【タイトル】
レイヤー・ケーキ(原題:Layer Cake)
【概要】
2004年のイギリス映画
上映時間は105分
【あらすじ】
麻薬売買の世界から引退を考える主人公はジーンから訳ありの二つの仕事を頼まれるが…。
【スタッフ】
監督はマシュー・ヴォーン
音楽はリサ・ジェラルド
撮影はベン・デイヴィス
【キャスト】
ダニエル・クレイグ(XXXX)
コルム・ミーニイ(ジーン)
ケネス・クラナム(ジミー)
ジョージ・ハリス(モーティ)
ジェイミー・フォアマン(デューク)
シエナ・ミラー(タミー)
マイケル・ガンボン(エディ)
トム・ハーディ(クラーキー)
ベン・ウィショー(シドニー)
サリー・ホーキンス(サシャ)
【感想】
当初はガイ・リッチーが監督する予定だったが他の仕事のために降板し、彼の作品に製作として携わっていたマシュー・ヴォーンの監督デビュー作となった。
また、「007」シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリは本作のダニエル・クレイグの演技を見て彼をジェームズ・ボンド役に考えるようになったとされる。そして、ダニエル・クレイグとベン・ウィショーは後に「007/スカイフォール(2012)」以降、シリーズ3作品で共演することになる。
上述のように本作がダニエル・クレイグをジェームズ・ボンド役に起用する契機となった作品として見ればこそ面白く感じられる場面はいくつもある。本作の主人公は銃は嫌いと言いながらも、ジーンが見せてくれた銃のうちの一つを気に入って構えてみる。ところが銃の扱いに慣れていないために銃口をジーンに向けてしまうという素人のようなミスをしてしまい注意される。そして、その後は後のボンド映画で数多く見てきた銃を構える姿勢を披露しており、まるでボンド映画に出演するためのプロモーション映像なのかと思ってしまうほどだ。
また、「007/カジノ・ロワイヤル(2006)」で見せた肉体美から考えるとダニエル・クレイグの肉体は一回りも二回りも小さく見える。後に相当なトレーニングを積んだんだろうなと思わせる。そして、騙し騙されという物語も面白いし、ボンド映画ならボンドガールと体の関係を持つことになるのに、本作ではタミーという惚れた女とホテルに入るまでたどり着いたのに男たちに捕まってしまう。その後にタミーは登場すらしない。
とはいいつつも裏社会から足を洗おうとして失敗するなんて言う話はこの手の映画の定石である。言ってしまえば小銭程度しか稼いでこなかった主人公がひょんなことから大きな取引をせざるを得なくなり、敵に回した組織から命まで狙われてしまうのだ。ご存じのように階層社会のイギリスにおいて本作に登場するキャラクターたちもタイトルにあるようにいくつものレイヤー(階層)に所属しているのだ。主人公がいた階層から出過ぎた真似をすると本作のラストのようになってしまうのだ。
マイケル・ガンボンという大御所を始め、後にスターになっていくダニエル・クレイグ、ベン・ウィショー、トム・ハーディ、シエナ・ミラー、サリー・ホーキンスなどなど、彼らの若き日を見られるのも貴重。また、マシュー・ヴォーンの監督デビュー作ということで押さえて起きた一本。
【音声解説】
参加者
├マシュー・ヴォーン(監督/製作)
├J・J・コノリー(原作/脚本)
上記2名による会話形式の音声解説。原作からの改変箇所、製作上のミス、演者によるアドリブ、低予算ながらスケール感を出すためにヘリコプターを使った場面、マイケル・マン監督の「ヒート(1995)」からの引用、「スナッチ(2000)」とは異なるテイストの作品を目指した話など、監督と原作/脚本という組み合わせだから聞ける話が多数ある。
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/ルーマニア語)
【ソフト関連】
<BD>
言語
├オリジナル(英語/ルーマニア語)
├日本語吹き替え
音声特典
├マシュー・ヴォーン(監督/製作)、J・J・コノリー(原作/脚本)による音声解説
映像特典
├もうひとつのエンディング集(2種)
├未公開シーン集(14種)
├メイキング・ドキュメンタリー集(2種)