【作品#0228】リトル・ダンサー(2000) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

リトル・ダンサー(原題:Billy Elliot)

 

【概要】

 

2000年のイギリス映画

上映時間は111分

 

【あらすじ】

 

父親からボクシングを習わされているビリーは、同じ体育館で女子がやっているバレエを見て、父親に内緒でバレエを習い始める。

 

【スタッフ】

 

監督はスティーヴン・ダルドリー

音楽はスティーヴン・ウォーベック

撮影はブライアン・テュファーノ

 

【キャスト】

 

ジェイミー・ベル(ビリー)

ゲイリー・ルイス(ビリーの父ジャッキー)

ジュリー・ウォルターズ(ウィルキンソン)

 

【感想】

 

低予算ながら世界でヒットしたイギリス映画。炭鉱の町が舞台で、主人公の名前がビリーという点でケン・ローチが監督した「ケス(1969)」を思わせ、ビリーが本を盗むシーンもオマージュだろう。

 

本作で一番気がかりなのは、主人公のビリーがバレエを始める、あるいは続ける動機である。炭鉱で働く暴力的な父親と兄を見て、ボクシングをしたくないというのは伝わってくるが、なぜバレエなのか。ビリーは母親がフレッド・アステア好きで、当の本人はジーン・ケリーのファンであり、映画内で度々タップダンスを披露している。なのでビリーがタップダンスをやりたいというのなら分かるが、バレエと言うのはちょっと違うんじゃないか。ボクシングを習わせたい父親への当てつけにも見えるが、これだったらタップダンス好きの設定をなしにして、徐々にバレエに魅了されていくビリーを一貫して描くべきだったんじゃないか。また、ビリーが最初にバレエを見る場面もとても魅了されたようには見えないんだよね。ここはちょっと大げさなくらい華麗に描いても良かったんじゃないか。

 

また、バレエをやることに反対していた父親も兄貴も心変わりするのが映画的にちょっと早い。もう1つか2つほど彼らが心変わりするに至る過程を描くべきだった。

 

それからウィルキンソン先生がビリーに肩入れする理由もあまり見えてこない。女の子しかいない中に入って来てバレエをやろうとする男の子ビリーが父親に歯向かえないと見ると嗾けるという行動はなかなか面白いのだが。また、ビリーにオーディションを勧めているのだから、面接の練習や合格できるための対策を取るシーンも描くべきだっただろう。合格できたから良かったものの、これだったらろくに対策もしないいい加減な指導に見えてしまうし、ビリーの父親相手に言い合った場面も生きてこない。

 

一般的には絶賛されている作品ではあるが、各登場人物の心理描写に乏しく、凡作。

 

 

 

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