【タイトル】
ファイナル・プロジェクト(原題:警察故事4之簡單任務/英題:First Strike)
【概要】
1996年の香港映画
上映時間は107分
※国際版は84分
【あらすじ】
香港警察のジャッキーは署長の指示でCIAに協力しウクライナ国籍のナターシャを尾行するように命じられる。ウクライナに到着したジャッキーはナターシャが軍人に囲まれるのを目撃して追いかける。
【スタッフ】
監督はスタンリー・トン
音楽はネイザン・ウォン
撮影はジングル・マー
【キャスト】
ジャッキー・チェン(ジャッキー)
ジャクソン・ルー(ツイ)
アニー・ウー(アニー)
トン・ピョウ(ビル署長)
【感想】
一応は「ポリス・ストーリー」シリーズの4作目として製作されているが、ジャッキー・チェンはチェン役ではなくジャッキー役となっており、シリーズからの出演者はジャッキー・チェンとトン・ピョウだけである(ちなみにトン・ピョウの最後の映画出演作)。
シリーズの4作目であるが、上述のように続編としての要素が薄く、そのためか邦題も「ポリス・ストーリー」と冠していない。こうなるとますます続編として製作された意義を感じづらい。
また、アクション映画としてもやや物足らない。本作最初のアクションシーンは映画が始まって20分頃である。ちょっと遅すぎやしないか。仮に冒頭にアクションシーンがなかったとしても、観客を掴む何かが必要だが本作にはそれがない。
そして、本作のピークはやはり中盤のハシゴを使ったアクションシーンであろう。これこそ観客がジャッキー映画に望むものである。ジャッキー・チェンに道具を与えればこれだけできるんだから他の場面でももっと頑張ってほしかった。
クライマックスは水槽の中で敵とサメ相手のアクションシーンとなる。水中になれば当然動きも遅くなる。それに伴いアクションシーンの緊張感もかなり薄れてしまう。そこへサメを出すことで緊張感を補おうとしたのかもしれないがあまりうまくいっていない。それまでのアクションシーンで見せたスピード感から遅くなればどうしようもない。水中でアクションシーンをやるのならせめて冒頭から中盤までじゃないだろうか。このスピード感をラストに持ってきたのは大失敗だ。
この作品に物語を期待する必要もないのだが、ハシゴを使ったアクションからの展開はさすがにいい加減だ。敵が大勢駆け付けたことでジャッキーが諦めると、彼の無実を知るツイが現れてその場を収めたかと思えば、その次のシークエンスでツイの妹アニーが誘拐される。それ以外にもウクライナからオーストラリアへ行く展開も強引だし、ラストも車ごと船に突っ込んで終わりというのもなぁ。
それからちょっとツイとアニーの物語が深刻過ぎないか。もう少しライトでも良かったと思うぞ。ジャッキーが裸にさせられる場面とかは完全に浮いていた。やっぱりこのシリーズにはメイが出てこないとなぁ。
【関連作品】
「ポリス・ストーリー/香港国際警察(1985)」…シリーズ1作目
「ポリス・ストーリー2/九龍の眼(1988)」…シリーズ2作目
「ポリス・ストーリー3(1992)」…シリーズ3作目
「ファイナル・プロジェクト(1996)」…シリーズ4作目
「プロジェクトS(1993)」…本作のミシェル・キングが演じたヤンを主人公にしたスピンオフ
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【配信関連】
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【ソフト関連】
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