【作品#0452】影なき狙撃者(1962) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

影なき狙撃者(原題:The Manchurian Candidate)


【概要】

1962年のアメリカ映画
上映時間は129分

【あらすじ】

朝鮮戦争で捕虜になったマーコ大尉らを救出したレイモンド・ショー軍曹は帰国後に英雄として称えられる。ところが、捕虜になっていた間にソ連軍によって洗脳され、レイモンドはトランプのクイーンを見ると言いなりになるようになってしまっていた。

【スタッフ】

監督はジョン・フランケンハイマー
音楽はデヴィッド・アムラム
撮影はライオネル・リンドン

【キャスト】

フランク・シナトラ(ベネット・マーコ)
ローレンス・ハーヴェイ(レイモンド・ショー)
アンジェラ・ランズベリー(アイスリン夫人)
ジャネット・リー(ユージニー・ローズ)
ジェームズ・グレゴリー(アイスリン上院議員)

【感想】

リチャード・コンドンが1959年に発表した小説の映画化。2004年にはジョナサン・デミ監督、デンゼル・ワシントン主演でリメイク「クライシス・オブ・アメリカ(2004)」が製作された。

冷戦下でアメリカとソ連による代理戦争となった朝鮮戦争。中国やソ連の連中が捕虜となったアメリカ兵士を洗脳し、暗殺者に仕立て上げるプロットは一つ間違うと馬鹿げた映画になってしまいそうだが、サスペンススリラーとして仕立て上げているのは流石である。洗脳のアイデアは後の「テレフォン(1977)」に影響を与えているのだろう。

フランク・シナトラの演技も見事だが、洗脳されどこか無機質な雰囲気を醸し出すローレンス・ハーヴェイからも目が離せない。また、アカデミー賞助演女優賞候補にもなった、レイモンド・ショーの母親アイスリン夫人を演じたアンジェラ・ランズベリーも素晴らしく、歪んだ母子関係を見事に表現していた。

ジョン・フランケンハイマー監督は「グラン・プリ(1966)」からカラー作品に移行するが、特に初期作品のモノクロ映画との相性の良さは素晴らしい。

【音声解説】

参加者

├ジョン・フランケンハイマー(監督)


監督のジョン・フランケンハイマーによる音声解説。半分ほどは黙っているのでもう少し話してほしかったとは思うが、フランク・シナトラの格闘シーン、ローレンス・ハーヴェイが凍り付く湖に飛び降りた話など、その話す内容はかなり興味深い。中でも、最初のテイクでベストの演技を出すフランク・シナトラに、スタッフのミスによって取り直しを依頼した話、またその後何度撮影してもうまくいかずに結局ピンボケしたカットを強引に使用した話は興味深かった。

【関連作品】


「影なき狙撃者(1962)」…オリジナル
クライシス・オブ・アメリカ(2004)」…リメイク

ドミノ(2005)」…本作でレイモンド・ショーを演じたローレンス・ハーヴェイの娘ドミノ・ハーヴェイの伝記映画。この映画の中で本作がテレビで放映されている場面がある。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【ソフト関連】

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

音声特典

├ジョン・フランケンハイマー(監督)による音声解説

映像特典

├独占インタビュー映像(フランク・シナトラ他)

├オリジナル劇場予告編集