【作品#0348】ドミノ(2005) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ドミノ(原題:Domino)


【概要】

2005年のアメリカ/フランス/イギリス合作映画
上映時間は127分

【あらすじ】

賞金稼ぎのドミノは、FBI捜査官タリンから1,000万ドル強奪事件の容疑者として取り調べを受けていた。

【スタッフ】

監督はトニー・スコット
製作はトニー・スコット/リドリー・スコット
音楽はハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影はダニエル・ミンデル

【キャスト】

キーラ・ナイトレイ(ドミノ・ハーヴェイ)
ミッキー・ローク(エド・モズビー)
エドガー・ラミレス(チョコ)
デルロイ・リンドー(クレアモント)
ルーシー・リュー(タリン・マイルズ)
クリストファー・ウォーケン(マーク・ハイス)

【感想】

実在の賞金稼ぎドミノ・ハーヴェイを描いた作品。同じイギリス出身のキーラ・ナイトレイが彼女を演じた。ドミノ・ハーヴェイは本作のラストカットで登場しているが、公開を待たずに薬物オーバードーズにより35歳で亡くなった。ドミノの母を演じたジャクリーン・ビセットは、かつてモデル時代にドミノの母と知り合いであった。

CM出身のトニー・スコットらしいとも言うべき「スタイリッシュ」な映像。この感じで2時間以上見続けるのはやっぱりちょっとしんどいね。さらに幻覚剤を飲んでからはもっとカメラが揺れたりカットを割ったりしている。せめて90分くらいでまとめてくれないと見続けるのが苦痛になる。まだ、「普通に」撮った方が良かったんじゃないかと思う。ただでさえカット割りも多く、じっとしている場面が少ない割に、過去に遡ったり、想像を描写したうえで遡って事実を物語ったりという手法も疲れる。それに、トニー・スコット監督の前作「マイ・ボディガード(2004)」でも取り入れられていた時折字幕を入れる手法も明らかにノイズになっており、字幕があることで何らかの効果が得られているようには感じない。

映画の題材としては、同じトニー・スコット監督の「トゥルー・ロマンス(1993)」を思い出す。ただ、過激でハードボイルドなシーンがある割には、編集や演出のせいか、あっさりした表現で目を背けたくなるような場面もない。それに、この手の映画にしては、ラブシーンが一度しか出てこないのは意外性はある。若者の有り余るエネルギーをセックスにぶつけたっておかしくない。一応、ドミノとチョコのロマンスはあるのだが、割とプラトニックな関係だし、その魅力に惹かれていくのも割と徐々にである。

あと、現代における「賞金稼ぎ」というものの説明が足らないかな。音声解説によると、現代における「賞金稼ぎ」は、各所で情報を集めて犯罪者を捕まえて警察に引き渡すとインセンティブを貰えるというものである。ただ、そのインセンティブは微々たるもので、捕まえた犯人の家で金品や薬を持って帰り、それを売るなどして金にすることがメインの収入源になっていたらしい。この辺りはもう少し丁寧に紹介をしておいた方が良かった。本作の根幹とも言える部分の説明を怠ったことも本作に入りづらいポイントと言える。

また、俳優の娘として生まれたお嬢様がモデルになったのに、それを辞めてわざわざ「賞金稼ぎ」になるのかもいまいち見えてこない。ここはもっと丁寧に描いても良かったと思う。

当時の若手女優の筆頭だったキーラ・ナイトレイが実在のドミノ・ハーヴェイを熱演したが、ラストカットに登場するドミノ・ハーヴェイ本人を見ると、この雰囲気は出せていないかな。たった数秒でもドミノ・ハーヴェイ本人から醸し出されるオーラは異質だと分かる(年齢は違うが)。誰が演じてもきつかったかもしれないが、シャーリーズ・セロンくらい声に迫力のある女優が演じるべきだったかな。ちなみに日本語吹き替えを少し聞いたが、眞鍋かをりによる吹き替えはさすがに聞いていられなかった。

【音声解説】

参加者

├トニー・スコット(監督)

├リチャード・ケリー(脚本)


上記2名による音声解説で、音源は別撮りだが、映像とは連動している。それぞれが映画製作の経緯、映画の全体像から脚本への落とし込み、それぞれの仕事ぶりの評価などを語っている。特にトニー・スコットのラブシーンの撮り方、監督ゆえの苦悩の話は興味深かった。

【関連作品】


影なき狙撃者(1962)」…ジョン・フランケンハイマー監督のサスペンス映画。ドミノ・ハーヴェイの父であるローレンス・ハーヴェイが出演しており、本作中にこの映画がテレビで流れるシーンがある。



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語)

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├日本語吹き替え

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

├トニー・スコット(監督)、リチャード・ケリー(脚本)による音声解説

映像特典

├本当のドミノ・ハーヴェイ

├削除されたシーン

├スタイル・オブ・ドミノ

├予告編集

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹き替え

音声特典

├トニー・スコット(監督)、リチャード・ケリー(脚本)による音声解説

映像特典

├スクリプト・ストーリー開発会議音声(監督トニー・スコット、製作総指揮ザック・シフ・エイブラムス、脚本家リチャード・ケリー、俳優トム・ウェイツ)
├本当のドミノ・ハーヴェイ

├削除されたシーン
├スタイル・オブ・ドミノ
├予告編集