【タイトル】
あぶない刑事
【概要】
1987年の日本映画
上映時間は
【あらすじ】
とある製薬会社の研究センターの職員が殺されてデータも破壊される事件が発生した。また、ライバル会社の株価高騰で莫大な利益を得た鳴海という画商の情報を入手した鷹山と大下は探りを入れることにするが…。
【スタッフ】
監督は長谷部安春
音楽は志能研三
撮影は姫田真佐久
【キャスト】
舘ひろし(鷹山敏樹)
柴田恭兵(大下勇次)
浅野温子(真山薫)
仲村トオル(町田透)
木の実ナナ(松村優子)
小野みゆき(結城緑)
室田日出男(鳴海総太郎)
菅田俊(豹藤幸次郎)
【感想】
私は子供のころにこのテレビシリーズのどれかは何となく見たことがある程度である。おそらくテレビのノリをそのまま劇場版に持ち込んだ印象で、所々で映画らしくパワーアップしている感じなのだろう。
このシリーズは舘ひろしと柴田恭兵のダブル主演である。(特に女性)ファンはこの二人の「イチャイチャ」しているところを楽しみにしているのだと思う。それが顕著なのは犯人に手錠をお互いにかけるように言われそのまま署に戻ってくる場面である。そこでは二人でタンゴを踊っているのだ(しかもその場で流れていないBGM付き)。お互いに手錠をかけて離れられない二人がその失態を誤魔化すかのようにタンゴで決めるのだ。どう考えてもやりすぎなんだが、映画内では最も印象に残る場面になっているし、こういうのをファンは望んでいるのだと思う。
アクションで一番印象に残るのは逃げる豹藤を追う舘ひろしが走行中のオートバイからトラックの荷台に乗り移る場面だろう。ここは普通に凄いって思えるシーンである(キーのついたバイクがあそこにある理由は全く分からんが)。ただ映画全体のアクションを見渡せばそのほとんどが全く印象に残ることがないので、このシーンは逆に浮いているとも言える。このクオリティのスタントを全編にわたってやる必要は全くないのだが、本人たちの頑張りがあまり伝わってこないアクションばかりである。
クライマックスでヘリコプターを下りたタカとユウジが豹藤相手に銃を撃つがどう考えても届かないし当たらない距離である。しかも一人相手に終始二人で行動しているのもマイナスだ。せめて回り込むとかなんかあるだろうに。そして、犯人の近くに蛍光塗料の一斗缶があるのを見るとタカとユウジがそれら目がけて銃を放つ。すると、なぜか豹藤はその銃が撃たれた一斗缶の方に走ってわざわざ溢れる塗料を被っている。その後、豹藤は暗がりに逃げ込むと、ユウジはサングラスを外すのだがサングラスを持ったまま銃を構えている。さすがにポケットにしまうか捨てろよ。そして、暗がりの中で豹藤は蛍光塗料で居場所が丸わかりとなり、タカとユウジに撃たれて死んでしまう。この作品のテイストを考えるとなしではないが、ちょっといい加減すぎないか。
あと、このクライマックスになると柴田恭兵の歌う「RUNNING SHOT」が流れ始める。当時の時代感ある一曲ではあるが、サビがほとんどコーラスっていうのもなぁ。
映画全体を見渡せば、バディものとしても、刑事ものとしても、アクションコメディとしてもどれもが中途半端であり、部分的には映画っぽくてもテレビドラマの域は越えられていない(終盤の走るボートに乗る豹藤のバストショットでは豹藤はどう見ても止まった何かの上で撮影しているのが丸わかり。せめて風くらい吹かせろよ…)。
【関連作品】
「あぶない刑事(1986-1987)」…テレビシリーズ
「もっとあぶない刑事(1988-1989)」…テレビシリーズ
「あぶない刑事フォーエヴァー TVスペシャル’98」…テレビスペシャル
「あぶない刑事(1987)」…劇場版1作目
「またまたあぶない刑事(1988)」…劇場版2作目
「もっともあぶない刑事(1989)」…劇場版3作目
「あぶない刑事 リターンズ(1996)」…劇場版4作目
「あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE(1998)」…劇場版5作目
「まだまだあぶない刑事(2005)」…劇場版6作目
「さらばあぶない刑事(2016)」…劇場版7作目
「帰ってきた あぶない刑事(2024)」…劇場版8作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(日本語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(日本語)
映像特典
├スタッフ座談会 ―あぶデカをつくった男たち―(丸山昇一×柏原寛司×一倉治雄)
├オレたち要注意人物 ファッショナブルワンダーランド
├『あぶない刑事』劇場6作品予告編集
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