【タイトル】
トリプルX:ネクスト・レベル(原題:xXx: State of the Union)
【概要】
2005年のアメリカ映画
上映時間は101分
【あらすじ】
ギボンズが指揮するNASの地下秘密基地が何者かに襲撃され、16人のエージェントが命を落とした。ギボンズは襲撃した者を倒すためにかつての部下で服役中のダリウスを脱獄させることにする。
【スタッフ】
監督はリー・タマホリ
音楽はマルコ・ベルトラミ
撮影はデヴィッド・タッターサル
【キャスト】
アイス・キューブ(ダリウス・ストーン / トリプルX)
サミュエル・L・ジャクソン(ギボンズ)
ウィレム・デフォー(デッカート)
【感想】
前作「トリプルX(2002)」の公開直前に主演したヴィン・ディーゼルも監督のロブ・コーエンも続編である本作の契約を結んだが、ヴィン・ディーゼルは降板し、ロブ・コーエンは製作総指揮に回った。そこでアイス・キューブが主演し、「007/ダイ・アナザー・デイ(2002)」のリー・タマホリが監督を務めることになった。前作以上となる8,700万ドルが注ぎ込まれたが、全世界で7,100万ドル程度と興行的に惨敗し、批評家からも酷評され、日本では劇場未公開となった。また、前作の主人公ケイジが死んだことを示すシーンも撮影されたが、ヴィン・ディーゼルが再演する可能性を残すために劇場公開版からカットされ、長い時を経てリブートの「トリプルX:再起動(2017)」が製作されることになる。
前作からの流れを汲むと、主人公ケイジを中心とした物語にするか、ギボンズがあらゆる人材をリクルートする単発の物語にするかという形になると思うが、ヴィン・ディーゼルが主演を断ったことで、後者のような物語になったのだろう。結論から言うと、好みで言えば前作よりも本作である。変な色気を見せていた前作に比べると、「普通」のアクション映画にしたことで多少の説得力は生まれたと思う。また、スパイ行為が素人のケイジが何でもできることに違和感のあった前作に比べると、ギボンズの元部下という設定にしたことで何でもできることに説得力を持たせる形になっている。
ただ、比較的テンポの良かった前半に比べると、中盤以降は理屈ある展開にあまりなっておらず、デッカートの陰謀もよく分からん。仮に大統領らが死んだとして自分が大統領の座に繰り上がったら真っ先に疑われるだろうに。また、悪い白人を黒人がやっつける展開は、あらゆるルーツを持つヴィン・ディーゼルに意味を持たせようとしたロブ・コーエンの前作に比べると非常に単純化されたものであるとも言える。
そして、終盤にかけてアクションシーンはCGが多用され、前作以上に荒唐無稽なアクションシーンになってしまった。CG発展期の2000年代によく見られたクオリティである。また、銃撃戦もあまり工夫がなく、撃てば当たる、隠れれば当たらないという演出に終止したのはもったいない。
酷評されたアイス・キューブもそこまで悪いと感じなかったし、色々欲張った前作に比べると普通のアクション映画にしたことは個人的には正解だったと思う。高評価するほどの作品ではないが、好みで言えば前作よりも本作かな。
【関連作品】
「トリプルX(2002)」…シリーズ1作目
「トリプルX:ネクスト・レベル(2005)」…シリーズ2作目
「トリプルX:再起動(2017)」…シリーズ3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├リー・タマホリ(監督)とサイモン・キンバーグ(脚本)による音声解説
├視覚効果担当による音声解説
映像特典
├囚人からヒーローへ:メイキング・ドキュメンタリー集(2種)
├撮影の舞台裏集(3種)
├未公開シーン集(3種)
├予告編集
<BD>
収録内容
├上記DVDと同様