【タイトル】
クライシス・オブ・アメリカ(原題:The Manchurian Candidate)
【概要】
2004年のアメリカ映画
上映時間は130分
【あらすじ】
上院議員エレノアを母に持つレイモンド・ショーは、党の副大統領候補に指名された湾岸戦争での英雄である。ところが、彼の元上官ベン・マルコはその英雄的行為の記憶に疑問を抱いていた。
【スタッフ】
監督はジョナサン・デミ
音楽はレイチェル・ポートマン/ワイクリフ・ジョン
撮影はタク・フジモト
【キャスト】
デンゼル・ワシントン(ベン・マルコ)
リーヴ・シュレイバー(レイモンド・ショー)
メリル・ストリープ(エレノア・ショー)
ジェフリー・ライト(アル・メルヴィン)
キンバリー・エリス(ロージー)
ジョン・ヴォイト(トーマス・ジョーダン)
ヴェラ・ファーミガ(ジョスリン・ジョーダン)
ブルーノ・ガンツ(デルプ)
【感想】
「影なき狙撃者(1962)」のリメイク。ジョナサン・デミ監督とデンゼル・ワシントンは「フィラデルフィア(1993)」以来のタッグとなり、デンゼル・ワシントンとリーヴ・シュレイバーは「ザ・ハリケーン(1999)」以来、デンゼル・ワシントンとキンバリー・エリスは「ジョンQ-最後の決断-(2002)」以来の共演となった。
ジョン・フランケンハイマー監督の代表作の1つ「影なき狙撃者(1962)」のリメイクだが、洗脳される話以外は設定も大きく変更されているので別の映画として観た方が良いかもしれない。
洗脳して政治のライバル暗殺を試みるというのも、どうも割に合わない話だとは思う。ただ、祝勝会の会場での暗殺といえば、ロバート・ケネディ暗殺が真っ先に思い浮かぶわけであり、決してリアリティがないとも感じない。また、中東を意識する映像やワードも登場するので、2001年のアメリカ同時多発テロからそれほど時を経ていないことも本作をよりリアルに仕立て上げる要素になっているのだろう。
オリジナル版でローレンス・ハーヴェイが演じたレイモンド・ショー役はリーヴ・シュレイバーが演じている。洗脳されて血の通わない、そして副大統領候補に仕立て上げられる男を好演。他にも本作は豪華キャストが共演しており、各俳優の演技を楽しむこともできる。あとは、やはりジェフリー・ライトが大きな印象を残した。特に冒頭近く、ベン・マルコを訪ねて夢に悩むことを打ち明けるシーンはクローズアップでの撮影も相まって非常に印象深いものになっている。また、特に祝勝会の会場での一連の場面は台詞による説明は一切ないので、彼らの演技にかかっているわけである。それを実現させるだけの実力が揃ったことは何よりだろう。
本作はジョナサン・デミの迷走期の作品でもあるので、スルーされがちだがオリジナル版と合わせて見ておきたい一本。
【音声解説】
参加者
├ジョナサン・デミ(監督)
├ダニエル・パイン(脚本)
上記2名による対話形式の音声解説。オリジナルに出演したフランク・シナトラの息子が本作の権利を持っており、リメイクに関するアイデアを長年温めていた話、原作小説や一度目の映画化において重要視された場面の脚色、舞台を現代に置き換える際のアイデア、代表作のなかったリーヴ・シュレイバーの起用、試写で盛り上がった箇所や逆に試写で意図が伝わらなかった箇所の話、起用したキャストの印象など話してくれる。作品の理解を深める意味において聞いてみる価値はあると思う。
【関連作品】
「影なき狙撃者(1962)」…オリジナル
「クライシス・オブ・アメリカ(2004)」…リメイク
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語)
<Amazon Prime Video>
言語
├日本語吹き替え
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ジョナサン・デミ(監督)、ダニエル・パイン(脚本)による音声解説
映像特典
├「クライシス・オブ・アメリカ」の舞台裏
├「クライシス・オブ・アメリカ」のキャスト
├削除シーン
├アウトテイク
├リーヴ・シュレイバー スクリーンテスト
├政治講義
<BD>
収録内容
├上記DVDと同様