【作品#0600】トリプルX:再起動(2017) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

トリプルX:再起動(原題:xXx:Return of Xander Cage)


【概要】

2017年のアメリカ/カナダ/中国合作映画
上映時間は107分

【あらすじ】

宇宙にある衛星を自在に操ることのできる「パンドラの箱」が何者かによってCIAから奪われる事件が発生した。CIAのマルケはかつてNSAのギボンズのもとで任務を果たしたザンダー・ケイジに協力を仰ぐことにする。

【スタッフ】

監督はD・J・カルーソー
音楽はブライアン・タイラー/ロバート・ライデッカー
撮影はラッセル・カーペンター

【キャスト】

ヴィン・ディーゼル(ザンダー・ケイジ)
ドニー・イェン(ジャン)
ディーピカー・パードゥコーン(セレーナ)
トニ・コレット(マルケ)
サミュエル・L・ジャクソン(ギボンズ)
アイス・キューブ(ダリアス・ストーン)
ネイマール(本人役)

【感想】

2006年ごろから続編の話はあったようだが、結果的には前作「トリプルX:ネクスト・レベル(2005)」からシリーズ12年ぶりの作品で、またヴィン・ディーゼルは「トリプルX(2002)」以来15年ぶりのシリーズ復帰となった。当初ジャン役はジェット・リーだったが、何らかの事情で降板しドニー・イェンが引き継いだとされる。そして、本作は8,500万ドルの予算が投じられ、全世界で3億4千万ドルのヒットを飛ばしたが、その売り上げの半分近くが中国のものであり、アメリカ国内では4,400万ドル程度の売上に留まった(ちなみにアメリカで1億ドルを稼ぐことなく中国で1億ドルを稼いだ最初の映画になった)。

ヴィン・ディーゼルが再びザンダー・ケイジを演じることになり、エクストリームスポーツのプロと言う設定は辛うじて引き継がれているが、やや印象の異なる続編になっている。序盤のシークエンスがひと段落すると、ザンダー・ケイジは今回の任務へ臨むメンバー集めを始めることになり、どう見ても近年の成功例「ミッション:インポッシブル」シリーズからの影響は否めない。別にそれはそれで良いのだが、ザンダー・ケイジがチームを大事にしている趣旨の発言をした後、それが「ギボンズ流だ」と話している。少なくともヴィン・ディーゼルにとっての前作「トリプルX(2002)」は基本的に個人プレーの映画だった。ザンダー・ケイジがギボンズからチーム戦の良さを学んだとはとても思えない。久しぶりの続編で近年の成功作を参考にするとこうなってしまうよな。

そのチーム員になるの役を演じたのはインド人、中国系カナダ人、オーストラリア人、タイ人、ブルガリア人の俳優と国際色豊かである。これは様々なルーツを持つヴィン・ディーゼルという一人の人間がプロデューサーとして携わっているのも大きいだろう。ただ、この集められたチーム員はそれぞれが平等に魅力に乏しく、その影響かチーム員が集まるシークエンスはやや冗長で退屈である。中国のマーケットを意識したキャスティングもあったことだろう。また、序盤のアクションが終わってから、中盤のアクションまではこのチーム員集めやチーム員のキャラクターを描くことに終始するのでアクションもほとんどない。ここはアクションシーンを交えながら彼らの魅力や特徴を伝えていくべきだったんじゃないかと思う。

また、そのアクションシーンと言えば、一番魅力を発揮しているはどう見てもドニー・イェンである。確かにヴィン・ディーゼルはアクション俳優だが、ドニー・イェンにアクションで勝るものがあるとは言い難い。さらに、本作のような何でもありの荒唐無稽なアクション映画となると、ドニー・イェンの魅力もやや潰しているように思う。何ならドニー・イェンが冒頭にパンドラの箱を奪うシークエンスもあまりにリアリティがなさすぎる。なんかもったいない使い方をしているなと感じた。

さらにはドニー・イェンが演じたジャンは当初ザンダー・ケイジと対立していたが、誤解だったというオチが付き味方になる。「なんじゃそりゃ」って話である。上述のアクションにしても、この嘘みたいな展開にしても、ここまでやるならコメディ映画にすればいいのにと思う。所詮は「ワイルド・スピード」シリーズと同じ路線だし、女の子からちやほやされたいヴィン・ディーゼルの俺様映画である。

水上バイクシーンこそインパクトがある映像があったものの、映画全体として見れば凡庸なアクション映画という印象は拭えない。監督のD・J・カルーソーのフィルモグラフィーを見れば納得するものはある。ただ、満を持して登場したアイス・キューブの出オチ字幕は面白かった。

 

【関連作品】

トリプルX(2002)」…シリーズ1作目
トリプルX:ネクスト・レベル(2005)」…シリーズ2作目
「トリプルX:再起動(2017)」…シリーズ3作目
 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【予告編】

 

 

【配信関連】

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├日本語吹き替え

 

 

【ソフト関連】

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

映像特典

├帰ってきたザンダー

├キャストについて

├ロケ撮影について

├スタントについて

├NGシーン集

 

<BD(2枚組/3D&2D)>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

本編

├3D

├2D

映像特典

├上記BDと同様

 

<4K ULTRA HD+BD>

 

収録内容

├上記BDと同様