【タイトル】
バトルランナー(原題:The Running Man)
【概要】
1987年のアメリカ映画
上映時間は101分
【あらすじ】
世界経済が崩壊して警察が権力を握る政権となった2017年。警官のベン・リチャーズは一般市民への発砲命令を拒否したことで強制労働に処せられる。何とか脱獄を試みるも捕まったベンは、デーモンが司会を務める「ランニングマン」という番組に出演させられることになる。
【スタッフ】
監督はポール・マイケル・グレーザー
音楽はヴァッサル・ベンフォード/ハロルド・フォルターメイヤー
撮影はトーマス・デル・ルース
【キャスト】
アーノルド・シュワルツェネッガー(ベン・リチャーズ)
マリア・コンチータ・アロンゾ(デーモン)
リチャード・ドーソン(アンバー)
ヤフェット・コットー(ウィリアム・ラフリン)
【感想】
プロデューサーのロブ・コーエンが本作の原作の映画化権を購入したときはリチャード・バックマンがスティーヴン・キングの別名だとは知らなかったらしい。
主人公のベン・リチャーズがテレビ番組「ランニングマン」に出演するまでに40分近く経過している。それまでにベン・リチャーズが業務命令違反で強制労働の刑に処され、そこで出会った反政府組織と出会って脱獄。弟の退去後にアパートに住んでいたアンバーという女性に出会い国外逃亡を図ろうとするも逮捕され、その身体能力の高さを見込まれてテレビ番組「ランニングマン」に出演するという流れである。反政府組織やアンバーと出会うことも必要な流れではあるが、あまりにも不自然で物語の運び方である。
「ランニングマン」ではシュワルツェネッガー選手相手に様々な試練が立ちはだかる。ところが、送り込まれた刺客はこのベン・リチャーズを本気で殺そうとしているようには到底見えず、アホばっかりで緊張感はまるでない。しかもベン・リチャーズは全身黄色いタイツみたいなコスプレをさせられている。
また、そもそもこの「ランニングマン」が高視聴率の番組であるという説得力が微塵も感じられない。娯楽が制限されているという設定だが、この「ランニングマン」が面白くて高視聴率なんじゃなくて、ほかに娯楽がないから仕方なくこの番組を見ているという設定なら理解できる。ただ、本作ではそうではなくて、あくまで視聴者の多くがこの番組に熱狂的であるという設定だ。どう考えてもつまらなさそうなんだが。
さらに、ベン・リチャーズがこの番組の司会者を殺して映画は終わるのもちょっと違う。こんな小物一人やっつけたくらいでは何も変わらなさそうで残念。せめてこの番組の司会者が国の支配者と同一人物だったらまだ理解できる。別にこの映画の世界観ならそれは不自然ではないと思うぞ。
合成によるフェイク映像などはまさに本作の舞台となる2017年から2019年以降にようやくリアリティを感じるものである。先見の明があるとかなんとか言われているが、別に本作以外でもこんなものはいくらでも予見されていたものだろう。さらに、この要素が本作を面白くする要素にはなっていないのが残念だ。
主演したアーノルド・シュワルツェネッガーは撮影開始後にアンドリュー・デイヴィスからポール・マイケル・グレーザーに変わったことで本作は失敗したと語っている。ただ、本作の脚本だと誰が監督しても凡作にしかならなかったと思う。
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【配信関連】
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【ソフト関連】
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