【作品#0282】ANNA/アナ(2019) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ANNA/アナ(原題:ANИA)


【概要】

2019年のアメリカ/フランス合作映画
上映時間は119分

【あらすじ】

ロシアの市場で売り子をしていたアナは、ある男にスカウトされてフランスでファッションモデルになるが…。

【スタッフ】

監督/脚本はリュック・ベッソン
音楽はエリック・セラ
撮影はティエリー・アルボガスト

【キャスト】

サッシャ・ルス(アナ)
ルーク・エヴァンス(アレクセイ)
キリアン・マーフィ(レナード)
ヘレン・ミレン(オルガ)

【感想】

監督のリュック・ベッソンが本作製作中に女優への性的虐待で訴えられ、結果的には証拠不十分で不起訴になったものの、映画会社は本作の宣伝を最小限に留め、3,000万ドルの予算に対し、全世界で予算とほぼ同額しか売り上げることができなかった。また、リュック・ベッソンが脚本、製作で携わった「ウォリアー・ゲート 時空を超えた騎士(2016)」にも出演したモデルのサッシャ・ルスが映画初主演を飾った。

本作を見たら誰もがリュック・ベッソン監督の「ニキータ(1990)」を思い出すだろう。また、時系列が行き来し、ブロンド女性が主人公のスパイもので、同時期のヨーロッパが舞台となると、本作の製作が開始されたのと同じ年に公開された「アトミック・ブロンド(2017)」も思い出す。

上述のように、本作はこれでもかと時系列をこねくり回している。意味ありげなシーンが終わると、後に「実はこうでした」という展開が延々と続いていく。これはやり出すとキリがなく、「どうせ後で覆るのだろう」と思うと興味が失せてしまう。少し経つと「〇か月前」とか「〇年後」って何度も出ると「またかよ」と思ってしまう。これだったらある程度のところまでは時系列通りに見せた方が良かったんじゃないか。

終盤のアレクセイとレナードを鉢合わせるところからの展開も無理がある。あれだけ監視しているなら、彼らが公園に行くまでの間にKGBとCIAがお互いの存在に感づくだろう。そしてまた案の定3か月前に話が戻り、アナがオルガと企てをしているのが分かる。その時の会話を録音していたことでアナが自由を得るであろうことが分かってエンディングを迎える。「実はこうでした」展開が山のようにある本作なら、アナが本当に自由を手に入れられたとは思えず、どうせ見つけられて殺されちゃうんだろうなと思ってしまう。盗聴していたことでオルガを出し抜く展開も、オルガが油断しすぎだし、かつての映画で山ほど見てきた展開なので、爽快感もない。

アクションに関しては、中盤前のレストランでのシーンが一番の見せ場だろう。銃を持っている敵とそうでない敵が中途半端に混在するところは若干違和感があり、アクションとしては目新しさもそこまで感じられない。サッシャ・ルスという身長が178センチもある長身女性を生かしたシーンは確かにあるが、「ジョン・ウィック(2014)」「キングスマン(2014)」「アトミック・ブロンド(2017)」辺りのアクションを連想させ、それらに比べるとやや落ちるかなという印象。

リュック・ベッソンは本当にブロンド美女が好きだなとは思わせるが、監督作としては「レオン(1994)」以降、基本的にずっとパッとしないな。




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