【タイトル】
天使と悪魔(原題:Angels & Demons)
【概要】
2009年のアメリカ/イタリア合作映画
上映時間は138分
※エクステンデッド版は146分
【あらすじ】
ローマ教皇が死去し、バチカン市国に多くの枢機卿が集まった。そんな中、次の教皇候補者である4人の枢機卿が拉致される事件が発生した。事件を解決するために、バチカンの警察からロバート・ラングドン教授は協力を依頼される。
【スタッフ】
監督はロン・ハワード
脚本はデヴィッド・コープ/アキヴァ・ゴールズマン
音楽はハンス・ジマー
撮影はサルヴァトーレ・トティーノ
【キャスト】
トム・ハンクス(ロバート・ラングドン)
ユアン・マクレガー(カメルレンゴ)
アイェレット・ゾラー(ヴィットリア・ヴェトラ)
ステラン・スカルスガルド(エリヒター)
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ(オリヴェッティ)
アーミン・ミューラー=スタール(シュトラウス)
【感想】
大ヒットした前作以上に製作費はつぎ込まれたものの、売上は4億8千万ドルと前作から3億ドル近く売り上げを落とした。
主人公らが謎を次々に解いていくという前作に比べると本作はいくらかマシである。ただいくらかマシなだけであって基本的な姿勢は前作と同じである。
本作のテーマは「宗教と科学」であろう。また、カメルレンゴから神を信じるかと問われたロバート・ラングドンは「信じる」とは言っていない。もちろん宗教や信者を否定もしていない。また、黒幕がカメルレンゴであることを知った上で振り返ると、ロバート・ラングドンがこのカメルレンゴを信じているかどうかに対する答えだったようにも思えてくる。ただ、この会話シーンが後の場面に影響を及ぼしたとは思えないし、「宗教と科学」という観点で振り返っても意図した回答は用意できなかったように思う。
本作の黒幕は上述のようにカメルレンゴである。彼は枢機卿候補の4人を捕らえて3人を殺害し、1人は殺人未遂に終わった。そして、まるで自分が5人目のターゲットであるかのように偽装し、邪魔者のリヒターとシメオンを殺害させることに成功する。そして偽装がバレると焼身自殺を図るという顛末である。
結局のところ、宗教のある意味いい加減なところが物語の展開と直結してしまった印象である。もちろん宗教は万能ではない。キリスト教だって一体になっている訳ではなく、数えきれないほどの宗派があり、教義も様々である。多くの問題を抱えながらもそれでも信じ続ける人はたくさんいる。
本作で正しいのは主人公のロバート・ラングドン教授である。彼が知恵を絞れば問題解決に近付いていき、4人目の枢機卿は辛うじて救命することに成功する。どのタイミングで何が起こり、ロバート・ラングドン教授が何を考えどう行動するかはすべて作者や脚本家のさじ加減である。これは他の物語や映画にも言えることではあるが、本作の都合の良さこそ、宗教的でもあると感じてしまう(これは意図したものではないだろうが)。
カメルレンゴがヘリコプターの操縦をできることや、彼の偽装工作がすべて監視カメラに収められていたことも、科学の延長とも捉えることはできるが、やはり物語上の都合にしか見えない。
加えて、ロバート・ラングドンの相棒は前作のオドレイ・トトゥからアイェレット・ゾラーに代わっているのだが、基本的には前作と同じでバディ感はほとんどない。前作よりかは多少見やすくなっている印象だが、基本的な部分は踏襲されている。相変わらずの失敗作。
【関連作品】
「ダ・ヴィンチ・コード(2006)」…シリーズ1作目
「天使と悪魔(2009)」…シリーズ2作目
「インフェルノ(2016)」…シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【予告編】
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/イタリア語/ラテン語/フランス語/スイスドイツ語/ドイツ語/中国語/スペイン語/ポーランド語)
【ソフト関連】
<DVD(コレクターズ・エディション)>
言語
├オリジナル(英語/イタリア語/ラテン語/フランス語/スイスドイツ語/ドイツ語/中国語/スペイン語/ポーランド語)
├日本語吹き替え
映像特典
├脚本が出来るまで
├アンビグラム 制作秘話
├撮影の軌跡
├物語に登場する小道具
├予告編集
<BD>
言語
├オリジナル(英語/イタリア語/ラテン語/フランス語/スイスドイツ語/ドイツ語/中国語/スペイン語/ポーランド語)
├日本語吹き替え
映像特典
├脚本ができるまで
├撮影の軌跡
├Cinechat(インストラクションビデオ付き)
├予告編集
├BD-LIVE
├アンビグラム 制作秘話
├物語に登場する小道具
├真実を求める登場人物たち
├セルン:人知の限界に迫る
├ローマは一日にして成らず
├“啓示の道”:インタラクティブ・マップ(インストラクションビデオ付き)
【書籍関連】
<天使と悪魔(上中下合本版)>
形式
├紙
├電子
出版社
├角川文庫
著者
├ダン・ブラウン
翻訳者
├越前敏弥
長さ
├801ページ
【グッズ関連】
<ポスター>
サイズ
├68.5㎝×101.5㎝