本作ってギュっとしたらテレビの1時間枠で足りた内容じゃないか。なんかうすーく引き延ばしただけで、95分という映画にしては短めの上映時間ですら長く感じる。
本作のテイストは何となく理解しているつもりだが、いくら何でも主人公の刑事が金で犯人に買収されるのは超えてはならない一線だったんじゃないだろうか。タカとユウジはふざけてこそいるが、刑事としての仕事はちゃんとやろうとしているのが大前提だ。なのに1億円で買収されてしまったら極悪人と一緒だぞ。しかもその1億円は長峰が幼稚園児の乗るバスをジャックさせて要求した身代金の一部である。それをそのまま持ち逃げですか。しかもそれを最後の最後まで返す気はなく、その金を乗せた車がスクラップ工場で潰されているところでエンディングを迎える。いくら何でも酷すぎるわ。これがバレたら懲戒処分どころではないでしょ。この超えてはならない一線を超えたことで以降の展開は全く笑えないわ。
さらに、前作同様に二人が困ると後輩のトオルに助けを求めることになる。トオルは彼女がいるという設定なのに「女を紹介するから協力しろ」と言われると彼らにホイホイついていく。さらにはトオルが県警と撃ち合いをするところまで発展しトオルはそれをあまり悪いことだとは思っていないという描写である。ちょっと頭の悪いキャラクターにしすぎじゃないか。タカとユウジのキャラクターを考えるとこういう展開はなしではないが、後輩に対する愛は感じられず、むしろ馬鹿にしているようにさえ思えてしまう。
それから、浅野温子演じる薫の描かれ方もなかなか酷い。急に奇声を発したり変顔したり。大量の警官に踏み倒されて顔が足跡で真っ黒になるって、漫画でもやらんでしょ。その場面で急に木の実ナナ演じる松村課長が助けに来る流れも理解できない。もうちゃんと脚本を作る気がないのだろうな。
それにラストの対決はありゃなんだ。なぜあんなところで銃の撃ち合いになるのか。最後は伊武雅刀演じる長峰が撃たれて後方の窓を突き破って転落するのだが、この際に伊武雅刀を吊るしているワイヤーが丸見え。これはもうコントですよ。
テレビの映画化作品は山ほどあると思うが、これは映画化しちゃダメなシリーズだったんじゃないだろうか。映画化ということでパワーアップした個所は見当たらないし、はっきりと主人公たちを嫌いになってしまう要素を入れたのは大減点ポイントだ。この線引きの目利きをできる人物がいなかったのが致命的。
【関連作品】
「あぶない刑事(1986-1987)」…テレビシリーズ
「もっとあぶない刑事(1988-1989)」…テレビシリーズ
「あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル’98」…テレビスペシャル
「あぶない刑事(1987)」…劇場版1作目
「もっともあぶない刑事(1989)」…劇場版2作目
「もっともあぶない刑事(1989)」…劇場版3作目
「あぶない刑事 リターンズ(1996)」…劇場版4作目
「あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE(1998)」…劇場版5作目
「まだまだあぶない刑事(2005)」…劇場版6作目
「さらばあぶない刑事(2016)」…劇場版7作目
「帰ってきた あぶない刑事(2024)」…劇場版8作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(日本語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(日本語)
映像特典
├スタッフ座談会 ~あぶデカをつくった男たち~(丸山昇一×柏原寛司×一倉治雄)
├タカ&ユージのスクランブルパーティーをアゲイン
├『あぶない刑事』劇場6作品予告編集
├フォトギャラリー