【タイトル】
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード(原題:Once Upon A Time In Mexico)
【概要】
2003年のアメリカ映画
上映時間は101分
「マリアッチ」3部作の3作目
【あらすじ】
CIAのサンズは、クーデターの情報を掴み、それを阻止するためマリアッチの男に接触を図る。
【スタッフ】
監督/製作/脚本/音楽/撮影/編集はロバート・ロドリゲス
【キャスト】
アントニオ・バンデラス(エル・マリアッチ)
サルマ・ハエック(カロリーナ)
ジョニー・デップ(サンズ)
ミッキー・ローク(ビリー)
エヴァ・メンデス(アヘドレス)
ダニー・トレホ(ククイ)
ウィレム・デフォー(バリヨ)
【感想】
前作「デスペラード(1995)」の予算700万ドルから約4倍の2,900万ドルの予算で製作された「マリアッチ」3部作の3作目にあたる本作。予算の大幅アップを受けて、ジョニー・デップ、ミッキー・ローク、ウィレム・デフォー、エヴァ・メンデスら新キャストが脇を彩った。
この手の映画はシンプルが一番。原題に「Once Upon a Time in〜」となっていることから、セルジオ・レオーネ監督作品群へのオマージュが捧げられていることが分かり、「続・夕陽のガンマン(1966)」に見られる複数の視点からの描写や、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984)」に見られる回想シーンなどがそうだろう。その複数の視点には主役を張れるクラスのキャストが名前を連ねたことで、彼らへの見せ場もかなり用意されている。これによって主人公エル・マリアッチを演じたアントニオ・バンデラスの存在感が見事に希薄で、ジョニー・デップ演じたサンズの方がどう考えても扱いは上であると感じる。
はっきり言って、映画自体が散漫であり、なかなか話の進まない鈍重さすらある。幸せに暮らしていたマリアッチとカロリーナだったが、カロリーナが殺され、マリアッチがその復讐をするというシンプルな筋書きで良かったと思う。もしセルジオ・レオーネへのオマージュで「続・夕陽のガンマン」のような複数視点を入れるとしても、せめて3視点までかな。はっきり言って登場人物が多すぎる。
また、ジョン・ウー監督オマージュも満載で、2丁拳銃にスローモーションや鳩、更には顔の手術シーン(どう考えても「フェイス/オフ(1997)」)まである。前作にはなかったバイクチェイスなども盛り込まれ、金がかかっているのは分かるが、映画としての面白さは前作や前々作から落ちてしまったと言わざるを得ない。
【音声解説】
参加者
├ロバート・ロドリゲス(監督)
ロバート・ロドリゲス監督による単独の音声解説。準備不足だった前作「デスペラード(1995)」の音声解説に対し、本作の音声解説は「エル・マリアッチ(1992)」のそれを彷彿とさせる情報の嵐である。ストの関係で急遽作り上げた脚本、サルマ・ハエックの可能な撮影日数の話から、本作が出来上がった経緯は理解できる。監督の話しぶりからジョニー・デップ演じたサンズへの思い入れは相当なようで、彼主演の別の映画にしたほうが良かったのではないかとさえ思える。他にも、スタントの話や、タランティーノの話、本筋とは関係のない闘牛士の話など面白い話も多数あり、本編自体はいまいちでも、やはりロバート・ロドリゲスの音声解説は聞くに値するものである。
【関連作品】
「エル・マリアッチ(1992)」…マリアッチ3部作の1作目
「デスペラード(1995)」…マリアッチ3部作の2作目
「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード(2003)」…マリアッチ3部作の3作目
取り上げた作品の一覧はこちら
【配信関連】
<Amazon Prime Video>
言語
├オリジナル(英語/スペイン語)
【ソフト関連】
<DVD>
言語
├オリジナル(英語/スペイン語)
├日本語吹き替え
音声特典
├ロバート・ロドリゲス(監督)による音声解説
映像特典
├ロドリゲス監督の簡単料理教室
├“フィルムは死んだ”
├ロドリゲス監督との夕べ
├アンチ・ヒーローの旅
├正義と悪と流血と:KNBEFXの舞台裏)
├未公開シーン集(監督の音声解説付)
├フィルモグラフィ
├オリジナル劇場予告編集
<BD>
言語
├オリジナル(英語/スペイン語)
├日本語吹き替え